Appleが今年秋に発売する4機種の新型iPhone(仮称:iPhone 15)では、ついに充電端子がLightningからUSB-C端子に置き換わると報じられています。
携帯総合研究所を見ているようなスマートフォンなどデジタルデバイスに詳しい人の多くがUSB-C端子への置き換えを歓迎するはず。一方で、そうでない人は買い替えが面倒で新たに費用がかかることを嫌がるかもしれません。
両手をあげて歓迎できないもう1つの要素はMFi認証の存在です。
AppleはLightningで得ていた収益をiPhone 15シリーズでも維持できるようUSB-CにもMFi認証を導入し、ユーザーに不便性を押し付ける可能性があります。
アナリストのMing Chi-Kuoは、AppleがMFi認証のUSB-C充電器において急速充電パフォーマンスの最適化を行うと報告しています。
つまり、MFi認証を取得していないUSB-C充電器を利用する場合は、iPhone 15シリーズをフルスピードで充電できず、より長い時間待たされる可能性があるということです。
眉間にしわが寄りそうな制限ですが、よく考えてみればフルスピードで充電するために専用の充電器を要求することはAndroidでもあること。Appleが同じことをやっても不思議ではありません。
なお、Appleは何年も前にiPhoneのパッケージに充電器を同梱することをやめたので、充電器の買い替え需要は相当なものになるでしょう。
Kuoによれば、Appleは2023年4月〜9月における20W USB-C電源アダプタの総出荷台数を120%まで大幅に引き上げ、iPhone 15シリーズの発売直後の2023年第4四半期には7000万台の出荷を見込んでいるそうです。
結果的に2023年における出荷台数は前年比で30-40%の大幅な成長を示し、2億3000〜2億4000万台になるとのこと。
今回のレポートでは、USB-CケーブルのMFi認証については触れられていません。
Appleが充電器側だけにMFi認証チップを求めるのであれば、充電器を買い替えるだけで済みますが、ケーブルにもMFi認証チップが必要になる場合は、ユーザーがこれまでに購入してきた無数のUSB-Cケーブルも買い替えの対象になる可能性があります。
なお、iPhone 15シリーズでは、データの転送速度でも差別化が図られ、高速なデータ転送が可能なUSB 3.xをサポートするのはProモデルだけで、割安な通常モデルはLightningと同じ転送速度のUSB 2.xと報じられています。
もし高速なデータ転送にはMFi認証ケーブルが必要で、高速充電にはMFi認証充電器だけが必要になる場合は、ユーザーから多くの反発を受けなくて済みそうですが、どうなるでしょうか。iPhone 15シリーズの発売日は約半年後と予想されています。