- ドコモはスマホのデータトラフィック増大に対し、集中対策を進めました。
- 昨年12月、計画通り対策が完了、通信品質が大きく改善したと発表されています。
- しかし、ユーザーが離れた可能性もあり、品質改善を示す指標としては不十分かもしれません。
2月2日、ドコモが記者説明会を開催し、通信サービス品質改善の取り組み状況を発表。通信品質が大幅に改善されたことを報告しています。
点と線による集中対策、12月までの計画が実施完了
昨年、XなどのSNSでは「ドコモが繋がりにくい」との声が多く投稿され、筆者が契約しているahamoでも電波がフルで立っているにも関わらず、速度が遅くパケ詰まりのような現象を確認していました。
ドコモは夏までの解消を目指すとしたものの、携帯総合研究所のコメントには夏になって秋を過ぎても、まったく解消されていないとの声が多数寄せられ、ドコモが改善したと報告していた新宿・渋谷・池袋・新橋の都内4エリア以外からも不満や怒りのコメントが投稿されるなど、むしろ影響範囲は都心から全国に拡大したように思えました。
この状況を受けてドコモはスマートフォンの普及およびSNS・動画視聴などの伴うデータトラフィックの増大が原因として点と線での集中対策を進め、昨年12月までの改善を目指すと発表。
- 点の対策:駅や繁華街、住宅街など全国2,000ヶ所以上が対象
- 線の対策:乗降客数の多いJR・私鉄・地下鉄など全国の鉄道動線が対象
ドコモは集中対策の目標についてユーザーが安心してHD画質相当の動画視聴ができる通信品質(参考:ドコモは20Mbpsであれば4K動画を視聴できると案内している)を目安としていました。
混雑時の通信品質が改善
最新報告によれば、昨年12月までの集中対策は計画どおり完了し、通信サービス品質が大きく改善したとのこと。
点の対策によって改善された箇所では最も混雑する時間帯の平均スループット(下り)が昨年5月時点から1.7倍に向上。また、大阪駅や名古屋駅でも5Gエリア化または拡充、設備増強、アンテナの指向調整・位置変更、5Gエリアチューニングを行うことで混雑する時間帯でも不便なく利用可能になったと報告されています。
線の対策では既存基地局を活用した対策が完了し、5Gと4Gの切替高速化および設備増設による対策は継続して実施中とのこと。
対策の結果、通勤中など最も混雑する時間帯の通信品質も乗車時間の90%不便なく利用できる(10%は画質の低下、読み込みが止まるなどして再生が中断)として品質が向上したとしています。
ネガティブなSNS投稿が75%減少
点と線の対策によって通信品質に対するネガティブな声(Xの投稿)は2023年3月比で約75%も減少したと報告しています。
ただし、2023年3月はドコモの通信品質が悪いと騒がれ始めたころと記憶していて、繋がりにくい原因がわかっている今と原因がわからなかった当時では投稿に対するモチベーションのようなものが違います。
また、携帯総合研究所のコメントでは、ドコモをやめると言っていた人も少なからずいたので通信品質に敏感な人はすでにドコモから他社に移ってしまった可能性も考えられます。Xへの投稿数だけで通信品質が改善したとは言えないような気もします。
繋がりにくい場所を見える化して品質改善へ
ドコモはさらなる通信品質を改善するための取り組みとして、ドコモユーザーがd払いで決済する際にQRコード/バーコードが表示されるまでの時間を計測し、マッピングして通信品質が悪い場所を見える化する取り組みも1月から開始したことを報告しています。
現在は基地局の情報利用しているものの、今後は同意を得ることを前提にGPSの利用も検討するとのこと。また、d払いだけでなく動画視聴やウェブも順次対応する予定としています。
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