他人にバレやすいカンタンなパスワードの使用、複数サイトでのパスワードの使いまわしによって、TwitterやInstagramへの不正アクセスやアカウントが乗っ取られる被害が増加しています。
警察庁等の調べによると原因として最も多いのは「パスワードの設定・管理の甘さにつけこんだもの」で、複雑なパスワードの使用や使いまわしをやめることで防ぐことができるはず。
ただ、「複雑なパスワードは覚えられない」「パスワードを忘れたらどうしよう」「パスワードの管理がめんどくさい」と感じる人が多いかもしれません。そういったパスワードの面倒を解消してくれるのがパスワード管理アプリです。
パスワード管理アプリで最も安全で高い人気を誇るのが今回使い方や設定方法を紹介する「1Password」です。
目次
「1Password」とは?
「1Password」は、数えきれないほどあるアプリやサービスのログインIDやパスワードといったアカウント情報を安全に保管し、「マスターパスワード」と呼ばれるたった1つのパスワードでアクセスできるパスワード管理アプリです。
英数字や記号を組み合わせた複雑で長い桁数のパスワードをカンタンに作ることも可能。パスワードだけでなく入力が面倒なクレジットカードの情報やWi-Fiのパスワードなどを安全に管理できます。
サイトごとにパスワードを変えると覚えるのがめんどくさいため、ついついカンタンなパスワードを使い回してしまいがちですが、1Passwordを利用すればすべて解消できます。
「1Password」は、Windows/Mac/iPhone/iPad/Androidなど幅広いデバイスに対応しています。それぞれのデバイス間でパスワードを同期することも可能。PCで保存したパスワードをスマートフォンで利用することも簡単です。
パスワード管理アプリは多数存在しています。ただし、安全なものはそれほど多くありません。人気の高い「LastPass」は2011年にクロスサイトスクリプティングによる脆弱性の報告、2015年にはハッキング被害による情報漏えいが発生しています。「1Password」では、そういったセキュリティ事故は報じられていません。最も安心して利用できるパスワード管理アプリです。
1Passwordの料金。おトクに安く購入するには?
1Passwordはサブスクリプション型のアプリです。
以前は買い切り型のライセンス版も販売されていましたが2021年7月現在で販売終了と案内されています。
「パスワードのためにお金払うの?」と思われる人もいるかもしれませんが、アカウントを乗っ取られた時の手間や不正利用された時の被害、パスワード入力の手間を大幅に省略できるので高くはないでしょう。
料金プランは個人/ファミリー/ビジネス/エンタープライズの4種類が用意されていてウェブ・App Store・Google Playから加入できます。
注意が必要なのは公式サイトで案内されている料金は年額プランの料金を月額換算にしたもの。さらに税別なので10%が上乗せされます。
例えば、個人プランは月額換算2.99ドルと案内されていますが実際は月額換算3.29ドル/日本円に直すと363円。支払い方法別の料金を以下にまとめました。
当然ながら月額よりも年額の方がおトクに利用できます。さらにウェブから加入するよりもApp StoreやGoogle Playといったアプリ内課金で加入する方が安く抑えられます。なお、ウェブとGoogle Playは14日間の無料試用期間付きですが、App Storeの場合は無料試用期間はありません。
支払い方法 | 個人 | ファミリー | |
---|---|---|---|
月額 | ウェブ版 | 4.39ドル (484円) | 7.69ドル (848円) |
App Store | 450円 | 780円 | |
Google Play | 430円 | 780円 | |
年額 | ウェブ版 | 39.48ドル (4,536円) | 65.88ドル (7,268円) |
App Store | 3,900円 | 6,600円 | |
Google Play | 4,050円 | 6,700円 |
1番おトクな支払い方法は?
さらにおトクに利用したい場合はソースネクストが独占販売している3年版がおすすめ。App Storeの料金と比べると、個人プランは700円以上安く、ファミリープランも約1,300円安く購入できます。
App Storeから加入すると最初の6ヶ月間は個人プランが月額450円から月額200円に、家族プランは月額780円から月額360円に値下げされるので、iPhone/iPad/Macを利用している場合はアプリ内課金で月額プランを6ヶ月間契約した後、ソースネクストで3年版を購入するのが最もおトクです。
1Passwordの解約後はどうなる?
ウェブで1Passwordのアカウントを作成したり、Google Playストア課金すると14日間の無料試用期間が付いていきます。App Storeの場合は6ヶ月間の割引のみで無料試用期間はありません。
とりあえず1Passwordがどういったものか試したい場合はウェブでアカウントを作成するのがおすすめ。長く1Passwordを使っていくことが決まっているAppleユーザーの場合はApp Storeを利用するのがおすすめです。
なお、試用期間やサブスクリプションを解約するアカウントが凍結状態になりますが、凍結後も1Passwordに登録した全アイテムの表示やパスワードのコピー、アカウント外の保管庫へのアイテムのコピーは可能です。
一部機能を除けば無料・無課金の状態でも使い続けることができますが、新しいアイテム(ログイン情報など)の追加やアイテムの編集、ファミリーやチームに人を招待する、ブラウザでのアイテムの入力はできません。
1Passwordの初期設定
1Passwordを利用する流れはウェブで1Password.comのアカウントを作成したあと、各アプリにログインするといった流れです。
ただし、iPhoneまたはiPadのSafariから1Passwordにアクセスすると、1Passwordのアプリに飛ばされてアカウントを作れません。App StoreからGoogle ChromeをダウンロードしてPCモードにしたあとで1Passwordのアカウントを作成してください。
アカウントを作成する
- STEP 2
アカウントを作成する
- STEP 3
認証コードを入力
- STEP 4
マスターパスワードを入力
- STEP 5
カードの追加
- STEP 6
Emergency Kitを保存する
- STEP 7
メンバーを招待する
- STEP 8
アカウントの作成完了
iPhoneアプリにログインする
- STEP 2
“Emergency Kit”を用意する
- STEP 3
ログイン情報を入力する
- STEP 4
保管庫が表示されたら完了
Androidアプリにログインする
- STEP 2
“Emergency Kit”を用意する
- STEP 3
ログイン情報を入力する
- STEP 4
保管庫が表示されたら完了
PCアプリにログインする
- STEP 2
“Emergency Kit”を用意する
- STEP 3
ログイン情報を入力する
- STEP 4
保管庫が表示されたら完了
ブラウザ版にログインする
- STEP 2
“Emergency Kit”を用意する
- STEP 3
ログイン情報を入力する
- STEP 4
保管庫が表示されたら完了
1Passwordを無料で使い続ける方法
パスワードなど大切なアカウント情報を保存するための保管庫には、通常の保管庫とスタンドアロン保管庫の2種類が存在しています。
スタンドアロン保管庫は名前のとおり独立した保管庫で1Passwordのアカウントと切り離されているため、PCとスマートフォンといった他のデバイス間で保管庫を同期するにはDropboxやiCloudといった他のサービスを使用する必要があります。
当然ながらAndroidでAppleのクラウドサービスiCloudは使えないのでDropboxを選ぶのがおすすめ。なお、Dropboxには3台までの利用制限があるため、それ以上のデバイスで保管庫を共有する場合は1Password.comまたはDropboxに課金する必要があります。
もう1つ注意が必要なのはスタンドアロン保管庫が1Password 7を持ってサポートを終了するということ。近いうちに1Passwordを無料で使い続けることは不可能になりそうです。
1Passwordを無料で使い続けるための手順は以下のとおりです。上で紹介している1Passwordの初期設定と、DropboxアプリのダウンロードをiPhoneならApp Store、AndroidならGoogle Playストアで済ませておいてください。
スタンドアロン保管庫を作成する
- STEP 1
1Passwordを起動する
1Passwordアプリを起動して設定から「保管庫」に進みます。
- STEP 2
スタンドアロン保管庫を有効にする
- STEP 3
Dropboxと同期する
- STEP 4
Dropboxにログインする
- STEP 5
Dropboxのアカウントを作成(1)
- STEP 6
Dropboxのアカウントを作成(2)
- STEP 7
Dropboxのアカウントを作成(3)
- STEP 8
Dropboxのチュートリアルをすすめる
- STEP 9
アクセス権を許可する
- STEP 10
スタンドアロン保管庫の作成完了
スタンドアロン保管庫をデフォルトに変更する
スタンドアロン保管庫を作成したら常に利用するデフォルトに設定しましょう。
- STEP 1
1Passwordを起動する
1Passwordアプリを起動して設定から「保管庫」に進みます。
- STEP 2
“常に開く”の全ての保管庫に進む
- STEP 3
スタンドアロン保管庫を選択する
- STEP 4
デフォルト設定を確認する
スタンドアロン保管庫のみ使用する
スタンドアロン保管庫のみを使用する場合、他の保管庫をオフにしておくのがおすすめです。
- STEP 1
1Passwordを起動する
1Passwordアプリを起動して設定から「保管庫」に進みます。
- STEP 2
全ての保管庫に進む
- STEP 3
スタンドアロン保管庫のみオンにする
1Passwordの使い方
複雑なパスワードでアカウントを作る
- STEP 1
鍵のアイコンをタップ
アカウント作成画面でメールアドレス/パスワードをタップ後、キーボード上に表示される鍵のアイコンをタップします。
- STEP 2
1Passwordを選択
- STEP 3
ログインを作成する
- STEP 4
ユーザー名/メールアドレスを入力
- STEP 5
複雑なパスワードを作る
- STEP 6
アカウントを作成する
ログイン情報を自動入力する
- STEP 1
ログイン情報の自動入力
ログイン画面でメールアドレス/パスワードをタップ後、キーボード上に表示される鍵のアイコンをタップします。
- STEP 2
1Passwordを選択
- STEP 3
ログイン情報を選択
- STEP 4
パスワード等が自動入力される
住所を保存する
- STEP 1
アカウント作成時に便利な住所の自動入力
アカウント作成時に住所をが必要になることもあるので1Passwordで管理しておくと便利です。
- STEP 2
1Passwordを起動
- STEP 3
個人情報アイテムを編集
- STEP 4
住所を入力
住所を自動入力する
- STEP 1
共有アイコンをタップ
登録した住所を自動で入力する場合は画面下部の共有アイコンをタップします。
- STEP 2
1Passwordを選択
- STEP 3
登録した住所をタップ
銀行口座を保存する
- STEP 1
銀行口座を追加する
1Passwordを起動して画面右上の「+」をタップします。
- STEP 2
カテゴリで銀行口座を選択
- STEP 3
銀行口座の情報を入力する
クレジットカードを保存する
- STEP 1
クレジットカードを追加する
1Passwordを起動して画面右上の「+」をタップします。
- STEP 2
カテゴリでクレジットカードを選択
- STEP 3
クレジットカードの情報を入力する