Epic Gamesが開発する大人気のバトルロイヤルゲーム「Fortnite」(フォートナイト)がApp Storeから削除された。
フォートナイト内に独自のアプリ内課金を実装してAppleが徴収する30%の手数料ーーいわゆるApple税を回避したことが削除理由となっている。
ユーザーにApple税反対の呼びかけも
AppleはApp Storeで販売する有料アプリや無料アプリ内に実装されている有料コンテンツに対して支払額の30%、サブスクリプションサービスの場合2年目以降は15%を徴収するApple税を設けている。
AppleはEpic Gamesが承認していない機能をアプリ内に実装し、デジタル商品やサービスを販売するすべての開発者に適用されるアプリ内課金のガイドラインに違反する意図があったとしてApp Storeからアプリを削除したと説明。
また、Appleは10年前からApp Storeでアプリを提供しているEpic Gamesを特別扱いしないもののEpic Gamesと協力してフォートナイトをApp Storeに戻せるように全力を尽くすとしている。
具体的にはEpic Gamesがゲーム内仮想通過を直接販売することでユーザーは20%も安く購入できると共にEpic GamesはApple税を収めずに利益を増やせる機能を追加したことが削除理由となったようだ。
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— フォートナイト (@FortniteJP) August 13, 2020
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Apple税に関してはNetflixやSpotifyなどの大手サービスも反対しており、Netflixはアプリから有料サービスに登録できないようアプリ内課金を削除。同じくアプリ内課金を削除したSpotifyは高額な手数料が独占禁止法違反に当たるとしてAppleに対して訴訟を起こしている。
アプリ内課金やサブスクリプションサービスが登場した初期の段階では決済(の安全性)に抵抗があったため、App Storeを経由することで安心を買うことにもなっていたが一般化した今は抵抗感が薄れている。特にNetflixやSpotify、フォートナイトなどのメガアプリに関してはApp Storeを経由しない決済にも抵抗感がないため、ユーザーは単純に安い独自の課金方法を選ぶ。
時代遅れになりつつあるApple税。そろそろ見直しの時期が来ているのでないだろうか。
なお、既にフォートナイトをダウンロードしている場合は新シーズン開始後も含めて引き続きプレイできるが新しいコンテンツにはアクセスできずバトルパスも購入できず新機能追加や不具合の修正といったアップデートも配信されない。アプリをデバイスから削除した場合でもApp Storeの「購入済み」から再ダウンロードできる。
Epic GamesはApp Storeの独占に異議を唱えました。報復として、Appleは10億のデバイスでFortniteをブロックしています。https://t.co/VwLAHlzLap へアクセスし、2020年を「1984」にしないための闘いに参加してください。 pic.twitter.com/LSKyXiXQVA
— フォートナイト (@FortniteJP) August 13, 2020