日本経済新聞や日経ビジネスが報じた様にauがiPhoneを今年の11月または来年に発売するのではないかという噂で携帯電話のニュースは持ちきりとなっていますね。
auがどういった経緯でiPhoneを販売するのか、auからiPhoneが販売されることで各キャリアはどう動くのか予想してみました。
やはりソフトバンクは苦しい状況になるでしょうね。
auがiPhoneを発売する経緯と事情。
今となってはAndroidやWindows Phoneなど積極的にスマートフォンの販売を手がけていますが、KDDIの前社長である小野寺氏は、日本ではテンキー入力に慣れているためスマートフォンはまだ時期尚早として、auは他社よりもスマートフォン市場への参入が遅れ、現在もドコモやソフトバンクモバイルにスマートフォン市場で遅れを取っています。そんなauを尻目にスマートフォンの売れ行きが好調なドコモは他社より先行してAndroidケータイを日本市場に提供し、スマートフォンに対するノウハウがなく当初こそ苦戦したものの、spモードなどFOMAで展開できていたサービスをスマートフォンで展開出来るようになった今となってはスマートフォン市場で最も成功しているキャリアといっても過言ではないでしょう。
ソフトバンクは主要3キャリアでは最初にスマートフォン(iPhone 3GS)を日本に提供し、iPhoneだけで純増数にて数ヶ月連続で首位を獲得するなどiPhoneのおかげでここまで成長できています。
そんな2社に共通するのはグローバルモデルの売れ行き。
ドコモは最近では「Xperia acro SO-02C」がBCN調査の携帯電話販売ランキングにて、9週連続首位を獲得するなど、半ローカルモデルで好調な成績を残したものの、これまで売れてきたモデルは「GALAXYシリーズ」や「Xperiaシリーズ」といったグローバルモデル。ソフトバンクについてはiPhoneのみですが、これもグローバルモデルとなっています。
auのグローバルモデルといえばコレまで発売されたスマートフォンを見てみると、純粋なグローバルモデルは「HTC EVO WiMAX ISW11HT」のみ。
「HTC EVO WiMAX ISW11HT」の売れ行きと言えば、販売ランキングで首位に立ったこともなく、お世辞にも「ヒットしたモデル」とは言えません。
auはグローバルモデルで失敗しながらも、他2社を見る限りスマートフォン市場で成功するにはグローバルモデルしかない。それも名の売れたブランド力のある製品であることを知っているため、iPhoneに目を向けたのでしょう。
問題となっていた通信方式もアメリカにて同じ通信規格「CDMA」を採用するベライゾンワイヤレスがCDMAをサポートしたiPhoneを発売したことから問題は解消。さらに、AT&Tが独占していたiPhoneの販売権も崩れたことから一気にiPhone販売の見通しはとても明るくなっています。
auがiPhoneを販売することで携帯電話市場はどう動くか。
まずは、ソフトバンク。これまでiPhoneのみで純増数を上げ、快進撃を演じてきたため、契約は結んでないものの実質独占販売となっていた構図が崩れるのはかなり痛いでしょう。インフラは他キャリアより優れているとは言えず、iPhoneのブランド力でなんとかなっていた状況もauがiPhoneを販売するとなれば話は別。ユーザーも一気にauのiPhoneに傾くことが予想できます。
iPhoneの独占販売状態を失ったソフトバンクが行き着く先はやはりAndroidかWindows Phone、そして携帯電話事業を始める前から友好関係を保っていたシャープ製のスマートフォンとなるでしょうね。
ただし、これまでiPhone向けに料金プランを安く設定し、他の端末は大した販売アピールもしなかったiPhone超優遇といった状況は他キャリアは良く思っていないはず。iPhoneの独占販売状態が終わってメーカーに「良い端末を供給してくれ!」といっても叶うかどうかは微妙な所です。となると、ソフトバンクは海外のメーカーから優れた端末を持ってくるしかないですよね。ソフトバンクが販売したグローバルモデルのAndroidで好調だった!?「HTC Desire」のような端末を。
次は、ドコモ。auからiPhoneが発売されるとなれば、主要3キャリアとして唯一iPhoneの販売ができないキャリアとなってしまいます。
この点についてドコモが一番ヤバイという意見が多いですが、前述した様にドコモには「GALAXYシリーズ」や「Xperiaシリーズ」といった端末としての大きな武器を2つ。そしてspモードといったサービスとしての武器を持っています。こういった端末とサービスにそれぞれ武器を持っているため、スマートフォン市場にて、現在もとても好調な状況を築けており、auがiPhoneを販売したとしてもその状況は恐らく崩れにくいのではないでしょうか。
そして、au。auがiPhoneを販売することでソフトバンクの電波やサポート状況に不満を持っていたユーザーは一気に流れることも予想されます。
iPhoneを発売するとなればiPhone専用の料金プランを発表することとなると思いますが、価格がソフトバンクと同等なものであればユーザーがソフトバンクのiPhoneを選ぶ必要はほとんど無くなってしまいます。恐らくソフトバンクに変わり快進撃を演じることになるでしょうね。
まとめ。
ドコモはiPhoneを販売できなくてもスマートフォン市場で好調を維持出来る材料を備えていますが、それがソフトバンクにないのは致命的。スマートフォンならまだしもフィーチャーフォンとしてもそれが皆無。auのiPhone販売によってソフトバンクが大きな痛手を負うのはもう間違いないでしょう。ただ、ドコモとしてもこれまでインフラを理由にiPhoneの購入を渋っていたユーザーがauに流れる可能性を考えればドコモも痛手を負うことになるでしょうね。
じゃあ、auの一人勝ちになるかと言えばそれはまた別。auにとって好材料なのは間違いありませんが、iPhoneを販売することによって他のスマートフォンよりも安い料金プランを提供したり、Appleから販売台数のノルマが課せられるとなれば他のスマートフォンを売りにくくなり、総合的に見た時に良い結果となるか悪い結果となるかはわかりませんね。
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