iPhone 17 ProはSIMカード継続、17 AirはeSIMオンリー?移行はまだ時期尚早か
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。
Appleは2022年に発売した米国版のiPhone 14シリーズでSIMカードトレイを廃止し、eSIMオンリーにしました。
米国以外ではSIMカードトレイが残ったままですが、iPhone 17シリーズでは、eSIMオンリーが拡大すると報じられています。著名なMing-Chi Kuoも安価で大型のPlusモデルとの入れ替わりで登場するiPhone 17 Airが、超薄型化を理由にeSIMオンリーになると予想しています。
一方で、Majin Buが共有したiPhone 17 ProのモックではSIMカードトレイが確認されており、今年も物理SIMが残される可能性があります。
eSIMオンリーへの移行は時期尚早?
Majin Buの情報は信憑性にばらつきがあるため、噂の真偽は置いといてAppleがSIMカードトレイを残す判断は賢明だと思います。
というのも、eSIMはすべてのユーザーに必要とされているわけではありません。Appleは「盗難時に物理的に抜き取られない」といったセキュリティ面を強調していますが、安全性が高くても利便性が犠牲になる場面があります。
筆者自身も楽天モバイルでeSIMの再発行ができず、再発行に必要なワンタイムパスワードが届かないまま手続きが止まっている状況です。別のルートでフォームから申し込んだものの、途中段階でストップして数日が経過しています。
もしこれがメイン回線で、災害に通信できなかったと思うとゾッとします。eSIMは少し手順を誤ると通信できなくなってしまう脆さがあり、ピンで挿して入れ替えるだけのSIMカードと違ってやはり扱いづらいと感じます。
eSIMオンリーへの切り替えはやはりリスクが大きいと感じます。
さらに、eSIMオンリーの普及にはキャリアの協力が欠かせません。
eSIMを新しい端末に移行する方法には「転送」「変換」「再発行」がありますが、再発行には本人確認書類の提出が必要で、かなり手間がかかります。
Appleは転送や変換の仕組みを用意していますが、実際にはキャリア側の対応が不可欠で、日本のキャリアも時間をかけて機能を整えてきました。
ソフトバンク | au | 楽天モバイル | ドコモ | |
---|---|---|---|---|
SIMカード→eSIMへの変換 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
iPhoneからeSIMの転送 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
AndroidからeSIMへの変換と転送 | 非対応 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
上の表にまとめたとおり、eSIMの移行と変換は同じOS間に限定されていて、AndroidからiPhoneへ転送することはできません(再発行が必要)
もし今の状態でAndroidからeSIMオンリーのiPhoneに買い換えると大きな混乱が起きそうです。AppleとGoogleは連携して準備を進めているようですが、来月までに間に合うでしょうか。
さらに、今後はコスト面の問題も出てきそうです。これまで無料だったeSIMの再発行について、ソフトバンクは2025年8月20日からウェブでの事務手数料も有料化すると発表しました。
eSIMの再発行は当面無料(有料化後は3,850円)ですが、いずれ有料化される可能性があります。今のところ他社は追随していませんが、将来的には当たり前のように有料化されている可能性も否定はできません。
Googleが8月21日に発表するGoogle Pixel 10シリーズも米国版のみeSIMオンリーにすると噂されるなど、時代の流れではあるものの、機能とサポート体制が整うまでは時期尚早な気がしますがどうでしょうか。