9月に配信された「iOS 9」のリリース直後、新機能「コンテンツブロッカー」を利用した広告ブロックアプリが多数公開され、たった1日後にAppStoreの有料アプリランキングにて広告ブロックアプリが1位、2位を独占していました。リリースから数週間が経過した現在は落ち着きを見せていますが、それでもトップ3に広告ブロックアプリがランクインしています。
一方、日本のAppStoreでは、日本語に対応した広告ブロックアプリが少ないことが原因なのか海外ほどではないようです。「やっぱりこんなもんか」と思っていたわけですが、広告ブロック機能が広まるのはこれからなのかもしれません。
「広告をブロックできるのはSafariだけ」は半分ウソ
広告ブロックアプリの登場以降、多くの考察記事が公開されたわけですが、その中に「広告をブロックできるのはSafariだけだから影響は少ないだろう」という意見が多くありました。iOS 9がリリースされる前にもそういった記事を多く見た気がします。
これは半分ホント、半分ウソの話しで実はアプリ側が対応を行えば、Safari以外のサードパーティ製のアプリでも広告をブロックすることが可能になります。
Twitterアプリやニュースアプリでリンクをタップすると、アプリ内でウェブブラウザが展開されるわけですが、このアプリ内ブラウザを実現するパーツには、iOS 8まで広く使われてきた「WebView」「WKWebView」とiOS 9で追加された「SFSafariView」があって、前者ではコンテンツブロックを利用することができませんが、後者では可能になります。
サードパーティ製の人気Twitterアプリがコンテンツブロックに対応
日本時間の10月2日に人気のTwitterアプリ「Tweetbot」の最新版である「Tweetbot 4 for iOS」が公開されました。新機能に目をやると“Safari View Controller with Support for Content Blockers”との一文が。つまり、iOS 9で追加された「SFSafariView」を使ってアプリ内ブラウザを実装したから、コンテンツブロッカーが使えるよ、というわけです。
実際に広告ブロックアプリをインストールしてツイート内のリンクをタップしてみたところ、キレイに広告が消えました。
「SFSafariView」は、「WebView」や「WKWebView」のようにカスタマイズ性は高くないものの、ログイン情報やCookieなどのデータをSafariと共有できるため、単純にブラウザを表示するのであれば「SFSafariView」の方が使い勝手が良く、プログレスバーやスワイプによる戻る/進むといったSafariに実装されている機能もそのまま利用できるなど開発も楽であるため、今後は多くのアプリが「SFSafariView」に移行していくような気がしています。
今のところ「SFSafariView」に対応したアプリが少ないため、実質的には「Safariの広告ブロックアプリ」となっていますが、今後は「iPhone/iPadの広告ブロックアプリ」になる可能性が高く、日本でも海外のAppStoreのように再びランキングの上位に広告ブロックアプリがランクインするといった現象が起きるかもしれません。
サイトの運営側ができるのは、広告ブロックを利用している人がTwitterなどで広告ブロックを利用していない人に記事を拡散してくれることを願って傍観するか、広告の配信側が何か対策を打ってくれることを願って傍観するか、当ブログのようにブロック返しをやるか、の実質二択です。
ブロック返しをやっても広告が再表示されるわけではなく、コンテンツなどは全てダウンロードされた後でサーバーの負荷が軽減されるわけでもなく、ブロック返しに出くわしたところで広告ブロックをオフにするとは思えないなど、ベストな策ではありませんが、外す手間をかけるのもアレなので当ブログではとりあえずこのままにしておこうと思います。
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