SIMカードの製造を手がけるオランダ企業ジェムアルトは、米英当局が同社への不正侵入を試み、携帯電話の通信内容および通話内容を監視、盗聴できた状態にあったとの報道を受けて、記者会見の案内をするとともに初期報告を発表しました。
米英当局による携帯電話の盗聴および監視問題とは?日本にも影響
米英当局によるジェムアルトへの不正侵入問題は米メディアのInterceptによって伝えられたもの。報道によれば、2010年と2011年に英政府通信本部(GCHQ)と米国家安全保障局(NSA)がジェムアルトのネットワークに侵入し、SIMカードの暗号化キーを盗み出したとのこと。
AMERICAN AND BRITISH spies hacked into the internal computer network of the largest manufacturer of SIM cards in the world, stealing encryption keys used to protect the privacy of cellphone communications across the globe, according to top-secret documents provided to The Intercept by National Security Agency whistleblower Edward Snowden.
引用元:The Great SIM Heist: How Spies Stole the Keys to the Encryption Castle
Interceptの報道の情報源は、複数の機関が通信の盗聴・傍受をしたと暴露した元CIA職員のエドワード・スノーデン容疑者から入手した資料によるものとされています。
SIMカードの暗号化キーを盗み出した目的は、全世界で使用されている携帯電話やスマートフォン、タブレットなどのデータ通信および音声通話の内容を盗聴、監視であると伝えられています。
ジェムアルトは全世界の通信事業者約450社と取引があり、年間のSIMカード出荷台数は20億枚にものぼることから、影響の度合いもとてつもなく、日本でもNTTドコモやauが同社のSIMカードを採用していることから大きな影響がありそうです。
ジェムアルト「当社が製造するSIMカードは安全である」とコメント
Interceptの報道に対して、ジェムアルトは「調査は初期段階であり、報道の内容を裏付けすることはできない」「必要なリソースを全て投じて徹底的に調査し、影響範囲の把握に努める」とコメントしていました。
その後、ジェムアルトは「当社が製造するSIMカードは安全である」との初期報告を発表。更なる詳細については現地時間2月25日(日本時間2月25日の18時30分)にパリで記者会見を開催し、その場で発表されることになりそうです。
Initial conclusions already indicate that Gemalto SIM products (as well as banking cards, passports and other products and platforms) are secure and the Company doesn’t expect to endure a significant financial prejudice.
引用元:Pages – Update on the SIM card encryption keys matter
今、明らかになっている情報だけでは「安全だ」とのコメントが発表されても疑いの目しか持てません。安全と判断する根拠や事の真偽、今現在は一体どうなのか、記者会見の内容を待ちたいと思います。
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