東京電力とソフトバンクが業務提携を行うと複数の報道機関が伝えています。両社は業務提携によって、携帯電話の回線をソフトバンクモバイル、電気を東京電力と契約することで料金が割り引かれる「セット割」の提供を検討しているようです。
電気と携帯電話の事業者提携のワケ
電気事業者と携帯電話事業者の提携は、2016年4月より始まる家庭向け「電力小売りの自由化」によるもの。
これまで、各地域で1社のみ販売が認められていた電気事業者の地域独占権が撤廃されることで、これまで消費者に選択権がなかった電気において料金プランやサービスを比較して携帯電話のキャリアを選ぶのと同じように自由に電気事業者を選ぶことができます。
電気事業者にとってみれば、これまで独占してきた地域以外でも電気を販売することができ、逆にこれまで独占してきた地域で顧客を他者に奪われてしまう可能性もあります。
携帯電話事業者は全国で通信サービスの販売を手がけており、毎月発生する料金を回収するノウハウなども持っていることから、東京電力は携帯電話事業者と提携する方針を決定。すでに携帯電話事業者から事業提案を受け取り、現在は審査段階にあるようです。
東京電力、まずはソフトバンクと提携か
日本経済新聞社の報道によれば、東京電力はNTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルの3社のうち、まずはソフトバンクモバイルとの提携を決めたとのこと。
東京電力は通信と電気のセット販売などについて、ソフトバンクと提携することで最終調整に入った。同社が持つ約4700万件の顧客網を活用し、2016年度から割安な料金メニューを提供する。同様に交渉中のNTTドコモ、KDDI(au)との協議も続ける。電力小売りの全面自由化をにらみ、他の大手電力や新規参入勢との競争力を高める。
引用元:東電、ソフトバンクと提携へ 通信と電気セット販売
消費者に提供するサービスとしては、全国にあるソフトバンクショップで携帯電話向けの通信サービスと東電の電気販売を受け付けるほか、両社と契約することで割安になる「セット割」の提供も行う可能性があるとのこと。さらに、電気料金に応じてポイント(ソフトバンクモバイルはTポイント導入)で還元する可能性も、としています。
セット販売と言えば、今年3月1日より固定回線と携帯電話向け回線のセット販売がスタートしていて、個人的に結構期待していた部分はあったのですが、内容は複雑で手続きもめんどくさい割にはあまり料金が安くならないということで、今のところセット割を利用していません。
固定回線はNTT東西が光回線の卸売りを行いましたが、電気の小売りについては東電の他にも関西電力や中部電力など、多数の事業者が存在するため、競争が起こりやすく料金がより安くなる傾向にあるかと思います。例えば、ドコモが東電の他にも関電と提携し、電気事業者ごとに割引サービスが存在すれば、少しおもしろいことになりそうな気がします。
期待する一方で固定回線とのセット販売では「複雑だ」との指摘を多数耳にしましたが、その反省も活かして欲しいものです。
電気事業者の地域独占権が撤廃されるのは2016年春ということで来年には電気と通信のセット販売がスタートするものと思われます。ソフトバンクの他にNTTドコモは東京ガス、auは関西電力と提携するとの報道もありますが、これから来春にかけて携帯電話事業者と電気事業者の提携報道はより活発なものになってくるでしょうね。
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