GoogleのノートPC、Chrome OSでAndroidアプリが動作するように、MicrosoftのWindows 10で死んでしまったWindows 10 Mobileのアプリが動作したように――AppleはiPhone/iPad向けのiOSアプリをMacでも動作させる計画があるようだ。
早ければ来年のWWDC18で正式発表か
現在、アプリの開発者はタッチパネルに最適化されたiPhone/iPad向けのiOSアプリとキーボードやマウスに最適化されたMac向けのmacOSアプリを別々に開発する必要があるが、Appleは1種類のソースコードで両方のOS、複数のデバイスをサポートして動作させる計画を持っているとBloombergが報じた。
「Marzipan」というコードネームで呼ばれるこのプロジェクトは、来年秋にリリースされる次期iOS/macOSの主要な機能の1つとなる。早ければ2018年夏に開催される開発者向けのカンファレンスで発表され、2018年後半にも正式リリースされるようだ。開発者向けのカンファレンスとは毎年6月に開催されるWWDCで2018年後半とは次期OSがリリースされる9月のことだろう。
このプロジェクトがリリースされれば、開発者はOSごとに分かれているプロジェクト(ソースコード)を一元化してアプリを開発することができる。つまり1つのアプリを開発するだけでiPhone/iPad/Macの2つのOSと3つのデバイスで動作せることができる。単純に考えれば開発の手間は半分になるが、実際にはそれ以上の効果があるはずだ。
ユーザー側のメリットも大きい。その1つが遅れがちなMacアプリのアップデートだ。例えば、Mac向けのTwitterアプリには2017年3月以来アップデートが配信されていない。今年6月に導入された新デザインも適用されず、機能変更も適用されていない状態だがこれが解消される。
1種類のプロジェクトで複数のデバイスまたはOSをサポートするアプリは「ユニバーサルアプリ」と呼ばれている。冒頭でも書いたようにGoogleとMicrosoftは既に導入済み。もう覚えている人も少ないかもしれないが、かつてはiPhoneとiPadも別々で開発する必要があったが、現在はユニバーサルアプリとして開発できる。
iOS/macOSのユニバーサルアプリが開発できるようになった場合、現在2つに分かれているApp Storeが統合される可能性もある。Bloombergは不明とした上で、iPhone/iPad向けのApp Storeが「iOS 11」で大幅にリニューアルされながら、Mac向けのApp Storeは2014年から変わっていないことが興味深いとしている。
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