- 総務省の法改正により、スマホの割引上限が変更、白ロム割も規制対象に
- スマホの価格が一部で上昇するも、規制対象外も存在、完全な値上げは避けられる
- スマホの購入サポートプログラムは規制外で、端末返却により負担金削減可能
総務省が12月27日に法改正を行うことを発表し、スマートフォンの割引額を一律2万円から原則4万円に引き上げます。
これだけ見れば安くなるようにも思えますが、法改正には割引額の緩和と同時に規制強化も含まれており、12月27日以降はスマートフォンの負担金が数万円単位で引き上げられる可能性があります。
近々、スマホの買い替えを検討していたのであれば、26日までに余裕をもって買い替えた方が良さそうです。
割引額は倍増もなぜスマホが値上げされるのか？
総務省が法改正を行う目的は、過度な端末割引競争が引き起こす「1円スマホ」と「転売ヤー」対策です。
1円スマホとは、従来から上限額が法規制されている“他社からのりかえで税込み22,000円割引”など、セット販売を条件にした上限2万円までの割引と、端末のみ購入でも適用される「白ロム割」を組み合わせることで、10万円近いスマートフォンがたった1円で購入できてしまうもの。
白ロム割は回線契約を条件としない割引であることから転売ヤーのターゲットにされて本当に欲しい人が買えなくなったり、手にいれるまでに膨大な時間を奪われる問題に発展していました。
12月27日の法改正では、上限2万円までの割引が原則4万円に緩和されると同時に、白ロム割も規制対象になるため、総額4万円までの割引しか行えません。つまり、単純計算で10万円近いスマートフォンは1円どころか6万円まで値上がりすることになります。
なお、この規制が適用されない例外もあるため、大型割引が完全に廃止されるわけでもありません。例えば、法改正に伴って規制対象外となるIIJmioやmineoは大型割引が可能です。ただ、それでも大手事業者からしか購入できない機種もあるため、値上げの影響を完全に避けることもできません。
負担金も値上げの可能性大
いつでもカエドキプログラム＋、スマホトクするプログラム、新トクするサポートなど、いわゆる端末購入サポートプログラムを利用する場合は、購入した端末を返却することで残りの支払額が不要になるため、負担金を大幅に抑えることが可能です。
端末購入サポートプログラムは4万円規制の対象外のため、法改正後に10万円のスマートフォンに4万円のフル割引を適用して6万円で購入しても、端末返却によって5万円強が支払い不要になる場合は、負担金1円で購入することも不可能ではありません。
なお、残りの支払額を不要にするには、端末返却が必要なため、支払い不要額＝下取り相当額になるはずですが、法改正前の時点で支払い不要額をかなり高めに設定するケースもあります。
例えば、ソフトバンクが12月1日から販売した「Xiaomi 13T Pro」の機種代金は114,480円で、24回目までの支払額は毎月917円です。
25ヶ月目に端末を返却して端末購入サポートプログラムである新トクするサポートの特典を利用すると、92,472円の支払いが不要になるため、負担金は22,008円になります。さらに、約2万円のセット割を適用する場合は負担金がわずか24円になります。
ソフトバンクが昨年12月に発売したXiaomi 12T Proの買取額を複数社で確認したところ、未使用品や最も高いランクでも3万円から5万円となっており、支払い不要額の92,472円は相場から大きく乖離していると言えます。
総務省はこういった売り方も規制する方針で、公開したガイドラインには、下取り相当額が合理的な額であることや事業者に裏付け資料の提出を求め、平均値から著しく乖離している場合は追加的な裏付け資料の提出を求めることがあり得ると書かれている事から、Xiaomi 13T Proなどのように機種によっては負担金すらも大幅に値上げになる可能性が高いです。
Pixel 8も？値上げが予想されるスマートフォン
上記を踏まえると、特に下取り相当額/残価設定額がかなり高めに設定されている一部の機種は12月27日以降、値上げされる可能性が高いことから今のうちに購入しておくほうが良さそうです。
実際、家電量販店では12月26日までの期間限定割引を案内するポップもかなり多くなっています。
ここでは機種代金に対する下取り相当額/残価設定額の割合が高く、相場の買取額と大きく乖離しそうな機種ーーつまり、12月27日の法改正で値上げされる前に購入しておいた方が良さそうな機種を紹介しておきます。
Pixel 7a
Pixel 7aは機種代金が3社とも8万円以下のため、法改正後に価格改定がなければ、割引の上限額が機種代金の50%に制限されます。機種代金から算出すると割引額は3社とも3万円台になります。
次に下取り相当額/残価設定額ですが、Pixel 6aを参考にすると30,000円以下になりそうです。
これらを踏まえるとセット割＋白ロム割＋下取り相当額/残価設定額のトータル額は6万円前後になることが予想されます。
ソフトバンクは端末購入サポートプログラムにて、支払い不要額を高く設定することで負担金24円を実現していますが、法改正後に負担金24円で提供できなくなる可能性があります。
| Pixel 7a | docomo | au | SoftBank |
|---|---|---|---|
| 機種代金 | 75,350円 | 63,890円 | 79,920円 |
| 割引額 | 最大22,000円 ↓ 37,675円 |
最大22,000円 ↓ 31,945円 |
最大21,984円 ↓ 39,960円 |
| 残価額/支払い不要額 | 45,650円 ↓ 29,040円?? |
31,920円 ↓ 約30,000円?? |
57,912円 ↓ 約30,000円?? |
| 負担金 |
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Pixel 8
Pixel 8(128GB)は機種代金が3社とも8万円を大きく超えるため、法改正後に価格改定がなければ、割引の上限額が44,000円に制限されます。
次に下取り相当額/残価設定額ですが、Pixel 7(128GB)を参考にすると37,000円以下になりそうです。
これらを踏まえるとセット割＋白ロム割＋下取り相当額/残価設定額のトータル額は8万円前後になることが予想されます。
ソフトバンクは端末購入サポートプログラムにて、支払い不要額を高く設定することで負担金24円を実現していますが、法改正後は難しくなりそうです。
| Pixel 8 | docomo | au | SoftBank |
|---|---|---|---|
| 機種代金 | 119,900円 | 117,900円 | 114,480円 |
| 割引額 | 最大22,000円 ↓ 最大44,000円 |
最大22,000円 ↓ 最大44,000円 |
最大21,984円 ↓ 最大44,000円 |
| 残価額/支払い不要額 | 85,800円 ↓ 約37,000円?? |
85,193円 ↓ 約37,000円?? |
92,472円 ↓ 約37,000円?? |
| 負担金 |
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Xperia 10 V
Xperia 10 Vの機種代金は8万円を下回るため、法改正後に価格改定がなければ、割引の上限額が機種代金の50%に制限されます。機種代金から算出すると割引額は2社とも4万円前後になります。
次に下取り相当額/残価設定額ですが、Xperia 10 IVを参考にすると22,000円以下になりそうです。
これらを踏まえるとセット割＋白ロム割＋下取り相当額/残価設定額のトータル額は6万円前後になることが予想されます。
ソフトバンクは端末購入サポートプログラムにて、支払い不要額を高く設定することで負担金24円を実現していますが、法改正後は難しくなりそうです。
| Xperia 10 V | docomo | SoftBank |
|---|---|---|
| 機種代金 | 79,860円 | 79,920円 |
| 割引額 | 最大22,000円 ↓ 最大39,930円 |
最大21,984円 ↓ 最大39,960円 |
| 残価額/支払い不要額 | 33,000円 ↓ 約22,000円?? |
57,912円 ↓ 約21,000円?? |
| 負担金 |
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motorola razr 40s
ソフトバンクのmotorola razr 40sは機種代金が121,680円のため、法改正後に価格改定がなければ、割引の上限額が44,000円に制限されます。
次に下取り相当額/残価設定額ですが、参考になる機種がないものの、9万円近い下取り額になるとは考えにくい事から法改正後は値上げが予想されます。
ソフトバンクは端末購入サポートプログラムにて、支払い不要額を高く設定することで負担金1万円以下を実現していますが、法改正後は値上げが予想されます。
| motorola razr 40s | SoftBank |
|---|---|
| 機種代金 | 121,680円 |
| 割引額 | 最大21,984円 ↓ 最大44,000円 |
| 残価額/支払い不要額 | 89,856円 ↓ ??? |
| 負担金 |
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Xiaomi 13T Pro
ソフトバンクのXiaomi 13T Proは機種代金が114,480円のため、法改正後に価格改定がなければ、割引の上限額が44,000円に制限されます。
次に下取り相当額/残価設定額ですが、Xiaomi 12T Proを参考にすると45,000円以下になりそうです。
これらを踏まえるとセット割＋白ロム割＋下取り相当額/残価設定額のトータル額は9万円以下になることが予想されます。
ソフトバンクは端末購入サポートプログラムにて、支払い不要額を高く設定することで負担金24円を実現していますが、法改正後に負担金24円で提供するのはかなり難しくなりそうです。
| Xiaomi 13T Pro | SoftBank |
|---|---|
| 機種代金 | 114,480円 |
| 割引額 | 最大21,984円 ↓ 最大44,000円 |
| 残価額/支払い不要額 | 92,472円 ↓ 約45,000円?? |
| 負担金 |
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BALMUDA Phone
ソフトバンクのBALMUDA Phoneは機種代金が143,280円のため、法改正後に価格改定がなければ、割引の上限額が44,000円に制限されます。
次に下取り相当額/残価設定額ですが、現在の平均相場は1万円前半程度です。
これらを踏まえるとセット割＋白ロム割＋下取り相当額/残価設定額のトータル額は5万円程度になることが予想されます。
ソフトバンクは端末購入サポートプログラムにて、下取りの相場額に比べてかなり高い支払い不要額を設定しているため、法改正後に負担金71,640円で提供するのはかなり難しくなりそうです。
| BALMUDA Phone | SoftBank |
|---|---|
| 機種代金 | 143,280円 |
| 割引額 | 最大21,984円 ↓ 最大44,000円 |
| 残価額/支払い不要額 | 71,640円 ↓ 約12,000円?? |
| 負担金 |
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