BloombergのMark Gurmanが、AppleがEUにおいてApp Store以外のアプリストアを容認すると報じています。
これが実現すればサードパーティが開設するアプリストアからでもiPhoneやiPadにアプリをダウンロードすることが可能に。
開発者はApp Storeのルールに縛られないため、独自決済を導入して最大30%のApple税を回避できるほか、ユーザーはより安くアプリやアプリ内課金を購入したり、ポリシー違反によってApp Storeから消されたフォートナイトをダウンロードできるかもしれません。
早ければiOS 17で他社にアプリストア解放か
Appleの方針変更はEUの独自ルールーーデジタル市場法(DMA)に対応するためのもので、DMAはApple、Google、Amazon、Metaなど巨大テック企業に大きな影響を与える法律です。
ユーザー数や売上高などが一定基準に達した巨大企業に対して、自社のサービスやプラットフォームを他社や開発者に開放することが義務付けられ、違反した場合は年間売上高の最大10%の罰金、EU内での業務停止などの罰則もあります。
DMAの発行が報じられた先月には、Appleがサードパーティのアプリストアやアプリのサイドロード(コマンドを使うなど通常とは異なる方法でアプリをインストールすること)を容認せざるを得ない可能性があると予想されていました。
なお、Googleはサードパーティのアプリストアを容認しており、かなり古くからAmazonやSamsungが独自のアプリストアを開設しています。アプリのサイドロードも可能で旧バージョンのアプリをインストールすることもできます。
Googleと違ってAppleは一貫してApp Store以外のアプリストアを容認していなかったため、今回の報道には大きなインパクトがあります。
ただし、全解放となるかはわかりません。
特にAppleが懸念しているのはセキュリティであることから、開発者が他社のアプリストアでアプリを配布する場合であっても、一定のセキュリティ要件を義務付けたり、何らかの形でアプリを検証するなどしてAppleが承認したアプリのみインストール可能にすることを検討しているとのこと。
冒頭でApple税の回避やより安くアプリやアプリ内課金を購入できるかもしれないと書きましたが、サードパーティの決済システムの導入まで許可するかはまだ決めていないようです。
なお、DMAは2023年5月2日から適用がスタートし、2023年7月3日までに一定基準に達した企業が自ら欧州委員会に届け出る必要があり、遅くとも2024年3月6日までに対応義務があります。
これらのスケジュールも考慮してiOS 17のアップデートともにアプリストアが解放される可能性があります。なお、現時点ではEUに限定されるものの、他の国でも同様に法制化された場合は、それに従う可能性もあるとのこと。
If similar laws are passed in additional countries, Apple’s project could lay the groundwork for other regions. But the company’s changes are designed initially to just go into effect in Europe.
— Mark Gurman (@markgurman) December 13, 2022
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