安くて見つかりにくいコインサイズながら高精度に追跡できるAppleの紛失防止タグ「AirTag」を利用したストーカー行為が問題になっており、海外ではAirTagを使って住所を特定するストーカー事件が発生しています。
他人のAirTagが自分の持ちものに混入していた場合、iPhoneには警告を通知する自動検出機能が搭載されていますが、Androidには備わっておらず、専用のアプリが必要でした。しかし、多くの人はアプリの存在を知らず、知っていても積極的にダウンロードする人は少数でしょう。
Googleは、こういった状況を解決するために不明なトラッカー警告(Unknown tracker alerts)機能の提供を開始すると発表しました。
新しいデバイスを探す機能は提供延期に
不明なトラッカー警告機能は、持ち主から離れた紛失防止タグが自分の荷物に紛れ込むなどして一緒に移動していると検知した場合に、Androidデバイスに通知するというもの。
通知をタップすると、紛失防止タグの詳細や一緒に移動していた経路が地図上に表示されるほか、紛失防止タグを荷物に紛れ込ませた持ち主に知らせることなく、音を鳴らしてどこに紛れているのか発見することも可能。
現在、この機能はAirTagのみで動作しますが、今後はSamsungやTile、eufyなどのメーカーと協力して利用できるデバイスを拡大するとしています。
ほかにも警告を受信したら紛失防止タグをスマートフォンの背面に近づけてシリアル番号や電話番号の下4桁など、デバイスの持ち主に関する情報を確認したり、紛失防止タグを無効化できます。
さらに、他人の紛失防止タグが紛れ込んでいないかスマートフォンの設定画面から手動でチェックする機能も提供されます。チェックは約10秒間で終了し、持ち主から離れた紛失防止タグのリストが表示され、タグをタップすると次に何をすべきかヒントが表示されます。
この不明なトラッカー警告機能は、Android 6.0以上のすべてのデバイスにGoogle Play開発者サービスを経由して提供されるとのこと。
なお、Google I/O 2023で今夏登場と予告されていた世界中にある10億台以上のAndroidデバイスを活用して、紛失した持ち物の場所を特定するのに役立つ「デバイスを探す」機能のアップデートについて、AppleがiOS向けの保護機能を実装するまではアップデートの展開を保留することを決めたと説明しています。
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