JR東日本が交通系ICカード「Suica」で導入費用を大幅に軽減する簡易版の新システムを早ければ来年度中にも導入する方針を産経新聞のインタビューで明らかにした。
クラウド利用と性能を抑えて読み取り機の導入コストを大幅削減
駅など自動改札での使用を前提にしている現在のSuicaではICカードなど客が使用するデバイスとデバイスの情報を読み取る読み取り機のデータのやりとりが高速でなければいけない。
高い性能が要求される読み取り機は高額になるため、Suicaを導入できるのは乗客の多い首都圏や仙台圏の駅などに限定されているそうだ。
JR東日本はこれを解消するため、クラウド技術を利用して読み取り機で情報を持たないシステムにすることで導入コストが引き下げられる簡易版Suicaの開発を明らかにした。東北地方などのSuica未導入エリア全域で簡易版Suicaの導入を想定しているという。
費用によっては駅だけでなく飲食店や小売り店舗でも導入が進むかもしれない。政府が主導するキャッシュレス化によってPayPayや楽天ペイ、LINE PayなどのQRコード決済が大きな注目を集めているが、スマートフォンやカードをかざすだけで決済できるSuicaには手軽さで敵わない。
導入時期が早ければ来年度中(2020年3月末まで)とのことでまだ遠い存在ではあるが簡易版Suicaの登場に期待したい。