チャット形式でさまざまな要求にこれまでにないクオリティで応えてくれるChat GPTの登場以降、急速にテキストによる対話形式のAIに注目が集まっています。
将来的にChat GPTがGoogle検索の代わりになるのではないかという予想や期待もあるなかで、Googleは5月のビッグイベントでAIに関連する機能やサービスを多数発表しました。
対照的に静観していたのがAppleです。数週間後に開催したイベントでは、VRとARを融合させた空間コンピューター「Apple Vision Pro」に集中し、AIにフォーカスすることはありませんでした。
ところがBloombergのMark Gurmanの最新レポートによれば、Appleは他社とは異なるアプローチでAIの開発・運用を進めているようです。
Siri GPTに期待
Mark Gurmanによると、AppleはChat GPTやMicrosoftのBing、GoogleのBardといった大規模な言語モデルを構築するためのフレームワーク“Ajax”を開発し、Ajaxを活用してSiriや地図にAI関連の改良を行うほか、大規模言語モデルを作成して社内でApple GPTとも呼ばれてるチャットボットを配備しているとのこと。
現時点でApple GPTは社内向けのもので、消費者向けの開発に使用することは禁止されており、製品のプロトタイピングに補助として使用したり、テキストの要約や学習させたデータに基づいて質問に答える能力を備えているようです。
Apple GPTは、あくまでも内部向けのもので、一般公開される予定はないそうです。
それでもApple GPTとは異なる大規模言語モデルを活用した消費者向けのチャットボットがリリースされる可能性も考えられますが現時点では不明。ただし、Appleは2024年にAIに関する重要な発表を計画している可能性もあるようです。
なお、AppleのSiriには、すでにタイプ入力機能が備わっており、声を発することなくキーボードを使ってテキストベースでやり取りすることが可能です。ただし、それだけでChat GPTのようなAIを活用した生成能力は備わっていません。
セキュリティやプライバシーをピラミッドの頂点に置くApple。トップのティム・クックがAIに対して慎重な姿勢を取る中で、Ajaxによって構築した大規模言語モデルを導入することで、Siriが新たな能力を得るのか今後に注目です。
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