日本語対応が間近に迫った「Apple Intelligence」。これまでAI分野で他社に大きな遅れを取っていたAppleが、ようやく日本でも本格的にAIを活用し始めることになります。
しかし、多くの日本のユーザーが期待を寄せる中で、Siriの魅力的な機能が来年に延期されることが発表されました。
Siriのアプリ間操作が延期に
Appleの広報担当者であるJacqueline Roy氏は、Apple Intelligenceによって強化されるSiriの新機能を来年に延期すると発表しています。
この新機能が実装されれば、Siriに「この写真を明るくして」と頼むだけで、指一本動かさずに写真の補正ができます。さらに、その補正した写真をメモアプリの中にある特定のメモに貼り付けるなど、アプリを跨いだシームレスな操作が可能になります。
“Siri helps our users find what they need and get things done quickly, and in just the past six months, we’ve made Siri more conversational, introduced new features like type to Siri and product knowledge, and added an integration with ChatGPT. We’ve also been working on a more personalized Siri, giving it more awareness of your personal context, as well as the ability to take action for you within and across your apps. It’s going to take us longer than we thought to deliver on these features and we anticipate rolling them out in the coming year.”
Apple Intelligenceは、昨年秋の提供開始以降、キーボードを使って会話できる「タイプ入力」やApple製品に関する知識向上、ChatGPTとの統合など、順調に進化を遂げてきました。
そして、iOS 18.4でSiriによるアプリ操作、ユーザーコンテクストの理解、画面の内容を認識してアクションの実行などが一斉に追加されると見られていましたが、今回の発表により、実現は来年以降となりました。
延期されたSiriの主な機能
- Siriによるアプリ操作：「この写真を明るくして」と写真の補正を依頼してから、メモアプリの中にある特定のメモに画像を貼り付ける
- ユーザーコンテクストの理解：空港に母を迎えに行く際に「母の飛行機の到着時間は？」と聞くと、事前に母から届いていた情報をメールやメッセージなどのアプリから探し出し、リアルタイムの運行状況をもとに最新の到着時間を教える
- 画面の内容を認識してアクションの実行：住所が書かれたメールやお店のサイトを表示しながら「Hey Siri、この住所を連絡先に追加して」
これらの機能は、声に出して簡単な作業をAIに代行させるような人工知能ではなく、AIが自律的に行動し、人間が面倒だと感じる作業を代行する本格的なAIアシスタントとしての機能です。Appleユーザーに限らず、多くの人がスマートフォンのAIに期待していたものです。
会話型Siri（SiriGPT）の登場も延期か
Appleは未発表の機能についても延期する可能性があるようです。
iOS 19では、SiriがChatGPTのように、より会話的な対話が可能になると報じられていましたが、BloombergのMark Gurmanによると、開発の遅れによりWWDC 2025での発表は見送られる可能性が高く、最速でも2027年のiOS 20になると伝えられています。
どの機能もiPhoneのAI体験を大きく向上させるものなだけに延期は残念ですが、ぜひ実現して欲しいところです。ひっそりと公式サイトから姿を消し、無かったことにされないことを望みます。
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