日本時間6月23日、Appleが開発者向けのビッグイベント「WWDC 2020」の”スペシャルイベント基調講演”を開催し、今年秋に正式配信を予定しているApple Watch向けのソフトウェア「watchOS 7」を先行発表しました。
「watchOS 7」では、待望の睡眠トラッキング機能や新しい文字盤、ダンスなど新しいワークアウト、新型コロナウイルス対策の手洗い機能などが追加される予定です。
この記事では「watchOS 7」の新機能と変更点をまとめています。開発と利用が進むに連れて随時追加・変更します。
目次
watchOS 7の対応機種
watchOS 7の対応機種は以下のとおりです。iOS 14以降がインストールされたiPhone 6以降のデバイスとペアリングする必要があります。
- Apple Watch Series 3
- Apple Watch Series 4
- Apple Watch Series 5
睡眠
「watchOS 7」最大のアップデートは睡眠です。ついにApple Watchを手首に付けたまま寝ることで睡眠状況を記録することが可能になります。
Apple Watchに搭載された加速度センサーによって睡眠中の呼吸を検出していつ眠っているのかを記録。起床時には、起きている時間や眠っている時間を含めた前の晩の睡眠記録、毎週の睡眠の傾向をグラフでチェックできます。
快適な睡眠が得られるようなツールも提供されます。
Apple Watchで記録した睡眠状況をもとに、自ら設定したベッドに入る時間や起きる時間、睡眠時間といった目標を達成するために役立つルーティン作成ツールが利用できます。米国睡眠医学会によれば就寝前のルーティンは身体が眠る準備を整えるのに有効とのこと。
事前に設定した時間になるとApple Watchが睡眠モードになります。画面が自動的に暗くなり、通知をミュートする「おやすみモード」がオンに。起床時は優しいサウンドや隣の人を起こさないバイブレーションアラートで起きることが可能です。
睡眠時間にApple Watchを充電できないためバッテリーが心配ですが、就寝前にバッテリー残量が30%を切っている場合は充電するよう通知し、起床時にはシンプルなわかりやすい画面でバッテリー残量をお知らせします。
自動手洗い検出
新型コロナウイルス感染症の防止に有効な手洗い。watchOS 7では手洗いをサポートする新機能が追加されます。
Apple Watchがモーションセンサーやマイク、オンデバイスの機械学習によって手を洗う動作と音を検出。手洗いを検出すると20秒のカウントダウンが開始され、タイマーがゼロになる前に手洗いをやめると続けるように促します。さらに、ユーザーが帰宅した時に手を洗うよう通知する機能も用意されるとのこと。
iPhoneのヘルスケアアプリには手洗いの頻度と時間が記録され、手洗いの重要性も表示されます。なお、手洗いの検出時の音は録音および保存されません。
新しい文字盤と共有
新しい文字盤も用意されます。
文字盤で確認できる情報やアプリのショートカットを追加できるコンプリケーションは、これまで1つのアプリに対して1つに制限されていましたが、watchOS 7では複数のコンプリケーションを配置できるようになります。
これにより育児アプリ「Glow Baby」による授乳時間やおむつの交換時間を確認できるコンプリケーションを1つの文字盤に複数配置して育児に特化した文字盤の作成が可能。サーフィンアプリ「Dawn Patrol」やランニング記録アプリ「Niki Run Club」を利用することで最適な文字盤を作ることができます。
カスタマイズまたはパーソナライズした文字盤はメッセージやメール、SNSでシェアしたり、App Storeやウェブサイトから自分のApple Watchに追加することも可能になります。
新しいワークアウト
コアトレーニング、ダンス、機能的筋力トレーニング、クールダウンといった4種類の新しいワークアウトが追加されます。
消費カロリーの測定が難しいダンスでは、心拍数センサーと加速度センサー、ジャイロスコープから得られる情報を統合。独自の方法でダンス特有の動作を検出して消費カロリーを正確に把握します。
ダンスはエクササイズで人気の高いボリウッドダンス、カーディオダンス、ヒップホップダンス、ラテンダンスの4種類に対応。
なお、ワークアウトで測定した詳細なデータを確認できるアクティビティアプリには新デザインが導入され、アプリの名称もフィットネスに変更されます。
聴覚保護
watchOS 6では騒音を測定するノイズアプリが追加されました。watchOS 7では耳の健康を保つために、ヘッドフォンによる音声通知機能が追加されます。
iPhone、iPod touch、Apple Watchで利用しているヘッドフォンからの出力音量を認識して将来的に聴力に影響を与えるかどうかを理解して、聴取時間の1週間の合計が安全レベルを超えると通知が届きます。
安全レベルは世界保健機関が推奨しているもので、例えば80デシベルまでの音量であれば週に40時間聴いても聴力に影響は生じないとのこと。
iPhoneのヘルスケアアプリでは、どれぐらいの音量をどの程度の時間聴いたのかを確認したり、ヘッドフォンの最大音量を管理することも可能です。
手首で自転車の経路案内
iOS 14で追加された自転車の経路案内がApple Watchでも利用できます。
手首の上で自転車の経路案内は大きく見やすいように表示され、自転車を降りて歩く必要があるときや時間節約のために階段を使ったほうが良い時などを教えてくれるだけでなく、急な坂道を避ける経路や目的地までの最短時間、最短距離での経路を選ぶこともできます。
ただし、現時点では日本で利用できないことが案内されています。
Siriの強化
強化されたSiriによってApple Watchに話しかけるだけで音声翻訳機能が利用可能になります。対応する言語は日本語を含む10言語です。
音声入力はニューラルエンジンによってオンデバイスで安全かつ高速に処理されます。このほかにもSiriによる留守電メッセージの読み上げ機能に対応します。
新しいネイティブコンプリケーション
新しいネイティブコンプリケーションとしてカメラのリモコン、睡眠、ショートカット、月、世界時計が追加されます。
iPhoneで作成したショートカットをApple Watchから実行できるため、Nature Remoなどのスマートリモコンと組み合わせてエアコンやテレビなどの家電操作を手首から素早く実行できるようになります。
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