Photo by Tsahi Levent-Levi
アップルは、昨年リリースした「iOS 9」でAndroidからiPhoneへカンタンに移行できる機能を備えたAndroidアプリ「Move to iOS」をGoogle Playストアで公開しましたが、今度はiPhoneからAndroidに移行できるアプリの開発に着手するようです。
アップル、欧州の通信事業者からの依頼で移行アプリを開発か
The Telegraphによると、アップルがiPhoneからAndroidへの移行アプリを開発するようです。
According to a senior industry source, Apple has privately agreed to develop a simple tool to help consumers shift data such as contacts, music and photos if they move to Android. Major European telecoms operators are concerned that only a tiny fraction of customers ever move off the iPhone, in part because of the technical hassle of transferring data.
引用元:Apple’s Android switching plan – Telegraph
欧州の通信事業者はデータ移行に技術的な悩みを抱え、iPhoneから移行できない一部の消費者がいることを理由として、アップルに移行アプリの開発を要求したそうです。
開発中の移行アプリでは、連絡先のほか音楽、写真をAndroidに移行することできるようです。リリース時期などについては報じられていません。なお、アップルは事業者の依頼を受けたと報じられています。
iPhoneからAndroidへの移行はカンタンではない
グーグルのエリック・シュミットは、2013年にiPhoneからAndroidに移行する方法を「エリックガイド」としてGoogle+に公開しましたが、AndroidからiPhoneに移行するのに比べて非常に手間がかかります。
PCで複数のサービスにアクセスし、データをダウンロードしてインポートを繰り返すなど、データ移行はカンタンではありません。
グーグルや通信事業者が移行アプリを開発できれば良いのですが、できるのであれば既に着手しているはずです。開発ができないからこそ通信事業者はアップルに依頼せざるを得なかったのではないでしょうか。
ちなみに、AppStoreにはサードパーティ製の移行アプリが多数リリースされていますが、どれも完結的ではなく、連絡先や写真、メッセージの履歴、ウェブサイトのブックマークなどを「Move to iOS」のような1つのアプリで移行することはできません。
iPhoneからAndroidへの移行が増加する日本の消費者にとっては朗報
総務省が昨年末に携帯電話事業者に要請した高額な端末購入補助の適正化によって、日本では一括/実質0円や高額なキャッシュバックが確実に減っていきます。
日本でiPhone人気が高いのは誰もが持っているスマートフォンで話題を共有しやすい、サポートを受けやすいということだけではなく、この高額な端末購入補助に支えられてきた面が強く、適正化の煽りを大きく受けるのはiPhoneのはずです。
今後は格安スマホの普及も相まってiPhoneからAndroidに移行する人は徐々に増えていくでしょう。
それと同時にiPhoneからAndroidへの移行で頭を悩ませる人も増えるはずですが、移行アプリが用意されていれば、消費者はもちろん、サポートに手間をかけなくても良い通信事業者にもメリットがあります。
最大の問題はアップルにはメリットがないこと。それだけに今回の報道の信ぴょう性が気になるところですが、The Telegraphは業界筋から得た情報として報じており、鵜呑みにはできません。
そもそもiOS 9と同時に公開した「Move to iOS」もアップルが一から開発したわけではなく、既存のアプリをリパッケージしてGoogle Playストアに公開しただけでほとんど手はかかっていません。
そんなアップルがAndroidからiPhoneへの移行アプリを開発するとは思えないのですが、どうでしょうか。