ドコモ、「体感の通信品質は着実に向上している」SNSでは不満の声が4割減少
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
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コロナ禍が明けた2023年ごろから「つながらない」「遅い」といった通信に対する不満の声が目立つようになったドコモ。
昨年6月に新社長に就任した前田氏は、就任会見で2025年3月末までに通信品質でナンバーワンを獲得することを目標に掲げました。
通信品質ナンバーワンとは、Opensignal社の調査において一貫した品質部門で1位を獲得することを意味します。しかし、2025年4月に発表された調査結果ではauが1位となり、目標の達成には至りませんでした。
それでも前田氏は「(目標を)なかったことにするつもりはまったくない。実現に向けてしっかりと努力を続けてまいりたい」と前向きな姿勢を示し、今後の対策を明らかにしています。
全国の5G基地局数が20%増加、イベントでもつながりやすく
通信品質を最重要課題と位置付けて取り組んだ結果、全国の5G基地局数は20%増加。さらに、人が集中して通信が混雑しやすいイベントへの臨時対策も約2倍に強化したとのこと。
その結果、最繁時間帯における平均の受信速度は、全国主要都市の中心部で平均約20%、主要鉄道動線で平均30%向上。なかでも東京・大手町では約60%、山手線周辺では約80%も改善しているとのこと。
前田氏は「体感品質は着実に向上している」と述べ、SNS上での不満の声も約40%減少したとしています。

さらなる通信品質の強化に向けて
筆者の実感としては、5Gの電波が弱い場所では、通信品質が著しく低下するケースも多く見られますが、ドコモは場所・時間を問わず快適な通信品質の提供を目指し、さらなる対策を進めると説明します。
25年3月時点(24年3月比) | 26年3月時点(24年3月比) | |
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全国5G基地局数(Sub6+4G転用周波数) | +20% | +40%以上 |
全国主要鉄道動線の5G基地局数 | +40% | +70%以上 |
全国主要都市中心部の5G基地局数 | +70% | +120%以上 |
対策イベント数 | +70% | +100%以上 |
具体的には、5G基地局の設置数や対策イベントの実施数をさらに拡充。加えて、混雑エリアの通信品質を向上できるMMU(Massive MIMO Unit)についても、新たにマルチバンドや4.5GHzに対応するなど導入を拡大予定。
さらに、基地局の最新型への置き換えや新設によって、通信品質の向上と改善速度の向上・自動化を図るほか、基地局から離れた場所でも安定した上り通信が可能になるHPUE(High Power User Equipment)へのスマホ対応も進められます。
HPUE対応スマホは、2025年度上期に発売予定の一部端末から提供される予定です。
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