発売直後に世界で100万台を売り上げ、累計売上数900万台を突破した「iPhone 3G」。
間違いなくこれまでのスマートフォンでナンバーワンといえるiPhone 3Gも日本では売れてないというのが通説となっています。
なぜスマートフォンが日本では売れないのか。
スマートフォンについては、過去に投稿した「スマートフォンとは」を読んでください。
現在、携帯電話市場を2分化するならば「1台目市場」と「2台目市場」に分けることができると思います。
携帯電話の累計契約数が2009年1月末時点で1億609万4200件となり携帯電話市場が飽和状態になった現在、キャリアやメーカーが競争をしているのは「2台目需要」です。
「2台目需要」というのは、ユーザーが携帯電話に加えて通話専用の携帯電話やPHS、データ通信専用のスマートフォンなどを持つことなのですが、スマートフォンはこの2台目需要の市場にさえ高い需要を見いだせていません。
そもそも2台目需要という市場で高い需要があるのは「通話専用の携帯電話やPHS」だけだと思います。
それは最近の純増数を見てみれば明らかで基本使用料月額980円で同キャリアやディズニーモバイルへの通話し放題、SoftBank 3Gの端末ならばメールし放題になるホワイトプランを展開ソフトバンクモバイルが21ヶ月連続純増数1位というこれまででは考えられない結果を残しています。
実際に2台目を持つ人を実生活の中で見てもソフトバンクモバイルの端末を通話専用端末として使用している人が非常に多いです。
今度は需要の低い「データ通信専用のスマートフォン」に目を向けてみるとかなり悲惨な結果になります。
携帯総合研究所でも毎週日曜に今週の携帯電話販売ランキングをお知らせしていますが、スマートフォンで売れていると言えるのは「iPhone 3G」のみです。売れているといってもそれはソフトバンクモバイルの中だけであってキャリア総合ランキングで見れば10位以内にも入っていません。
PHSのスマートフォンに目を向けてもWILLCOM 03が健闘しているだけで他のスマートフォンは見当たりません。
なぜここまでスマートフォンが日本では売れないのでしょうか?
「iPhone 3G」は間違いなくこれまでのスマートフォンの中で一番宣伝されました。(もしかすると携帯電話よりも宣伝されているかもしれません。)それにも関わらずなぜ売れないのか・・・。
それは簡単な事でただ単に日本人はスマートフォンを必要としていないんです。スマートフォンを必要とする理由というのはスケジュール管理やPCサイトを閲覧したい、PC向けのドキュメントファイル(エクセルやワードなど)を確認したいなどです。
・・・あれ?日本の携帯電話って全部できてしまうのでは?
そうです。高機能すぎる日本の携帯電話ではスマートフォンでなくともスケジュール管理やPCサイトの閲覧、PC向けのドキュメントファイルの閲覧など全てできてしまうのです。
結論としては不景気でユーザーのほとんどが安い携帯電話を求める中、値段の高いスマートフォンには目を向けませんし、唯一需要があると見られる2台目市場では通話専用の携帯電話に押し寄せられ、日本の携帯電話よりも低機能なスマートフォンにはなんの魅力も感じないというところでしょうか。
最後に一言だけ。
日本の携帯電話よりもスマートフォンは低機能だと書きましたが、スマートフォンの最大の魅力はカスタマイズ性であり、自由度です。この2つについては携帯電話のかなり上をいっていると思いますが、これはスマートフォンを使ってみなければ実感する事ができません。
これまで一回もスマートフォンに触れた事のない人是非使ってみてください。日本の携帯電話の様にモックを触っただけで価値を見出すことは難しいと思いますが、使えば使うほど使いたくなるデバイスだと思います。