ベータ版iOS 26.3に「通知転送」が登場。他社製スマートウォッチの画像付き通知に期待
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

Appleは12月16日、開発者向けにiOS 26.3 ベータの配信を開始しました。
このアップデートにより、サードパーティ製デバイスへの「通知転送」機能の追加が確認されています。
これは、iPhoneで受信した通知をApple Watch以外のスマートウォッチやアクセサリに転送するための機能です。これまでもBluetooth経由での通知受信は可能でしたが、OSの標準機能として、より公式に近い形で提供されることになります。
Apple Watchとの同時受信は不可
通知転送はiPhoneの設定画面の「通知」>「通知転送」から利用できます。
機能説明によると、通知を転送できるアクセサリは1度に1台のみ。さらに、この機能をオンにしている間は、Apple Watchでは通知を受信できなくなります。
その日の気分によってスマートウォッチを使い分けするような場合は、設定を都度オン/オフする必要がありますが、セキュリティやプライバシーのリスクを考慮すると、このような制限は必要です。
通知の内容については、アプリ名と通知に含まれるすべてのコンテンツが含まれると説明されています。また、ユーザはすべての通知を受信するか、特定のアプリのみに限定するか選択することも可能です。
通知の転送によって、iPhoneでもApple Watch以外のスマートウォッチを使いやすくなりますが、懸念されるのはプライバシーとセキュリティです。
Appleは、サードパーティ製のデバイスでiPhoneの通知を受信することについて、Appleでさえアクセスできないデータを他社に開示することになると説明しています。
ユーザーの通知の完全な内容:このデータには、ユーザーのメッセージ、Eメール、医療関連のアラート、その他ユーザーが受け取るすべての通知の内容が含まれます。これにより、現在Appleでもアクセスできないデータが他社に公開されることになります。
- 引用元
- Apple
背景にEUとDMAの存在
この機能解放は、Appleが自発的に行うものではなく、EUのデジタル市場法(DMA)への対応という側面が強いと言えます。
DMAでは、サードパーティ製のデバイス・アプリ・製品が、Apple製品と同等の条件でiPhoneと連携・相互運用できることを義務付けているからです。
従来との違いは?
これまで、GarminやFitbitなどのサードパーティ製ウェアラブルデバイスは、ANCS (Apple Notification Center Service)という仕組みを利用して、iPhoneの通知をBluetooth経由で読み取っていました。
しかし、通知の内容はApple Watchに比べて簡易的で、テキスト表示が中心。画像の表示や返信操作には制限がありました。
今回発見された通知転送について、9to5MacはAccessoryNotificationsという新しいオープンなフレームワークで構築されると伝えています。これにより、接続の安定性が向上や、これまでよりもリッチな通知体験が可能になることが期待されます。
ただし、iOS 26.3ベータの時点では、あくまで転送機能に留まっています。Appleの説明通り「すべてのコンテンツ」が含まれるのであれば、サムネイル画像の表示なども期待できます。
DMAにおいても、将来的に画像付きプッシュ通知や通知への返信といった機能強化が目標として掲げられていますが、実際にどこまで実現されるか、各メーカーがどう対応してくるかは今後明らかになるでしょう。




















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