Qualcommが2022年の最新チップセット「Snapdragon 8+ Gen 1」と「Snapdragon 7 Gen 1」を発表しました。
Snapdragon 8+ Gen 1は、2022年後半から2023年前半にかけて発売されるフラグシップスマートフォンに搭載される見込み。Snapdragon 7 Gen 1は、コストパフォーマンスに優れるミッドレンジスマートフォンに搭載されます。
消費電力対効果が大きく改善された「Snapdragon 8+ Gen 1」
Snapdragon 8+ Gen 1は、前モデルから処理性能と描画性能が10%高速化しながら、CPUとGPUの電力効率が30%改善。第7世代のAIエンジンもワットあたりの性能が最大20%向上するなど、消費電力対効果が大きく改善されています。
30%の電力効率改善は同じクロック数の比較であるため、最大クロック数を考慮した場合の電力効率は小さくなりますが、Qualcommは実用的な使用パターンにおいても電力使用量が15%削減可能と説明しています。
具体的には、ゲームのプレイ時間が1時間増加、動画ストリーミングは80分の増加、通話時間は5.5時間の増加、5GでWeChatを使ったビデオ通話が20分の増加、ソーシャルメディアの利用が50分増加、音楽再生が17時間増加するとのこと。
チップセットの構成がほぼ変えずに消費電力対効果を改善した理由について、Qualcommは具体的な説明をしていませんが、AnandTechはチップセットの製造をSamsungからTSMC変更したことにあるとレポートしています。
Qualcommによれば、パフォーマンスの持続性も向上しているとのことで、TSMCへの変更は前モデルのSnapdragon 8 Gen 1で問題視されていた発熱にも改善をもたらすかもしれません。
なお、Snapdragon 8+ Gen 1は、2022年第3四半期以降にASUS ROGやBlack Shark、HONOR、iQOO、Lenovo、Motorola、Nubia、OnePlus,、OPPO、OSOM、realme、RedMagic、Redmi、vivo、Xiaomi、ZTEなどが採用する予定です。
ゲーミング体験が向上した「Snapdragon 7 Gen 1」
Qualcommは割安なスマートフォン向けの最新チップセットとしてSnapdragon 7 Gen 1も発表しました。
高額なフラグシップモデルが売れなくなっている日本においては、Snapdragon 8+ Gen 1よりもSnapdragon 7 Gen 1の方が利用する人が多いかもしれません。
前世代のSnapdragon 778Gと比較してグラフィック性能が20%向上し、フレームを補間することで映像をなめらかに表示する新機能「Adreno Frame Motion Engine」などの追加によって、ゲームをより快適にプレイできそうです。
Snapdragon 7シリーズとして初めてTrust Management Engineを追加したことで、車の電子キーや電子運転免許証を提供するAndroid Ready SEをサポート。ワットあたりの性能が最大20%向上した第7世代のAIエンジンも搭載されています。
製造は8+ Gen 1のTSMCに対して、Snapdragon 7 Gen 1はSamsungが手がけます。今四半期中にHonor、OPPO、Xiaomiなどが採用する予定です。
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