Google、マジックサジェストのような提案機能をすべてのAndroidに提供か
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

今年Googleが発売したPixel 10シリーズの最大の目玉機能のひとつが、AIを活用して今必要な情報を先回りして提案する「マジックサジェスト」です。
対応アプリでの捜査中に、文脈にあったカードが表示され、タップするだけで目的の画面まで一気に進むことができます。
実生活で何か探し物をしているとき、部屋の中を行き来するように、スマホでアプリを行ったり来たりしがち。マジックサジェストを使えば、この行ったり来たりを減らすことができます。
例えば、たとえばチャットで店名や場所が出てきたら地図を開いて口コミを確認する、予定の話になったらカレンダーを開く、時間や場所などを入力した状態でイベントを登録することができます。
現状は一部のアプリとシーンに限定されているため、触れる機会は少ないものの、ユーザー側がAIを使おうと行動しなくてもいい、AI主導の優れた機能だと思います。今後もこうした機能は増えていくことが予想されます。
Googleは、こうした体験をPixelだけに閉じず、より汎用的な形でAndroid全体に広げようとしているのかもしれません。
GoogleがAndroidで「Contextual Suggestions」をテスト中
Android Authorityが入手した情報によると、Googleは「Contextual suggestions(文脈に応じた提案)」という機能をAndroid向けにテストしているとのことです。
ユーザーの日常の行動や場所に基づいて、アプリやサービスから役立つ提案を提示します。現時点ではテスト段階で、利用できるのは一部ユーザーに限られます。
具体的には、ジムに到着するとお気に入りの音楽アプリで日常的に聴いているワークアウト用のプレイリストを自動的に再生するというものです。
具体例として挙げられているのが、ジムに到着したタイミングで、いつも聴いているワークアウト用プレイリストを音楽アプリで自動的に再生する、というもの。さらに、毎週決まった時間にスマホからテレビへスポーツ番組をキャストしている場合、同じ時間帯にキャストを提案する、といった使い方も示されています。つまり、行動パターンを学習して「いつもの流れ」をショートカットするタイプの機能です。
Contextual Suggestionsは、ベータ版のGoogle Play Servicesを通じて表示される可能性が示されており、設定から確認できる、とも伝えられています。




暗号化領域でオンデバイス処理、データは60日で自動削除
ユーザーの行動パターンを学習すると聞くとプライバシーが気になるところですが、Googleは対策も説明しています。
すべての処理は端末上の暗号化された領域で行われ、ユーザーが不具合の報告等で共有しない限り、データは端末外に出ないとされています。さらにデータは60日後に自動削除され、手動で早めに削除することも可能。機能自体をオフにできる点も明記されています。
また、アプリ側がContextual Suggestionsのデータにアクセスできないことも示されています。
マジックサジェストよりもマイルドな提案に
対応アプリは明らかではないものの、マジックサジェストと同様に、まずはGoogle製アプリ中心で展開される可能性があります。
マジックサジェストが、起動中アプリの文脈を読み取り“次の一手”まで一気に繋げる機能だとすれば、Contextual Suggestionsは、習慣と場所にもとづいて日常の行動を先回りする、より汎用的な提案機能になりそうです。
派手さはない一方で、毎日のルーティンほど効いてくる機能。どのアプリで、どこまで広く提供されるのか——続報次第で評価が決まりそうです。





















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