日本時間10月29日、Appleが2021年度第4四半期(2021年7月〜9月25日)の決算を発表しました。
第3四半期はiPhoneの販売やサブスクリプションが好調で売上高が前年同期比で36%の増加を記録。第4四半期は“ほぼすべての製品”が半導体不足の影響を受けたことで市場予想を下回ったものの、売上高・純利益ともに同四半期の過去最高を記録しています。
純利益は+62%増の大幅成長に
2021年7月〜9月におけるAppleの売上高は833億6000万ドルで前年同期比で28%増を記録。純利益も205億5100万ドルで前年同期比62%増となりました。
ティム・クックは供給の成約と東南アジアにおける新型コロナウイルス感染拡大によって製造体制への影響が予想より大きかったと説明。10月末までに改善したとしながらも、半導体不足が解消しないことからほぼすべての製品が影響を受けているとコメントしています。
- 売上高:833億6000万ドル(+28%)
- 純利益:205億5100万ドル(+62%)
iPhone、iPad、Macの売上高
製品別の売上高はMacが91億7800万ドルを記録、前年同期比は微増。iPadは82億5200万ドルを記録、前年同期比で21%増を記録しています。
在宅ワーク増加の影響によって依然としてMacとiPadは好調です。今期の決算は9月25日締めということで、シリーズ最大の進化を遂げたiPad mini 6の発売(24日発売)の影響はこれからも大きく出てくるものと予想されます。
iPhoneの売上高は388億6846万ドルを記録。前年同期比で+46%の大幅増となりました。なお、前年は新型iPhoneの発売が遅れたこともあって-20%の大幅減を記録していたことを考えると、今期は9月24日にiPhone 13シリーズが発売されたことによる大きな反動があったものと思われます。
- Mac:91億7800万(+1.6%)
- iPad:82億5200万ドル(+21%)
- iPhone:388億6846万ドル(+46%)
Apple Watch、HomePod、AirPodsの売上高
Apple WatchやHomePod、Apple TV、AirPods、iPod touch、Beats製品、Appleブランド、サードパーティ製アクセサリなどをまとめた「Wearables, Home and Accessories」の売上高は87億8500万ドルを記録。前年同期比で11%増となりました。
引き続き在宅ワークやオンライン授業の増加にともないフルワイヤレスイヤホン「AirPods」シリーズの需要が高まったことで売上が増えたと予想されます。10月には新型モデルのAirPods 3が発売されたことで来期以降も好調が予想されます。
AppleCareやApple Pay、Apple Music、iCloud、ライセンス、その他サービスを含む「サービス」の売上高は前年同期比で約25%増の182億7700万ドルを記録。iPhoneに次ぐAppleの収益柱が過去最高を更新しました。
- Wearables, Home and Accessories:87億8500万ドル(+11%)
- サービス:182億7700万ドル(+25%)
成長率の鈍化に懸念も好調維持を予想
昨年の新型コロナウイルス感染拡大以降、巣ごもり需要や在宅ワークの増加によって業績を伸ばしているApple。
ワクチンの普及によって特需もそろそろ解消が予想されるなかで、Macの売上高が微増に留まり成長率も鈍化していますが、在宅ワークの増加に伴って息を吹き返したiPadの売上高が前年同期比で大きく成長するなど、今後も好調を維持する数字も見られます。
iPhoneについては4G→5Gの買い替え需要によって引き続き成長を記録しました。小幅なアップデートに留まったiPhone 13シリーズの売上は心配されるところですが、他社も含めた5G端末への買い替え需要を考えると大幅な落ち込みは考えにくい状況です。
不安材料は半導体不足ですが、原因の1つが需要拡大であり、半導体不足が解消されないうちは好調を維持すると思われます。
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