物理的なSIMカードを必要とせず、ソフトウェアで書き換え可能な電子式のSIMカード「eSIM」。AppleのiPhoneは2018年発売のiPhone XS|XS Maxから搭載を開始しています。
最新情報によれば、早ければ2022年発売の新型iPhone(仮称:iPhone 14)から物理SIMカードを廃止し、eSIM専用機になるようです。
日本でも普及したeSIM
MacRumorsが匿名の情報筋から得た話として、Appleは米国の主要キャリアに対し、2022年9月までにeSIMのみ利用できるスマートフォンの発売に備えるよう話をしたと報じています。
また、今年2月にAppleがeSIM専用機を社内でテストしているとツイートしていた多数の実績があるリーカーもMacRumorsの報道内容についても同意しています。
I am in agreement with recent rumors regarding the removal of the physical SIM card tray. In February, I had shared the following information below: https://t.co/zOyeJr0V1d
— Dylan (@dylandkt) December 27, 2021
iPhoneが物理的なSIMカードを廃止してeSIM専用機になれば、SIMカードスロットを廃止することでデザイン性をさらに優れたものにできます。防水・防塵性能が改善され、部品が減ることで内部スペースに余裕ができるため、より大きなバッテリーを搭載できるかもしれません。
Appleが2022年9月までに期限を設定していることを考えると、早ければiPhone 14からeSIM専用機になる可能性があります。現時点で米国以外のキャリアに対して話をしたという情報はないため、もしかすると米国など地域限定の対応になるかもしれません。
日本では、今年春にオンライン専用ブランドがスタートしたことでeSIMが本格的に普及しています。KDDIのpovoとソフトバンクのLINEMOはサービス開始当初からeSIMの提供を開始。ワイモバイルも同時期から提供を開始し、UQ mobileや最も消極的だったドコモも今年9月から提供を開始しています。
こういったことを考えれば、日本で販売されるiPhone 14がeSIM専用機になっても不思議ではありません。
ただし、eSIMには多くの課題が存在しています。eSIMを削除するタイミングによって回線が使用できなくなり、eSIMの再発行(別の機種への差し替え含む)の時間帯が限定され、povoではウェブからeSIMの再発行ができず、チャットに問い合わせたあと電話で申し込む必要があります。MVNOでeSIMを提供している事業者はそれほど多くないなど、トラブルに発展しそうな(実際に発展した)問題があり、物理的なSIMカードと同じように使えるわけではないeSIMはハードルの高いものになっています。
日本で販売されるiPhone 14がeSIM専用機になるのであれば、1年もない発売までの期間でeSIM周りのサービスを改善してほしいところ。ドコモとahamoに関しては緊急メンテナンスという名目で長期間にわたってeSIMの再発行を停止していて、現在もメンテナンスの終了時期は未定と案内するなど早急に解決すべき問題もあります。