昨年発売されたiPhone 12シリーズは、フラットエッジ/ディスプレイの新デザインを採用し、超高速通信の5Gにも対応するなど大規模なアップデートになったが、今年秋の発売が予想される新型iPhone(仮称:iPhone 13)は小規模なマイナーアップデートになると予想されている。
それでもマスクを付けている時でも画面ロックをスムーズに解除できるディスプレイ指紋認証やLightning廃止など注目のアップデートが用意されているようだ。
指紋認証と顔認証を両搭載か
Bloombergによると、今年発売される新型iPhoneは“S”バージョンに該当するマイナーアップデートになるとのこと。Sバージョンとは、前年に発売されたモデルをベースに最新のプロセッサ等を搭載したモデルでiPhone XSを最後に“S”バージョンは廃止されている。
それでもAppleはiPhone 13シリーズの重要なアップグレードの1つとしてディスプレイ指紋認証のテスト・開発を行っているという。
1年前まで顔認証「Face ID」は高く評価されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大でマスクが必需品になると評価が急落。Appleはソフトウェアアップデートを行い、マスクを認識するとパスコードを即入力できるように改善したが、それでも1日のなかで何度も最大8桁のパスコードを入力することはストレスが溜まる。
一方、Androidでは顔認証と指紋認証を同時に搭載するスマートフォンが増加。マスクを外して良い自宅などでは顔認証を、マスクを外せない外出先では指紋認証で画面ロックを解除するなど使い分けが可能だ。
iPhone 13に搭載される指紋認証は、画面下に指紋認証センサーを配置することで画面に触れるだけで画面ロックを解除できるディスプレイ指紋認証とのこと。
iPad Air4のように電源ボタンにTouch IDを内蔵して欲しいとの声も多いが、iPhoneは電源ボタンが右側にあるため左手で操作する場合はセンサーに正しく指を乗せることが難しく精度が落ちる。自分も左手でスマートフォンを操作するため、電源ボタン内蔵よりもディスプレイ内蔵型の方が嬉しい。
ディスプレイ指紋認証も良いところばかりではなく、認証エリアが目に見えないためミスが多く、スピードが遅いというデメリットもあるが、Qualcommが今年発表した第2世代の3D Sonic Sensorは認証エリアが77%も拡大。認証スピードも50%高速化するなど進化している。
なお、iPhone 13では指紋認証に加えて顔認証「Face ID」も利用できるとの噂がある。
ワイヤレス充電に一本化?
大きな影響を与えそうなアップデートとしてLightningの廃止も検討されているそうだ。USB-Cに変わるわけではなく充電端子そのものが廃止されてワイヤレス充電に一本化されることが検討されているという。
AppleはiPhoneのパッケージから充電器の同梱を廃止し、マグネットを活用したワイヤレス充電規格MagSafe for iPhoneをリリースするなど徐々に有線充電からフェードアウトしているのかもしれない。
MagSafeによってワイヤレス充電の出力自体は最大2倍になったものの、発熱が酷くて出力が落ちることも多く充電スピードが2倍になったわけではない。不具合も多く、今のままLightning端子を廃止すれば大ブーイングを喰らいそうだ。
そこでAppleは熱を拡散させるベーパーチャンバーによる冷却装置を開発しているとも報じられているが、テスト次第で来年以降に持ち越しされる可能性も高い。
このほかにもiPhone 13シリーズ以外にも紛失防止タグ「AirTag」やミニLEDディスプレイと高速なプロセッサを搭載した新型iPad Pro、iPad Air3の薄型ベゼルを採用し、軽量化・薄型化された新型iPadの年内発売も計画されているという。