Apple、MFi認証のUSB-Cアクセサリ量産か。MFiなしケーブルはiPhone 15の充電速度を制限する?
Appleは2007年に発売した初代iPhoneから現在まで16年間も独自規格の端子を採用し続けていますが、今年ようやく独自端子を終わらせてUSB-C端子に移行するようです。
しかしながらAppleは独自規格を簡単に終わらせるつもりはなく、USB-C端子にApple独自の認証プログラムMFi(Made For iPhone/iPad/iPod)を持ち込み、アクセサリメーカーからの収益を維持しつつ、機能制限を行うと報じられています。
AppleがUSB-CにMFi認証を持ち込むとの報道は今回が初めてではなく、数週間前には中国のWeiboにも投稿されていました。
Weiboの投稿は決して信ぴょう性が高いと言えるものではありませんでしたが、今回はiPhone 14 Proにおいてダイナミックアイランドの導入を正確に報じるなど過去に実績があるShrimpAppleProによるものです。
Cables w no MFI will be software limited in data and charging speed
— ShrimpApplePro 🍤 (@VNchocoTaco) February 28, 2023
前回の情報ではUSB-CにMFi認証が持ち込まれることで、MFi認証をクリアするためのチップを搭載しないアクセサリについては使用が禁止されるのか、機能制限がかけるのかなど、具体的な振る舞いについて報じられていなかったものの、今回の情報ではAppleがMFi認証をUSB-Cに導入することでソフトウェアによって写真や動画などのデータを転送したり充電速度に制限をかけるとしています。
例えば、iPhone 15シリーズでは手ごろな2つのモデルにはLightningと転送速度が同じUSB 2.xのUSB-C端子が搭載され、高額な2つのProモデルには転送速度が高速なUSB 3.xのUSB-C端子が搭載されると噂されていますが、MFi認証をクリアするためのチップを搭載していないケーブルを利用した場合は、Proモデルであってもフルスピードの高速データ転送は利用できないことになります。
5GやAirDropといった代替手段のあるデータ転送については速度制限があっても納得はいかないものの我慢はできるかもしれませんが、利用機会の多い充電速度の制限に関しては大きな不満を抱くユーザーが多くいるはずです。
もう1つの問題は既に発売されているUSB-CアクセサリにはMFi認証チップが搭載されていないということ。つまり、USB-C端子を搭載したiPhoneの性能をフルで発揮させるためには手元にあるUSB-Cケーブルを買い替えなければいけません。
AppleがLightning端子を廃止する理由はUSB-C端子の搭載を標準化するEUの法改正ですが、法改正に至った理由の1つにUSB-C端子の標準搭載によって年間約1,000トンの電子廃棄物の削減につながるというサステナブルな観点があります。しかし、AppleがUSB-CにMFi認証を導入することになれば、LightningだけでなくMFi認証チップが搭載されていないUSB-Cケーブルが無駄になり電子廃棄物の増加につながるでしょう。
噂どおりUSB-CにMFi認証チップを持ち込まれた時にEUがどういう反応をするのか注目です。