- Appleはアプリ内課金以外に外部決済システムを選択可能にしました。
- ただし、外部決済システムへ誘導した場合でも手数料が27%かかります。
- このガイドラインの変更は米国内限定で、日本では適用されません。
Appleとフォートナイトを開発するEpic Gamesが争っていた訴訟で、連邦最高裁判所が両社の上告を却下したことで判決が確定しました。
反トラスト法違反で敗訴したGoogleに対して(控訴予定)、Appleは大部分で勝利を収めたものの、裁判所はアプリを提供する開発者が利用者を外部決済システムに誘導できないルールが反競争的な行為に当たるとしてAppleに見直しを命じています。
これを受けてAppleが開発者に対して外部決済への誘導を認めるようにApp Storeのガイドラインを変更しました。
軽減される手数料はわずか3%だけ
今回のガイドライン変更でAppleはアプリ内課金システムも選べることを条件に、外部決済システムへの誘導を容認します。なお、外部決済システムのみを提供することはできません。
外部決済システムへの誘導は、利用者がテキストリンクをタップして、そのあとに表示される「In-app system disclosure sheet」を経由して行われます。
この画面にはAppleが外部決済システムを利用した購入についてプライバシーやセキュリティについて責任を負わず、デベロッパーの管理下で行われることから、App Storeのアカウントや保存された支払い方法、定期購入の管理、返品/払い戻しなどの関連機能は利用できず、Appleが価格やキャンペーンを検証していないことも説明されます。
Apple
外部決済への誘導が容認されても手放しで喜ぶことはできず、Appleは上記の画面を経由して7日以内に行われた購入に対して27%の手数料ーーいわゆるApple税を徴収するとしています。
開発者からは不満の声が聞こえてきそうですが、外部決済システムへ誘導するためにはAppleが提供するAPIを使用し、アプリが規約に準拠していることを確認するためにAppleが審査する必要があるーーつまり、外部決済システムの構築や運用において、それなりの手間と費用がかかるため手数料を取るというのがAppleの言い分と推測されます。
なお、2021年にスタートした「App Store Small Business Program」の対象事業者についてはApple税が12%に引き下げられます。
27%と12%の手数料というのは、Appleが提供するアプリ内課金システムを経由する際に徴収される手数料からわずか3%しか引き下げられていません。外部決済システムの構築や運用費用を考えると割に合わず、利用者が手間をかけて安く購入するーーといった状況には至らない可能性が高そうです。
なお、今回のガイドラインの変更は米国内に限定されており、日本では適用されません。
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