AppleがiPadとMacを統合する――といった噂は数年にわたって度々報じられている。2014年にはAppleの幹部3人が将来的な統合の可能性も否定し、ティム・クックが否定しても噂の火は消えていない。
最近では今秋リリース予定の「iOS 12」と「macOS 10.14」でiPhone/iPad/Mac上で同じアプリを動作できるように開発環境を統合すると報じられた。これがiPadとMacを統合するための第一歩なのではないか、といった見方もあるがティム・クックはその可能性を再度否定している。
iPadとMacの統合は一部がこだわっているだけ
MacRumorsによると、Appleのティム・クックは、The Sydney Morning Heraldが行ったインタビューのなかでiPadとMacの統合の可能性を完全に否定した。
理由については2つを統合するなかでトレードオフと妥協が起きるとしている。同等の機能があった場合にiPadとMacのどちらを採用するか検討したり、採用が難しい機能は落とさなければいけないといったものだろう。また、「一部の人が統合にこだわっているだけでユーザーの多くは望んでいないこと」ともコメントしているが本当にそうだろうか。Microsoftのタッチパネルを備えたノートPC、Surfaceは評価が高く売上も好調を記録している。Appleの場合はiPadとMacを統合することで売上が減ってしまうことを懸念しているのではないだろうか。
インタビューでティム・クックが否定したのはハードウェアとしてのiPadとMacの統合と両OSの完全統合だ。冒頭で書いたようにAppleが今秋リリース予定の次期OSで開発環境の統合を計画しているとBloombergが報じたがこの可能性を否定するものではないだろう。
Macで開いていたページをiPhoneで確認できるなど作業を引き継げる「ハンドオフ」、コピペしたテキストや写真、ビデオを他のデバイスでペーストできる「ユニバーサルクリップボード」、MacからiPhoneのインターネット共有をオンにできる「インスタントホットスポット」など、既に多くのiOSとMacの連携機能がリリースされていることやiOS 11ではiPadがMacライクになったことからむしろAppleは両OSの距離を近づけることに関しては積極的と言える。
なお、インタビュー内でティム・クックは仕事ではMacを、自宅や旅行ではiPadを、といったカタチで使い分けていることや1984年に発売された「Apple II」が最初に所有したパソコンであることも明かしたそうだ。
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