BCNが2023年上半期のスマートフォン売れ筋ランキングを発表しました。
2022年の年間スマートフォン販売ランキングで3位にランクインしていた「iPhone 13」が1位を獲得。2位は昨年春に発売された5G対応の「iPhone SE(第3世代)」、3位はAndroidスマートフォンの上半期販売ランキングで1位を獲得した「Pixel 6a」で、iPhoneの上位独占を阻止しています。
BCNの調査は2023年1月1日から6月30日の期間中に集計されたもの。全国の主要家電量販店・ネットショップからの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースをもとにランキングが作成されています。
トップ10のAndroidとiPhoneの割合が逆転
順位 | 機種名 | 参考価格 |
---|---|---|
1位 | iPhone 13 | 107,800円 |
2位 | iPhone SE(第3世代) | 62,800円 |
3位 | Pixel 6a | 53,900円 |
4位 | iPhone 14 | 119,800円 |
5位 | arrows We | 22,000円 |
6位 | iPhone 14 Pro | 149,800円 |
7位 | Reno7 A | 44,800円 |
8位 | Xperia 10 IV | 53,900円 |
9位 | AQUOS wish2 | 22,000円 |
10位 | Galaxy A53 5G | 44,160円 |
昨年上半期のランキングではトップ6までiPhoneが独占していましたが、今年は3位にPixel 6a、5位にはarrows Weがランクイン。さらに、昨年上半期はトップ10にiPhoneが7機種、Androidが3機種となっていましたが、今年はiPhoneが4機種、Androidが6機種と割合が逆転しています。
なお、BCNによるとiPhone 14を上回ったPixel 6aは、Androidのなかでは頭ひとつ抜けた販売台数を記録しているとのこと。
販売台数ランキングにAndroidスマートフォンも数多くランクインすることはiPhone一強を許さず、競争が生まれるため喜ばしいことですが、手放しで喜ぶこともできません。
参考価格として掲載した機種代金にフォーカスすると、iPhoneは6万円台のiPhone SE(第3世代)だけでなく10万円を超える高額なモデルが複数ランクインしていますが、Androidはすべて5万円台以下のミッドレンジモデルやエントリーモデルとなっています。
5位のarrows Weを開発していたFCNTは負債総額1400億円で民事再生法の適用申請を行いスマホ事業から撤退。さらに、TORQUEシリーズを残して個人向けのスマートフォン事業から撤退した京セラの谷本社長は、現在のスマートフォン市場に対して、端末の値上げを許さない市場性からとても利益が出せないと口にしており、台数が出ても事業が好調とは言えない市場になっています。
利益率を改善するためには、やはり高額なハイエンドモデルを売っていく必要があります。
そういったなかで公正取引委員会がAndroidの割合が高いとする1円などの激安スマホが今後規制される見込み。同時に高額なハイエンドモデルを買いにくくしている割引額の上限2万円ルールも4万円に引き上げられることが議論されており、今後は高額なモデルが売れやすくなる市場に変化するかもしれません。
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