ソニーの2024年フラグシップスマートフォン「Xperia 1 VI」(エクスペリアワンマークシックス)が正式発表されました。
すでに一部で予約受付が開始している国内キャリアでは6月上旬以降、メーカー直販のソニーストアでも6月21日以降に発売されます。
Xperia 1 VIの購入を検討していて前作のXperia 1 Vから何が変わったのか、どれぐらい進化したのか知りたい人のために、Xperia 1 VとXperia 1 IVの違いをまとめて比較しました。ぜひ購入の参考にしてください。
Xperia 1 VIとXperia 1 Vの違いを比較
Xperia 1 VI | Xperia 1 V | |
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デザイン | ||
素材 |
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サイズ |
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重さ | 192 g | 187 g |
ディスプレイ |
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カメラ |
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フロントカメラ |
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写真機能 |
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動画機能 |
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ベンチマーク | ー |
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ゲーミング |
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チップセット | Snapdragon 8 Gen 3 | Snapdragon 8 Gen 2 |
メモリ |
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バッテリー |
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ワイヤレス充電 |
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SIM |
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5G | ミリ波・Sub6 | ミリ波・Sub6 |
Wi-Fi |
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Bluetooth | 5.4 | 5.3 |
FeliCa | ◯ | ◯ |
防水・防じん | IP68 | IP68 |
USB | 3.2 | 3.2 |
セキュリティ |
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アップデート保証 |
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デザイン
デザインに変化はなく、前面、背面、側面すべてフラットなボックス型です。
背面はソニー独自開発のテクスチャーによるザラつきがあり、側面には細かなスリットが入っています。
ソニーいわく安定感のあるグリップを実感でき、手から滑り落ちる心配なく撮影に集中できるとのこと。ただし、Xperia 1 Vのレビューでも書いたとおり、高い効果は感じられませんでした。
画面をキズや割れから守る強化ガラスには、Gorilla Glass Victus 2を採用。本体の背面にはGorilla Glass Victusを使用してます。
カラーはスカーレット、カーキグリーン、ブラック、プラチナシルバーの4色。スカーレットとカーキグリーンはキャリアからは購入できません。
形状・大きさ
見た目のデザインは大きく変わっていない一方で、形状についてはXperiaならではの超縦長の形状が廃止になりました。
大きさはXperia 1 Vの165 x 71mmに対して、Xperia 1 VIは162 x 74mmで、高さが短く、幅は広くなっています。
幅広になったことで困るのは左手持ちの人です。
Xperia 1 VIの指紋認証はディスプレイ内蔵型ではなく、これまでと同じように右側面に配置されています。親指で指紋を認証できる右手持ちの人は問題ないものの、背面から手を回して指紋認証センサーに指を乗せる必要がある筆者のような左手持ちの人にとって指紋認証の利用はさらに難しくなりました。
指紋認証が利用しづらくても、顔認証に対応していればある程度は問題ないものの、残念ながらXperia 1 VIも顔認証には対応していません。
ディスプレイ
画面サイズは同じ6.5インチ、リフレッシュレートも最大120Hzでなめらかに動作します。
高いリフレッシュレートは電池持ちに大きく影響しますが、最小レートが1Hzの可変仕様になったことで、なめらかかつ低消費電力な仕様です。
本体の形状と同じようにディスプレイも縦横比21:9から19.5:9に変化して幅広仕様になりました。
これによって画面上部に表示されるボタンやアイコンにも手が届きやすくなった一方で、持ち手と反対側には指が届きにくくなっています。
解像度は4KからフルHD+にダウンしています。
4Kから一気にフルHD+までダウンすることで、多くのXperiaユーザーは画質が落ちないか不安を感じているはず。筆者は6.5インチ程度の画面サイズならフルHD+でも十分だと思います。
実際のところ6.7インチのPixel 8 Proや6.8インチのGalaxy S24 Ultraといった同等の画面サイズのスマートフォンでは、QHD以上の解像度をサポートしていますがデフォルト設定はフルHD+ですが、解像感に不満を感じたことはありません。
解像度のグレードダウンによって消費電力が小さくなり、電池持ちが大幅に向上するメリットもあります。ソニーは電池持ちについて「2日持ちバッテリー」と説明します。
画面輝度は1.5倍に向上。新しいサンライトビジョンに対応したことで、夏の強い日差しの下で利用しても画面をくっきり視認できます。
カメラ
カメラは焦点距離の異なるトリプルカメラを搭載しています。
- 広角カメラ:24mm、48mm
- 超広角カメラ:16mm
- 望遠カメラ:85-170mm
最も利用機会の多い広角カメラは引き続き48MPのExmor T for mobileセンサーを搭載。
高画素センサーによるピクセルビニングによって、暗所でも明るく撮れてザラつきも少ない画像が撮れるほか、クロップズームによって机に置かれた料理や屋内で子供を撮影する際に最適な高画質の2倍ズーム撮影にも新たに対応しています。
センサーは前モデルと同じですが、レンズが刷新されました。
最も大きく進化したのが遠くの被写体を綺麗に撮影できる可変式望遠レンズです。
通常のスマートフォンは、1つのレンズで多くても2つまでの画角/焦点距離しかカバーせず、カバー範囲から出た瞬間に画質が劣化します。
対する可変式望遠レンズは、カメラ専用機のように点ではなく面でカバーするため、ズーム撮影で画角を変えても同じ画質で撮影できます。
カバー範囲は前作のXperia 1 Vが3.5倍〜5.2倍だったのに対して、Xperia 1 VIは3.5倍〜7.2倍まで広くなりました。
Xperia 1 Vのレビューでも書いたとおり、3.5倍と5.2倍では画角が大きく変わらず、もう少し寄りたいと思うことが多くありましたが、Xperia 1 VIでは7.2倍まで伸びたことで、可変式望遠レンズが強化されています。
テレマクロにも対応したことで近くの被写体(最短約4cmまで寄れる)も撮影できるようになり、カバーする撮影シーンが拡大しました。
デジタル一眼カメラαシリーズのAIを活用した機能においては、瞳・動物瞳・主要被写体・ホワイトバランス・露出・深度推定に加えて新たに姿勢推定が加わりました。
AIを活用した姿勢推定技術によって、一度狙った被写体を骨格レベルで認識して追尾するため、遮るものや人が多い場所でも逃さず、被写体が動き回るスポーツシーンや子どもの運動会などで効果を発揮します。
カメラアプリ
大きく変わったのがカメラアプリです。
ソニーのカメラ専用機αシリーズのインターフェースに似せて作られたカメラアプリは、腰を据えて設定を変えながらじっくり撮影するシーンではよかったものの、目の前で起きたことを逃さず記録するスマホカメラならではの使い方が難しいところがありました。
刷新されたカメラアプリは、画面をスワイプするだけで背景をぼかして撮影したり、動画に切り替えられるなど、一般的なスマホにカメラアプリにグッと近づいたインターフェースに変更されています。
ソニーはこだわりの機能を残しながらも、誰もがかんたんに使えるアプリに進化したと説明しており、プロモードでは、αシリーズと同じアイコンが導入されており、タップ操作でフォーカスエリア/フォーカスモード/測光モード/ドライブモード/フラッシュモードなどを変更可能。今後はプロ動画モードもアップデートで提供されます。
なお、公式サイトでは対応機種にXperia 1 V、Xperia 5 V、Xperia PRO-Iも入れていることからこれらの機種においても統合される可能性があります。→ソニーが記述を訂正しました。統合が行われるのはXperia 1 VIに限定されるようです。
性能と電池持ち
チップセットは最新のSnapdragon 8 Gen 3を搭載。
開発元のQualcommによれば、Xperia 1 Vに搭載された8 Gen 2に比べて、CPU性能は30%、GPU性能が25%、NPU性能が98%も向上。電力効率もそれぞれ20%、25%、40%改善されているとのこと。
大きなアップグレードは、シリーズ初となるベイパーチャンバーの冷却システムを搭載したことです。
高い処理能力が必要なゲームなどを起動するとチップから熱が発生し、あまりにも本体の温度が高まると故障を防ぐために、性能を落として熱を下げる、いわゆるサーマルスロットリングが動作します。
このサーマルスロットリングが頻繁するとストレスにつながりますが、Xperia 1 VIには放熱性能を向上させるベイパーチャンバーが追加されたことで、高い処理能力を要求するハイスペックゲームを長時間プレイしたり、長時間の撮影にも耐えやすくなっています。
バッテリー容量はどちらも5000mAh。30分で50%の急速充電のほか、ワイヤレス充電に対応します。
ソニーによれば、Xperia 1 VIはベイパーチャンバーと低消費電力(4KからフルHD+に変更されたことによるもの)の新ディスプレイ、独自の電力効率化技術によって、Xperia 1 Vに比べて約2倍に相当する36時間以上の連続動画再生が可能とのこと。
Xperia 1 Vの時点で電池持ちはかなり優秀でしたが、解像度ダウンと可変式リフレッシュレートの導入によって電池持ちは大きく向上します。
また、バッテリーの劣化を防ぐソニー独自のいたわり充電技術は最大容量を80%維持する期間が3年から4年に伸びたことで長期間の利用が可能になりました。
アップデートポリシー
これまでソニーはアップデートの提供期間について明言せず、他社よりも提供回数が少ない・短い状態が続いていましたが、Xperia 1 VIでは、ついに最大3回のOSアップデートと4年間のセキュリティアップデート提供が明言されました。
Xperia 1 Vは最大2回のOSアップデートと3年間のセキュリティアップデートとなっています。
なお、2024年秋以降に提供されるアップデートでは、高速安定通信が可能なWi-Fi 7に対応する予定です。
容量と価格
どちらもストレージ容量は256GBと512GBです。メモリは12GBまたは16GBで、キャリア版は12GBのみ。
Xperia 1 VIの容量と価格は以下のとおりです。
docomo | ||
容量 | 256GB | 512GB |
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機種代金 | 209,440円 | 販売なし |
負担金 | ▼23ヶ月目に返却160,600円▼12ヶ月目に返却107,338円毎月の支払額6,982円/月 | 販売なし |
au | ||
容量 | 256GB | 512GB |
機種代金 | 214,800円 | 販売なし |
新規契約 | ||
負担金 | 端末返却で123,800円毎月の支払額5,382円/月 | 販売なし |
機種変更 | ||
負担金 | 端末返却で112,800円毎月の支払額4,904円/月 | 販売なし |
のりかえ | ||
負担金 | 端末返却で112,800円毎月の支払額4,904円/月 | 販売なし |
SoftBank | ||
容量 | 256GB | 512GB |
機種代金 | 210,960円 | 販売なし |
新規契約 | ||
負担金 | ▼13ヶ月目に返却88,895円▼25ヶ月目に返却115,320円毎月の支払額5,625円/月 | 販売なし |
機種変更 | ||
負担金 | ▼13ヶ月目に返却88,895円▼25ヶ月目に返却115,320円毎月の支払額5,625円/月 | 販売なし |
のりかえ | ||
負担金 | ▼13ヶ月目に返却66,911円▼25ヶ月目に返却100,664円毎月の支払額3,793円/月 | 販売なし |
Sony | ||
容量 | 256GB | 512GB |
機種代金 | 189,200円 |
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まとめ:より多くの人に届けたい意思を感じる「Xperia 1 VI」
Xperia 1 VIは、これまでのXperiaファンに向けた路線ではなく、より多くの人にXperiaを届けるような路線に切り替えています。
そのなかで廃止になったのが4K超縦長ディスプレイです。
4Kで撮った動画をそのまま4Kで見られる体験や、横長で動画を見ながら別のアプリを同時に利用する21:9マルチウィンドウは魅力的ではあったものの、4Kは電池消費量が高く、特注品とされる超縦長ディスプレイはコストの面で懸念がありました。
Xperia 1 VIでは、解像度を4KからフルHD+に変更したことで、消費電力が小さくなり電池長持ち仕様に。縦横比も一般的な19.5:9の幅広仕様にしたことで、画面上部に表示されるボタンに指が届きにくい超縦長ディスプレイを敬遠していた人にも刺さるかもしれません。
ほかにもXperia 1 VIだけの新機能およびアップデートとして、ソニーのテレビブランドBRAVIAの画質をXperiaで実現する「Powerd by BRAVIA」を搭載。音量が向上したスピーカーによって、映画やドラマ、スポーツもより楽しむことができます。
カメラアプリもXperiaユーザーやソニーのカメラブランドαユーザーだけでなく、多くの人が使えるシンプルなインターフェースに刷新されています。
これまでのXperiaスマートフォンを愛用していた人にとっては、もしかするとXperia 1 Vの方が好みかもしれませんが、より多くの人に届けるような路線変更が必要だったことも事実。
Xperiaファンとそれ以外の人がどのような反応をするのか楽しみです。
- いつでもカエドキプログラム+の負担金は、24回払いで購入後、特典利用の申し込みと機種返却が条件です。smartあんしん補償および早期利用料の支払いも必要です。
- スマホトクするプログラムの負担金は、24回払いで購入後、13カ月目~25カ月目までの特典利用の申し込みと機種返却が条件です。
- 新トクするサポート(プレミアム)の負担金は、48回払いで購入後、13ヶ月目に特典利用を申し込みと機種返却が条件です。あんしん保証パックサービスおよび早トクオプション利用料の支払いも必要です。