7月31日、Appleが2020年第3四半期(2020年4〜6月)の決算を発表した。
第2四半期は新型コロナウイルスの感染拡大と経済悪化によってiPhoneを始めとした主力製品が減収となったが、今期は売上高・利益ともに好調で同四半期の売上としては新記録となった。
新型コロナの影響なく増収増益を記録
2020年4月〜6月におけるAppleの売上高は596億8500万ドルで前年同期比で11%増、純利益も112億5300万ドルで前年同期比12%増となった。
コロナ禍で好調を記録した決算は市場予想を上回り、決算発表後の時間外取引で株価が上昇している。なお、Appleは新型コロナウイルス感染拡大の影響以降は業績予想を示していない。
- 売上高: 596億8500万ドル(+11%)
- 純利益: 112億5300万ドル(+12%)
iPhone、iPad、Macの売上高
製品別の売上高はMacが70億7900万ドルを記録、前年同期比で22%増。iPadは65億8200万ドルを記録、前年同期比で31%増といずれも好調となった。
好調の要因は3月に新しいMacBook Air、iPad Pro、4月にiPad向けのMagic Keyboard、5月に13インチMacBook Proと新製品が立て続けに発売され、新型コロナウイルス感染拡大によるリモートワークやオンライン授業などでノートPCの需要が高まったことで売上が大幅に増えたと考えられる。
iPhoneの売上高も264億1800万ドル、前年同期比で2%増となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響でスマートフォンは世界的に出荷台数が大きく落ち込んでいるが、ロイターによるティム・クックのインタビューによると4月の販売状況は一時的に不振となったものの同月に発売した新しいiPhone SEの売上が好調だったという。
- Mac: 70億7900万ドル(+22%)
- iPad: 65億8200万ドル(+31%)
- iPhone: 264億1800万ドル(+2%)
Apple Watch、HomePod、AirPodsの売上高
Apple WatchやHomePod、Apple TV、AirPods、iPod touch、Beats製品、Appleブランド、サードパーティ製アクセサリなどをまとめた「Wearables, Home and Accessories」の売上高は64億5000万ドル、前年同期比17%増を記録。
リモートワークやオンライン授業などでフルワイヤレスイヤホン「AirPods Pro」の需要が高まったことで売上が増えたと予想される。
AppleCareやApple Pay、Apple Music、iCloud、ライセンス、その他サービスを含む「サービス」の売上高は前年同期比で約15%増の131億1560万ドルを記録した。
- Wearables, Home and Accessories: 64億5000万ドル(+17%)
- サービス: 131億1560万ドル(+15%)
新型iPhone、発売が数週間遅れると明言
新型コロナウイルス感染拡大の影響により世界中で3月からロックダウンがスタート。Apple Storeが一時的にクローズするなど、4月に本格化したことで今期は厳しい業績になると予想されていたが、リモートワークやオンライン授業などで製品需要が高まり、結果的には売上高、純利益ともに前年同期比で10%を上回る業績となった。
来期(7月〜9月)は例年どおりであれば新型iPhoneの業績が含まれるが、AppleのLuca Maestriは新型iPhoneについて「今年は販売が昨年よりも数週間遅れるだろうと」と異例の発表を行った。
新型iPhoneの発売が10月にずれ込む可能性が非常に高いことから来期の決算ーー特にiPhoneの売上高は大きく落ち込むことが予想される。
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