現在、グーグルはスマートフォン向けのOSとして2007年に発表した「Android」とPC向けのOSとして2009年に発表した「Chrome OS」と2つのOSを開発・管理しています。
両OSが統合されるのではないか?と度々噂になっていましたが、2013年にグーグルの会長エリック・シュミットは「様々な問題があり、当面の間は独立性を維持する」とコメントし、両OSの統合について否定。
今回、再び「Android」と「Chrome OS」統合の噂が報じられています。
AndroidとChrome OSを統合した「新OS」
ウォール・ストリート・ジャーナルが事情に精通した2人の人物から得た情報によれば、グーグルは「Android」と「Chrome OS」を統合した新OSを2017年にも発表するとのこと。また、2016年には新OSの初期バージョンがお披露目されるようです。
Google engineers have been working for roughly two years to combine the operating systems and have made progress recently, two of the people said. The company plans to unveil its new, single operating system in 2017, but expects to show off an early version next year, one of the people said.
引用元:Alphabet’s Google to Fold Chrome Operating System Into Android – WSJ
両OSの統合はChrome OSがAndroidに吸収される形になるようで、同紙では「新しいAndroid」と呼んでいます。その「新しいAndroid」では、PCからGoogle Playストアにアクセスし、ストア上に公開されている100万以上のアプリをPCでも利用できるとのこと。
なお、現段階で未決定であるものの、Chrome OSには新しいブランド名が付けられるようです。
AndroidとChrome OS統合までの布石
振り返ると、グーグルは昨年公開したAndroid 5.0 LollipopでスマートフォンとChrome OSを搭載したPCが連携する新機能を投入。
今年4月にはAndroidアプリをPC上で動作させる「ARC Welder」を発表しています。
また、今年9月に開催したプレスイベントにて、OSにAndroidを搭載したPCとタブレットのハイブリットデバイス「Pixel C」を発表。着脱式のキーボードに対応し、「Pixel C」とキーボードを重ねて変形させるとノートPCになり、Google Playストアからアプリをダウンロードできる新製品を2015年末にも発売する予定です。
なお、同イベントでは、現在発売中のNexus 5XやNexus 6Pなどが発表されたものの、Chrome OSを採用した新製品は発表されていません。
さらに、今月リリースされたばかりのAndroid 6.0 Marshmallowには、ディスプレイ上に複数のアプリを表示するPCライクの新機能「マルチウィンドウ」を非公開機能として追加するなど、ここ最近のグーグルはAndroidのPC化・PC対応にかなり積極的になっています。
これらのことから、グーグルが両OSの統合を進めたとしても不思議ではありません。
ライバル企業の動き
なお、ライバル企業ではマイクロソフトがWindows 10でユニバーサルアプリの導入を行うなど、PC、タブレット、スマートフォンの親和性を高めています。
一方、アップルはiOS 9でiPadのPC化を進めましたが、CEOのティム・クックは、iOSとMac OS Xを統合することでメリットが失われ、どちらか一方では最良のユーザーエクスペリエンスが得られないとして統合計画がないことを明かしています。
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