米商務省がスマホ出荷世界2位のファーウェイとその関連会社に対して、米企業が手がける部品やソフトウェア、技術の輸出を事実上禁止する措置を発表した。
当初、ファーウェイがスマートフォンやタブレットに必要な部品を自社で開発および製造していることから、ハードウェアの製造に大きな問題はないと見られていたが、やはり事は単純ではなかった。
Googleと同じように英・ARMもファーウェイとの取引を停止する方針のようだ。
Androidに続き、チップセットにも影響
BBCによると、ARMは米政府の禁輸措置に対応するために、ファーウェイとのアクティブおよび保留となっている契約やサポートなどの停止を指示したという。
ARMはイギリスの企業だが、米発の技術が多く含まれていることから禁輸措置の影響を受けると見られている。
ソフトバンクが2016年に買収したARMは、スマートフォンやタブレットなどで利用されるチップセットの設計・開発を行う企業だ。チップセット自体は製造せず、知的財産として提供して各社からライセンス料を得る。ARMはチップセットのレシピ担当とも言える。
ファーウェイ製のスマートフォンやタブレットに搭載されている「Kirin」もARMベースのチップセットだ。製造はHiSiliconが行なっているが、HiSiliconもファーウェイと同様に禁輸措置の対象に入っている。
ARMが米政府の方針に従えば、HiSiliconはARMベースのKirinチップを製造できなくなる。ファーウェイは事態を想定して在庫を抱えているようだが無限ではない。在庫がなくなればスマートフォンやタブレットはもちろん5Gの基地局など、Kirinチップを搭載するさまざまなデバイスの製造が不可能になる。
Googleの取引停止はAndroidに関連する部分で、OSのバージョンアップデートや新製品への搭載が困難になることから大打撃と表現したが、さらなるARMの取引停止は致命傷と言えるだろう。
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