新型コロナウイルスの感染拡大によってマスクを手放せない日々が続いている。ただ、iPhoneの顔認証「Face ID」はマスクを付けたままでは顔を正しく認識できず、画面ロックを解除できない。
ストレスを感じる非常に不便な仕様だったが、Appleは次のOSアップデートでマスクを付けている場合は顔認証をスキップする変更を加えるようだ。
新型コロナウイルス関連のアップデートも
現在、顔認証「Face ID」に対応したiPhoneでは、ロック画面が表示されるとすぐに顔認証がスタートする。
持ち主と判断されればロックが解除されるが、マスクの装着などによって顔が認識できない場合はエラーになり、画面を上にスワイプして再認証する必要がある。再認証でもエラーになった場合はパスコードの入力を求められる仕様だ。
つまり、マスクをしている時はパスコードを入力するために2回の顔認証に失敗する必要がある。非常にストレスを感じる仕様のため、マスクを付けたままiPhoneの顔認証を解除する裏ワザまで登場した。
Appleはユーザーの声を受け止めたのか、4月30日に公開した開発者向けのiOS 13.5 Beta 3では、Face IDが顔がマスクなどで覆われていると判断した場合に限り、画面を上にスワイプすることで顔認証をスキップしてパスコードの入力画面が即時表示されるよう変更された。設定画面にはオプションがあるため、正式版では選択が可能になるかもしれない。
なお、iOS 13.5では新型コロナウイルス感染者との濃厚接触の可能性を検出できるAPIにも対応している。
このAPIはAppleとGoogleの協力によるもの。14日後に削除されるランダムなIDをBluetoothで安全に近くのデバイスと共有することで感染者との濃厚接触の可能性を検出する。
APIはデフォルトでオンになっているが、設定でオフにすることが可能。また、あくまでもAPIのため、公衆衛生当局が提供する専用アプリをダウンロードして規約等に同意しない限り利用することはできない。
AppleとGoogleはこのAPIを5月にリリース予定と案内していることからiOS 13.5の提供時期も来月になるようだ。