Appleが今年秋に提供を開始する「Apple Intelligence」(アップルインテリジェンス)を発表しました。
テーマは“私たちのAI”で、Apple Intelligenceが導入されるiPhone、iPad、Macでは、文章作成や自己表現などをAIによってこれまでに比べて簡単にこなせるようになり、言葉につまづいても人のように話について来れる新しいSiriも利用できます。
魅力的な“AI”ですが、すべての機種で利用できるわけではなく、特にiPhoneについては利用機種が限定されます。
Apple Intelligenceには8GBのメモリが必須か
Apple Intelligenceが利用できるのは、A17 Pro / M1 / M2 / M3 / M4シリーズのチップを搭載したiPhone、iPad、Macに限定されます。
具体的な対応機種は以下のとおりです。
- iPhone 15 Pro Max:A17 Pro
- iPhone 15 Pro:A17 Pro
- iPad Pro:M1以降のモデル
- iPad Air:M1以降のモデル
- MacBook Air:M1以降のモデル
- MacBook Pro:M1以降のモデル
- iMac:M1以降のモデル
- Mac mini:M1以降のモデル
- Mac Studio:M1 Max以降のモデル
- Mac Pro:M2 Ultra
iPhoneでApple Intelligenceを利用できるのはわずか2機種ですが、これにはメモリ容量が大きく関係しているものと思われます。
スマートフォンおけるAIは、端末上で動作するAIに処理させるオンデバイスAIと、クラウド上で動作する高性能なAIに処理させるクラウドAIの2種類を使い分けます。
Apple Intelligenceも両方のAIを活用しますが、どの企業よりもユーザーのプライバシーとセキュリティ保護を大切にするAppleの“AI”は、基本的にオンデバイスAIで動作し、高度な処理を必要とする場合だけクラウドAIを活用すると説明されています。
Apple Intelligenceに限らず、オンデバイスAIで重要になるハードウェア性能がメモリです。
デバイス上に高性能なAIモデルを展開するため、それに応じたメモリの容量が必要になります。その適切な容量が8GBと推測されます。
iPhone 15やiPhone 15 Plusは6GBのメモリしか搭載しておらず、GoogleのオンデバイスAI「Gemini Nano」についても8GBをスタートラインにしていることを考えると、Appleの決定は妥当と言えるものです。
ただし、8GBのメモリを搭載したデバイスがあまりにも少ないため、Apple Intelligenceを利用できるのは一部のユーザーに限定されてしまいます。
今年秋発売が予想されるiPhone 16シリーズについては、全機種のメモリが8GBに増量されるとも報じられており、Apple Intelligenceの対応機種は増えるはずです。
なお、Apple Intelligenceは今年夏にアメリカ英語版がリリースされ、秋にベータ版として一部のOS(iOS 18 / iPadOS 18 / macOS Sequoia)に登場する予定です。
いくつかの機能や日本語を含むその他の言語は来年以降に提供されるため、Apple Intelligenceを利用したいがために、今すぐ新しいデバイスに買い換える必要はありません。
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