Androidではデバイスを探す機能を利用することで、盗まれるなど紛失したスマートフォンの位置情報を地図上で確認したり、リモートで音を鳴らして場所を特定したり、取り戻すことを諦めて端末のデータを削除することができます。
ただし、紛失したスマートフォンの位置情報はインターネットを経由して提供されるため、圏外や電源が切れた場合は最新の位置情報を確認することはできません。
そこでGoogleは昨年、デバイスを探すネットワークを発表。世界中に10億台以上あるAndroidデバイスがBluetoothを活用して付近のデバイスを探索するため、圏外のスマートフォンやインターネットに接続できないイヤホンや紛失防止タグの位置までも特定可能になります。
まだデバイスを探すネットワークは提供されていませんが、Googleはさらに電源が切れた状態でも位置情報を特定できる機能を開発していることが明らかになりました。
高額なPixel Foldは非対応
Googleが発表したデバイスを探すネットワークは、Bluetoothのビーコンを活用してデバイス間でやり取りし、紛失したデバイスの位置情報を暗号化してサーバーに送信する仕組みです。
問題は電源が切れると、多くのデバイスにおいてBluetoothを利用できなくなってしまうこと。紛失したデバイスを誰かが親切に充電してくれることはないため、電池消費の早いスマホであればデバイスを探すネットワークが頼りになるのは紛失してから数時間ほどでしょう。
そこでGoogleは紛失したスマートフォンなどAndroidデバイスが電源オフの状態でも位置情報を特定できる「Powered Off Finding」機能を開発しています。
Androidの解析で多数の実績があるMishaal Rahmanによれば、同機能はBluetoothコントローラのメモリに事前計算されたBluetoothビーコンを保存することで、電源がオフになってもBluetoothビーコンの利用を継続できるとのこと。
残念ながら電源オフでもBluetoothビーコンの利用を継続するには、専用のハードウェアが必要になることから、すべてのデバイスでPowered Off Findingを利用できるわけではありません。
既存のスマートフォンで対応が確認されているのはPixel 8シリーズのみ。Pixel 7 ProもPixel 6aも利用できず、紛失したら諦めるのが難しい高額なPixel Foldも対応していないそうです。
提供時期についてはPixel 9シリーズの発表と同時になる可能性が高いとのこと。もちろん新型モデルについても対応するでしょう。5月15日発表の可能性が高いPixel 8aも期待できるほか、以前から開発が噂されているAirTagのようなPixel Tagも登場するかもしれません。
ただし、Powered Off Findingはデバイスを探すネットワークの拡張機能であることから、提供時期が明らかにされていないネットワーク機能の正式提供が前提条件です。
デバイスを探すネットワークは昨年提供される予定でしたが、ユーザー保護の観点で提供が遅れています。
Androidでは、AirTagを含む疑わしい紛失防止タグの検知機能を備えていますが、iPhoneはAirTagや探すネットワークに対応した疑わしい紛失防止タグは検知できるものの、それ以外の製品は検知できないため、ストーカー行為に気づくことができません。
ネットに繋がらなくても現在位置を特定できる「デバイスを探すネットワーク」と、電源オフでも現在位置を特定できる「Powered Off Finding」オプションが実現するには、この問題が解消される必要があります。
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