Appleは8月27日、アプリ開発者が起こした集団訴訟を解決するApp Storeのアップデートを発表した。
最も大きな変更はアプリ開発者がメールなどを使ってユーザーと直接やり取りし、App Store以外での支払い方法を案内できること。
当然ながらApp Store以外での購入や契約に関して最大30%の手数料――いわゆるApple税を支払う必要はないため、アプリ開発者は利益を最大化したり、これよりも安い価格でサービスを提供可能になる。なお、アプリ上での支払い方法の提案は引き続き禁止する。
和解金1億ドルの支払いも
Appleとアプリ開発者は主に7つの事項で合意に達したという。以下の取り組みは一部を除いて日本を含む米国外でも実施されるようだ。
なお、合意内容にはAppleからアプリ開発者に対して1億ドルの支払いも含まれていて、開発者一人あたりに250ドルから3万ドルが支払われるとのこと。
- 前年の収益が100万ドル(約1億円)以下であれば、手数料を30%から15%に引き下げるプログラムの今後3年間の提供
- App Storeの検索システムにおいて、今後3年間、客観的特性に基づいた検索結果の提供維持
- アプリ開発者によるメールを使ったApp Storeを介さない支払い方法の提案
- アプリの設定価格を現在の100未満から500以上に拡大
- アプリ開発者が不服申し立てプロセスの仕組みを理解するのに役立つコンテンツの追加
- 審査に通らなかったアプリの数、無効化されたユーザーおよび開発者アカウントの数、検索クエリと検索結果に関する客観的なデータ、App Storeから削除されたアプリ数といったレポートの提供
- 小規模な米国のデベロッパを支援するための基金設立
これまでAppleはApp Storeを介さない決済方法を認めず、最大30%の手数料――いわゆるApple税を支払わせていたが、昨年8月にフォートナイトを提供するEpic Gamesが反発し、Apple税を回避するために独自の課金方法を提供したところ、同アプリがApp Storeから削除された。
これをキッカケにAppleに対して反トラスト法(独占禁止法)違反ではないかとの批判が集中し、エピックゲームズは同法違反および反競争的行為を理由に訴訟を起こしている。
エピックゲームズが起こしている訴訟と、合意が発表されたAppleに対するアプリ開発者の集団訴訟に直接的な関係はないが、エピックゲームズとの訴訟のなかで、連邦裁判所の判事は今回の合意内容に含まれているアプリ開発者がメールを使ってApp Store外の課金方法の提案についてAppleが禁じていることに疑問なげかけていた。
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