世界で1000万台を売り上げ、世界でスマートフォンシェア3位を誇る「iPhone」ですが、日本では苦戦しています。iPhoneに限らず日本でスマートフォンは携帯電話と比較してあまり売れておらず高い知名度もありません。
そんなスマートフォンを日本でヒットさせるためにはどうしたら良いのか考えてみました。
スマートフォンとは。
まずは、スマートフォンについて説明します。
スマートフォン(SmartPhone)とは、そのままの通り頭の良い電話です。これだけではさすがにわかりにくいのでスマートフォンの特徴を書いてみます。
■マルチで通信機能を使用できること。
W-CDMAやPHSの他に無線LANが使えること。最近ではNTTドコモの「N906iL」など携帯電話でもマルチで通信機能を使用できるものが存在しますが、スマートフォンはこれが標準搭載されています。
■パソコンとの連携に優れていること。
スケジュールやメール、動画、画像、音楽の同期がケーブル一つで簡単にできることもスマートフォンの特徴ですよね。
携帯電話でも動画や画像、音楽の同期はできますが、スマートフォンの場合はスケジュールまで簡単に同期を取ることができます。
■カスタマイズできること。
スマートフォンの最大の特徴はカスタマイズができることです。携帯電話でできるカスタマイズと言えば待受画面の変更やUIの色変更ぐらいしかできませんが、スマートフォンならばUIそのものの設計の変更や待受画面に天気やカレンダー、アプリケーション、スケジュールなどを設置することができます。
1番メリットとなるのはあらゆるアプリケーションを追加できることですね。携帯電話にも存在しますが、追加できるアプリケーションは各キャリアから承認されたものに限定されていますが、スマートフォンなら開発の環境さえあれば誰でもデベロッパーになることが出来、優れたアプリケーションを無料で追加することができます。
日本人が好む携帯電話と機能。
スマートフォンを日本でヒットさせるために日本人が好む携帯電話と機能について考えましょう。
■デザインが優れていること。
よく携帯電話を買い換える際に重要視するのは?というアンケートで最多投票数を獲得しているのは「デザイン」です。これは携帯電話に関わらず他のものにも言えることですが、外観は購入の動機としてとても重要です。
■おサイフケータイが使えること。
スマートフォンを購入したいと考えるユーザーといえば携帯電話をヘビーに使い倒している人達だと思います。そんなユーザーの多くが使っている機能はおサイフケータイです。
そんなおサイフケータイの最大のメリットは、サイフを持ち歩く必要がなくなることではないでしょうか?買い物に限らず電車やタクシーの移動まで携帯電話一つで済ませてしまえることはとても便利ですよね。
利便性と中毒性は共存するもので抜け出すことはとても難しいため、スマートフォンに買い換える際に使えなくなってしまうことを考えると躊躇してしまうのではないでしょうか。
■ワンセグが使えること。
ワンセグについては賛否あると思います。僕は結構使う機会が多いんですよね。使う機会が多くなるのはオリンピックやワールドカップの期間中だけではなく、長いトイレとかでも結構使ってます^^;
また、デザインと同様に携帯電話を買い換える際に重要視する機能は?というアンケートで結構上位に位置しています。
■絵文字が使えること。
iPhoneが大ヒットしなかった原因としてよく言われるのは絵文字に対応しなかったこと。アップデートで対応したとはいえ発売時に対応していなければユーザーはその情報を得ることなく、違う機種に変えてしまうという事象は十分に考えられます。実際にiPhoneの日本での発売はテレビで大々的に取り上げられましたが、絵文字に対応などアップデート内容については全くと言っていいほどテレビなどでは報道されませんでした。
サイクルの早い携帯電話市場でヒットするために発売日に対応しておくことはとても大事なことです。
■完全なプッシュメールが無料で使えること。
プッシュメールとは、メールを受信する端末が送信されたメールをサーバーへリアルタイムで確認し、メールをリアルタイムで端末に取り込む事ができるものです。
Windows Mobileも一応対応していますが、メールを受信する際にWindows Mobileの仕様で通信を1回切断してから再接続してメールを受信するため完全なプッシュメールはつかえません。
iPhoneについては、iPhoneは年額9800円でMobile MeやYahoo!メールを使用することでプッシュメールを使用できますが、ソフトバンクから提供される「i.softbank.jp」のメールはポーリング式となっています。
ポーリング式というのは、受信される端末がメールが格納されているサーバーへ設定された時間毎にメールが届いてないか確認し、メールがあれば端末に取り込むというものです。
と、完全なプッシュメールを無料で使えるスマートフォンというのは存在しません。
僕がスマートフォンに買い換えた際に最も不便だと感じたのがこれです。携帯電話の感覚でメールを使えると思っていたので・・・。
■OSの出来。
これはスマートフォンを買ったけど使わなくなったという人向けですかね。
「各ブラウザやOSが落ちないことと動作が不安定にならないこと」と「キーレスポンスが優れていること」この2つを嫌ってスマートフォンを使わなくなったという人を結構見かけます。
ブラウザやOSが落ちないことや動作が不安定にならないことというのは主にiPhoneですね。まぁ、徐々に改善されているので期待できるのではないでしょうか。
キーレスポンスが優れていることというのはWindows Mobile。W-ZERO3などWindows Mobileを使っていてキーレスポンスに不満を抱く人というのが本当に多いです。
スマートフォンを使わなくなった人にも売れるために結構重要な項目だと思います。
なぜ日本でスマートフォンが売れないのか。
■日本人の好む機能や仕様ではない。
前述した通り日本人の好むワンセグやおサイフケータイに対応しておらず、メール周りの機能が十分ではないなどスマートフォンは日本人向けの仕様に製作されていません。
故に日本人が好む仕様には仕上がっていないため、日本人はスマートフォンに手を出しづらいんですよね。
■デザインが良くない。
スマートフォンと言えばストレート型やQWERTYハードキーボードを搭載した横スライド型のものがほとんどです。どちらの機構もメインディスプレイをむき出しにした機構になっているため、優れたデザインを確保するのが難しい。
また、スマートフォンを製作しているのが海外のメーカーがほとんであるため、日本人が好むデザインにはなっていません。
日本のスマートフォン製造メーカーと言えばシャープ。シャープのW-ZERO3シリーズはスマートフォンながら高いデザイン性を誇っていると思います。それは携帯電話メーカーとしてもデザイン性には定評があり、日本で売れるデザインのノウハウを持っているからではないでしょうか?
最近では、「Touch Pro」や「Touch Diamond」が製作する台湾のHTCが高いデザイン性を誇るスマートフォンを製造するメーカーもありますが、デザインを重視する日本でスマートフォンをヒットさせるためにはそれに代わる何らかの威力が必要となります。
■携帯電話とノートパソコンの板挟み。
スマートフォン自体、携帯電話とノートパソコンの良いところを合体させて開発されたので機能的には携帯電話とノートパソコンに被るところがとても多いです。
そして、値段。最近はスマートフォンなどケータイの値段が上がり、EeePCなどのUMPCが生まれパソコンの低価格化が進んでいることで値段的にも板挟みになっています。
安いものを求める人は携帯電話へ流れ、もうちょっとお金を出せばUMPCが買えるという人はそちらへ流れるために日本では売れないわけです。
日本で売れるスマートフォンを考える。
これらを踏まえて日本でヒットする、日本人が好むスマートフォンを考えてみました。
・デザインが優れていること。
・日本人の好むワンセグやおサイフケータイに対応していること。
・絵文字などメールが携帯電話と同様またはそれ以上便利に使えること。
・携帯電話やUMPCには無い魅力を見いだすこと。
・安いこと。
・話題性を確保すること。
高いデザイン性を確保しワンセグやおサイフケータイ、絵文字に対応することや新たな魅力を見いだすことと話題性を確保することは「WILLCOM 03」や「iPhone 3G」の用にできるはずです。
しかし、問題となるのは低価格化とメールを携帯電話と同様またはそれ以上便利に使えるようにすることです。これはOSの仕様に既存するのでWindows Mobileでは今のところ実現することはできません。これら2つを実現できるとすればiPhone(iPhoneの原価は定価の半分)やAndroidを搭載したスマートフォンになるのではないでしょうか?
みなさんがスマートフォンを日本で販売するとしたらどのように売り出しますか?是非ご意見お聞かせください。