グーグルがAndroid 4.0 Ice Cream Sandwich向けに提供しているウェブブラウザ「Chrome」の開発を終了し、今後はアップデートを行わないことを明らかにしました。
Android 4.0 ICS向けに提供されるChromeはバージョン42が最後
グーグルは、公式ブログのChromium BlogにてAndroid 4.0向けに提供しているChromeブラウザの開発を終了すること案内しました。
In the last year, we’ve seen the number of Chrome users running ICS drop by thirty percent. Developing new features on older phones has become increasingly challenging, and supporting ICS takes time away from building new experiences on the devices owned by the vast majority of our users. So, with Chrome’s 42nd release, we’ll stop updating Chrome on ICS devices. After Chrome 42, users on ICS devices can continue to use Chrome but won’t get further updates.
引用元:Chromium Blog: Freezing Chrome for Ice Cream Sandwich
開発を終了する理由としては、Chromeのシェアにおいて、Android 4.0の割合は過去1年で30%減少していることや、古いデバイス向けに新機能を提供することが徐々に困難になってきたこと、Android 4.0を搭載するデバイスへの対応は、大半のユーザーが利用するデバイス向けに提供する新機能の開発時間を奪うためと説明されています。
Android 4.0向けにはバージョン42のChromeが提供されていますが、これが最後のバージョンとなり、今後アップデートが提供されることはないとコメントしてエントリーを終えています。
Android 4.0 Ice Cream Sandwichは、スマートフォン向けのAndroid 2.xとタブレット向けのAndroid 3.xを統合するバージョンとして2011年にリリース。Android 4.0を初めて搭載する機種として、サムスンとグーグルが共同で開発した「GALAXY Nexus」が発売され、日本では初めて発売されたNexusブランドのスマートフォンでもありました。(GALAXY NexusはAndroid 4.2または4.3までアップデートが可能)
グーグルが公表しているAndroidのバージョン別シェアでは、最新の3月集計時でAndroid 2.xを1%下回る5.9%となっており、昨年同期から10%近くシェアを落としています。
WebViewもChromeもAndroid 4.0向けのアップデートを終了
アクティブに利用するユーザーがかなり減ってきていることを考えると、打ち切りはあっても良いのかもしれませんが、グーグルは、標準ブラウザやアプリ内で実装されているブラウザが利用するWebViewにおいてもAndroid 4.3以下のサポートを打ち切るとの方針を示しました。
回避策としてグーグルはChromeやFirefoxを使うようにと案内していましたが、Android 4.0においてはChromeのサポートまで打ち切られることになりました。
Androidはバージョンアップを重ねたことで、OSそのもののデキは確実に良くなっているものの、アップデートなどアフターサポートまたはセキュリティの問題はリリース当初から変化はありません。今回のChromeのアップデート打ち切りとWebViewのサポート打ち切りに共通するのは、バージョンを重ねたことで開発や管理がしにくくなっていることを原因としていることです。
新しいOSへのアップデートが提供されず、古いOSから新しいOSへ以降するユーザーがなかなか増えないAndroidの問題に対して、再び考えるべき時期が来たのかもしれません。
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