ソフトバンク、わずか3か月で10万人純減。理由はホッピング対策、今後は長期利用者を優遇か
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

ソフトバンクがわずか3ヶ月で10万人ものスマートフォンユーザーを失いました。
宮川社長はこの結果について「我が社始まって以来の歴史」「お見せするのは恥ずかしい限り」と率直に語りつつも、偶然の失速ではなく、自分たちが選んだ方針転換の結果と説明。今後は純増数を追いかけるのではなく、長期利用者の利益を重視する考えを示しました。
純増数を追いかける顧客獲得は終了
物価高が続くなか、宮川氏はahamoなどの値下げに対して「スマホの料金だけは値下げされている」と苦言を呈する一方、値上げの必要性を繰り返し口にしてきました。ただ実際には、ドコモやKDDIの動きを横目に、料金は据え置いています。
これまでソフトバンクは、ワイモバイルを中心に契約数を積み上げることで規模を伸ばしてきました。その結果、1契約あたりの売上(ARPU)が下がるため、契約量で補って成長するモデルを続けてきたといいます。
しかし、積極的な獲得策を進めるほど、特典目的で短期解約と契約を繰り返す「ホッピングユーザー」が増加。こうした状態はサステナブルな経営ではないとして、2025年9月から構造改革に踏み切ったと説明しました。
具体的には、短期間に大量の回線を申し込むケースを断ったり、ホッピングの可能性が高い利用者は入り口段階でブロックしたりしているとのこと。こうした自ら獲得を絞った結果が、10万人の純減として表れた形です。
宮川氏は、この10万人純減を「ソフトバンク最大」としつつも「予想どおり」と説明。今後もしばらくは同規模の純減が続く見通しで、「6か月くらい経過すると解約率に効いてくる」と述べました。
狙いは、短期解約ユーザーの流入を抑えながら解約率を下げ、増収増益を続けられる事業構造へ転換することにあります。


いよいよ、料金値上げか
料金値上げについて問われると、宮川氏は「値上げしないとは実は申し上げておりません」と回答。人件費と外注費の高騰を踏まえ、「どこかでやっぱり値上げせざるを得ないだろう」と、再び値上げを示唆しました。
これまでは純増優先だったため、値上げには踏み切りにくかったのかもしれません。ただ、今回の方針転換によって、値上げに舵を切りやすい空気が出てきた印象です。

もちろん値上げは解約の引き金になり得ます。そこで宮川氏は「当社のサービスを長期的に利用していただくユーザーに注力する」と強調し、さらに個人的な考えと前置きしつつ「長期割というものがユーザー目線からするとプラスじゃないか」としました。
長期割は、楽天モバイル参入に合わせて総務省が規制した経緯がありますが、宮川氏は当時を「事業者目線、政治目線オンリーだった」と振り返ります。また、ユーザー目線に立ち返ると、長く使って恩恵を受けるというサービスというのは他の業界ではいくらでもあると話します。
この発言からは、基本料金を引き上げつつ、その上げ幅を長期利用者向けの割引で相殺する、といった設計も視野にあるように見えます。宮川氏は、今後さまざまに検討し、結論を出していきたいとしています。
スマホ割引のホッパー対策はウェルカム
なお、ホッピング対策とも関係して、総務省の有識者会議で見直しが議論されているスマートフォンの割引についても質問が出ました。
長期利用者の割引を厚くし、短期利用者の割引を薄くする案について問われると、宮川氏は、ARPUの高い長期利用者には相応のコストをかけて還元し、ARPUの低い利用者には比率に応じた獲得コストで投入する、そうしたバランスの議論はあり得るとして、「ウェルカム」と表現しています。




















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