どっちを買う?Galaxy Z Fold5 vs Pixel Foldの違いを比較
タブレットサイズのディスプレイを半分に折りたたんで持ち運べる折りたたみスマートフォンは、SamsungのGalaxy Z Foldシリーズだけでしたが、今年はGoogleからPixel Foldが発売されたことで、最適な機種を選択することが可能になりました。
どちらも折りたたみスマートフォンではあるものの、性能や特徴は異なり、使い方によって選ぶべき機種、最適な機種が異なります。
この記事では、どっちの機種を購入すれば良いかを判断するために、Galaxy Z Fold5とPixel Foldの違いをまとめて比較しています。ぜひ購入の参考にしてください。
目次
「Galaxy Z Fold5」と「Pixel Fold」の違いを比較
Galaxy Z Fold5 | Google Pixel Fold | |
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デザイン | ||
価格と容量 |
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素材 |
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サイズ |
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重さ | 253 g | 283 g |
カバーディスプレイ |
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メインディスプレイ |
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カメラ |
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フロントカメラ |
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撮影スタイル | ー |
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写真機能 |
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動画機能 |
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ベンチマーク |
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チップセット | Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy |
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メモリ | 12GB | 12GB |
バッテリー |
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ワイヤレス充電 |
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SIM |
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5G | Sub6・ミリ波 | ミリ波・Sub6 |
Wi-Fi |
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Bluetooth | 5.3 | 5.2 および デュアルアンテナ |
FeliCa | ◯ | ◯ |
防水・防じん | IPX8 | IPX8 |
USB | Type-C 3.2 | 3.2 Gen 2 |
セキュリティ |
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センサー |
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位置情報 | ー |
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アップデート保証 |
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同梱品 |
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デザイン・カラーを比較
Galaxy Z Fold5はフラットエッジのボディとレンズを縦に3つ並べたシンプルなカメラ形状で、スタイリッシュな印象を受ける一方、Pixel Foldは手にフィットする丸みがかかったフレームを採用し、背面に批判的な声も多いカメラバーを搭載しています。
背面のデザインに関しては好みは分かれるかもしれません。
また、Pixel Foldを実際に購入した筆者が感じるのは、ヒンジに採用されているステンレススチールがキズつきやすいということ。購入から1週間後には細かなキズがついていました。
カラーはGalaxy Z Fold5がアイシーブルー、ファントムブラック、クリーム、グレーの4色を用意。Pixel Foldはオブシディアンとポースレンの2色展開です。ただし、購入するストアによって購入できるカラーは以下のように限定されます。
Galaxy Z Fold5 | Pixel Fold | |
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docomo |
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au |
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SoftBank | 取り扱いなし |
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オープンマーケット |
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大きさ・重さを比較
Galaxy Z Fold5は閉じた時の幅が70mmを大幅に下回る縦長の形状で、片手で持ちやすくなっています。重さは253gでスマートフォンとしては超ヘビー級ですが、Pixel Foldに比べると30gも軽いため、ポケットに突っ込んでもそれほど違和感はないでしょう。
対するPixel Foldは閉じた時の幅が79.5mmで、重さは283g。Pixel 7 Proに比べて幅が3mm広く70g以上も重いため、普通のスマートフォンとは大きく違います。
大きさや重さの面でPixel FoldがGalaxy Z Fold5よりも優れているのは、2点式のヒンジによる本体の薄さです。閉じた状態では1.3mm薄いため、ポケットに入れてもパンパンに膨らみづらいです。
ディスプレイを比較
Galaxy Z Fold5とPixel Foldの最も大きな違いはディスプレイにあります。
Galaxy Z Fold5は、大画面に最適化されたAndroidアプリが少ないことを考慮して縦長で設計されているのに対して、Pixel FoldはAndroidを開発するGoogleが手がけていることも合って大画面に最適化されたAndroidアプリを今後増やしてくために横長設計になっています。
カバーディスプレイを比較
2つの折りたたみスマートフォンどちらにも本体を開かなくても使えるカバーディスプレイが搭載されています。
Galaxy Z Fold5のカバーディスプレイは、縦横比が23.1:9とかなり細長。個人的に1日中、本体を開かずカバーディスプレイだけで過ごすのは難しいと感じました。サムスンの公式サイトでは、サブディスプレイといった表記もあるように、あくまでもサブ的に使うことが想定されていると感じます。
Pixel Foldのカバーディスプレイは縦横比が17.4:9で普通のスマートフォンと大きく変わらないサイズ感です。
本体を開かなくても1日過ごすことができるため、これまでの慣れ親しんだスマートフォン体験が失われることなく、メインディスプレイによるタブレット体験を味わうことができます。
メインディスプレイを比較
Pixel Foldのメインディスプレイは電子書籍やマンガを楽しむために最適な縦横比です。上下・左右に表示される余白が少ないため、読書に没入できます。
Galaxy Z Fold5のメインディスプレイはベゼルの幅が小さくスタイリッシュ。
形状は縦長のため、そのまま読書を始めると余白が多く表示されますが、画面の向きを変えるだけでPixel Foldと同じ縦横比になります。画面サイズ(面積)も解像度も大きく変わりません。ただ、いちいち本体の向きを変えるのが手間に感じる人もいるかもしれません。
画面の明るさはPixel Foldのピーク輝度1450ニトに対して、Galaxy Z Fold5のピーク輝度は1750ニト。屋外で利用する機会が多い場合は、Galaxy Z Fold5の方が快適に利用できます。
ソフトウェアを比較
大画面に最適化されたアプリや大画面のメインディスプレイに複数のアプリを同時に表示する画面分割、スムーズな画面分割を実現するタスクバー、カバーディスプレイとメインディスプレイの連動など、折りたたみスマートフォンでは、一般的なスマートフォン以上に高度なソフトウェアが求められます。
Pixel FoldのソフトウェアはかなりシンプルでiPadに非常によく似ています。
大画面を分割して同時表示できるアプリは2つまで、画面下を少し上にスワイプして表示されるタスクバーからアプリをドラッグ&ドロップするか、ホーム画面のアプリアイコンを長押しして画面分割を開始できます。
ほかにも、リアルタイムな文字起こしに対応したボイスレコーダー、いま流れている曲名をロック画面に表示する「この曲なに?」、コールセンターなどに電話をかけていて保留になった時にGoogleアシスタントに待機させて、担当者につながったら通知を受け取れる「代わりに待ってて」など魅力的な基本機能を備えています。
自由度が高いGalaxy Z Fold5では、最大3つのアプリを同時表示できる上に、ポップアップでもう1つのアプリを起動することもできます。
YouTubeとGoogle Chromeなど、よく使うアプリのペアを保存してショートカットで起動することも可能。カバーディスプレイとメインディスプレイで別々のホーム画面を使用したり、連動させることもできます。
さらに、外部ディスプレイと接続してPCにようなインターフェースで使用できるSamsung Dexや専用のペンデバイス「Sペン」による手書き入力にも対応。いずれもPixel Foldではできないことです。
Pixel Foldで十分だという人もいると思いますが、一度、自由度の高いGalaxy Z Fold5を体験するとPixel Foldは窮屈に感じ、移行することは困難かもしれません。
カメラを比較
Pixel FoldとGalaxy Z Fold5のどちらも広角レンズ、景色をダイナミックに撮影できる超広角レンズ、望遠圧縮によってスマホ離れしたズーム撮影が可能な望遠レンズで構成されるトリプルカメラを搭載しています。
Pixelスマートフォンの画質は誰もが認めるところ。最上位モデルのPixel 7 Proには及ばないものの、Pixel Foldも評価に違わぬ写真を撮影できます。
Pixelスマートフォンとは差がついたものの、Galaxyスマートフォンのカメラも高い評価を得ています。Galaxy Z Fold5のカメラ性能はZ Fold4やGalaxy S23/S22とほぼ変わらず、最上位モデルのGalaxy S23 Ultraとはかけ離れたものになっています。
実際に撮り比べるまで画質の違いはわかりませんが、先行レビューを行った海外メディアでの評価では、Galaxy Z Fold5よりもPixel Foldが高く評価されています。
性能を比較
Pixel Foldには、独自チップのGoogle Tensor G2が搭載されています。
前世代のチップに比べて、機械学習の処理が60%も高速化したことよって、Googleフォトにアップロードした写真のピンボケを補正したり、音声入力にて絵文字が自動で提案されるサジェスト機能、絵文字の検索、ボイスメッセージの書き起こし、ボイスメモで話者を識別できるラベル機能など便利な機能を実現しています。
その一方で基本性能・グラフィック性能は優れたものではありません。
Galaxy Z Fold5に搭載されたSnapdragon 8 Gen 2 for Galaxyは、前世代のチップに比べてCPUの性能は約50%向上、ゲームアプリなどの快適さに関わるGPUの性能は約100%も向上し、性能は圧倒的にGoogle Tensor G2を上回っています。
例えば、Snapdragon 8 Gen2 for Galaxyの発熱による性能低下後のスコアがTensor G2のベストスコアを上回るほどです。
Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy | Google Tensor G2 | |
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計測機種 | Galaxy Z Fold5 | Pixel Fold |
Geekbench 6 (CPU) |
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3DMark Wild Life Extreme (GPU) |
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Wild Life Stress Test | ||
AnTuTu | 1,230,000前後 | 796,000前後 |
電池持ち・充電を比較
スマートフォンの電池持ちは、バッテリー容量と消費電力で決まります。
バッテリー容量は、Galaxy Z Fold5の4,400mAhに対して、Pixel Foldが4,821mAhと大きな違いがあります。
消費電力においては効率化に優れたチップセットと、カバーディスプレイの面積が小さいGalaxy Z Fold5に分がありそうです。
Galaxy Z Fold5の電池持ち
Galaxy Z Fold5を実際に使用したところ、FF7ECを1時間以上プレイ、YouTubeで動画を1時間再生、Googleマップの40分使用を含むなど、ヘビーに使っても使用時間が9時間30分超えました。画面オン時間は5時間40分を計測していて電池持ちは優秀です。
また、The Vergeのレビューでは、昼間の充電を必要とせず、画面オンの時間が5時間を超えても就寝時にはバッテリー残量が10%を記録するなど、1日中ヘビーに利用しても持ちこたえられると評価しています。
一方でAndroid Authorityは、通常の使い方であれば1日持つものの、メインディスプレイを積極的に利用すると夕食までに電池が切れることもあると報告し「平凡な電池持ち」と評価しています。
Android PoliceはGalaxy Z Fold5の電池持ちは不安定で4時間から5時間に収まることもあれば、届かない日もあり「1日使えるが、ギリギリ」を期待すべきと報告しています。
Pixel Foldの電池持ち
Android PoliceはPixel Foldの電池持ちについて画面オンが5時間から6時間でバッテリー残量は大体20から30%と報告しています。Android Authorityは、ほぼ毎日充電が必要と評価しています。
The Vergeは午前中に普段ノートPCでこなしている作業を全てPixel Foldでこなしたところバッテリー残量は65%まで低下。充電しながら1日を過ごして22時時点の残量は25%を記録していたと報告しています。
レビュー期間が相当短かったのかいずれのメディアもPixel Foldの電池持ちについて不安定とし、スマートフォンの使用状況に基づいてバッテリーを長持ちさせる「自動調整バッテリー」機能がうまく動作するようになれば、改善が期待できると注釈をつけています。
発売から約2週間利用してみた筆者は電池持ちについてそれほど悪いと感じません。ただし、使い方によって大きく変わると思います。
筆者のように普通のスマートフォンとして使えるカバーディスプレイも頻繁に利用するのであれば、電池持ちには不満はないでしょうし、すぐに本体を開いてメインディスプレイばかりを使うようであれば不満が多くなるはずです。
アップデート保証を比較
両機種ともセキュリティアップデートの保証期間は発売から5年間です。
OSアップデートはGalaxy Z Fold5が4世代保証。発売時のOSバージョンはAndroid 13なので、14,15,16,17までアップデートできることになります。
対するPixel Foldは発売から3年間保証のため、2026年6月26日に保証が切れます。
Googleは早くても8月、遅ければ10月にOSのメジャーアップデートを提供するため、2026年にリリースされるAndroid 17にはアップデートできず、2025年のAndroid 16までと予想されます。
高額な端末ということもあって、より長いOSアップデートを期待するのであれば、Galaxy Z Fold5を選択した方がいいかもしれません。ただし、Pixelスマートフォンは1ヶ月に1回のセキュリティアップデートと3ヶ月に1回の機能追加アップデートも用意されるなど、アップデート頻度の高さも魅力の1つです。
価格と容量を比較
最後に価格と容量を比較します。
Pixel Foldの価格と容量
Pixel Foldの価格は以下のとおりです。
なお、Pixel Foldの保証対象外の修理代金はとても高額でメインディスプレイを割った場合は、14万円以上が必要になるため、保証サービスを用意しているキャリアから購入することをオススメします。
docomo | |
機種代金 | 252,890円 |
負担金 | ▼23ヶ月目に返却149,930円毎月の支払額6,518円/月 |
au | |
機種代金 | 販売なし |
負担金 | 販売なし |
SoftBank | |
機種代金 | 287,280円 |
負担金 | 端末返却で143,640円毎月の支払額5,985円/月 |
機種代金 | 253,000円 |
Galaxy Z Fold5の価格と容量
Galaxy Z Fold5の価格は以下のとおりです。
docomo | |||
容量 | 256GB | 512GB | 1TB |
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機種代金 | 257,400円 | 272,030円 | 販売なし |
負担金 | ▼23ヶ月目に返却157,080円毎月の支払額6,829円/月 | ▼23ヶ月目に返却166,430円毎月の支払額7,236円/月 | 販売なし |
au | |||
容量 | 256GB | 512GB | 1TB |
機種代金 | 販売なし | 販売なし | 298,200円 |
新規契約 | |||
負担金 | 販売なし | 販売なし | 端末返却で173,000円毎月の支払額7,521円/月 |
機種変更 | |||
負担金 | 販売なし | 販売なし | 端末返却で156,500円毎月の支払額6,804円/月 |
のりかえ | |||
負担金 | 販売なし | 販売なし | 端末返却で162,000円毎月の支払額7,043円/月 |
Samsung | |||
容量 | 256GB | 512GB | 1TB |
機種代金 | 販売なし | 販売なし | 298,200円 |
まとめ:似て非なる選択肢
タブレットサイズのディスプレイを半分に折りたたんで持ち運べる2つのFoldフォンを比較しました。
筆者はGalaxy Z Fold5とPixel Foldは同じ折りたたみスマートフォンながら、似て非なるものと感じています。
普通のスマートフォンと大きく変わらないカバーディスプレイを装備したPixel Foldは、これまでのスマホ体験はそのままに、本体を開くとタブレット体験が味わえる2in1デバイスです。
メインディスプレイを使い倒すのではなく、両方の画面をバランスよく使いたいのであれば、Pixel Foldを選ぶべきです。小説やマンガ、雑誌など電子書籍を読む機会が多い人も満足するでしょう。
一方、Galaxy Z Fold5のカバーディスプレイは、幅が極端に細くあくまでも補助的なもので、メインディスプレイを多用する人向けと言えます。
メインディスプレイは最大3+1のアプリ同時表示に対応。お気に入りのアプリの組み合わせを保存したり、ホーム画面のレイアウトをカバーディスプレイとメインディスプレイで別々で管理したり、手書き入力が可能なSペンにも対応。外部ディスプレイに繋げばPCライクのインターフェースで作業することも可能です。
スマートフォンで作業を効率化させたいのであれば、制約が少なく自由度の高いGalaxy Z Fold5を選ぶことをおすすめします。
- いつでもカエドキプログラムの負担金は、24回払いで購入後、23ヶ月目までの特典利用の申し込みと機種返却が条件です。
- 新トクするサポート(スタンダード)の負担金は、48回払いで購入後、25ヶ月目に特典利用を申し込みと機種返却が条件です。
- スマホトクするプログラムの負担金は、24回払いで購入後、13カ月目~25カ月目までの特典利用の申し込みと機種返却が条件です。