Appleが最も得意にしていることの1つは小さな変化を大きく見せること。iPhone 15シリーズにもその手法が散りばめられています。
Androidユーザーからは批判的に捉えられることも多い手法ですが、成熟した現代のスマートフォンでは重要なことで他のメーカーにはできていないことです。
まだスマホに大きな変化を求めているのであれば、Galaxy Z Fold|Flip、Pixel Foldなどの折りたたみスマートフォンに買い換えることをオススメします。その勇気がないならiPhone 15 Proは、購入すべき端末のトップ候補だと思います。
目次
USB-C
最もインパクトのある変化はUSB-Cです。
初代iPhoneが登場した2007年から16年もの間、Appleは独自規格の採用を続けてきましたが、EUがAppleを狙い撃ちして、法的に独自端子を取り締まることでLightningが廃止に追い込まれました。EUありがとう。
独自規格の端子から標準規格の端子に切り替わることのメリットは持ち歩くケーブルが1種類になることです。これからはiPhoneでしか使えないケーブルを持ち歩かなくて済みます。
発売から半年以上経った今、Lightningケーブルを持ち歩かなくても済み、ストレスが大幅に減ったことを実感しています。
また、USB-C端子のSDカードリーダーを買えば、家に1枚や2枚は眠っているSDカードに古い写真や動画を突っ込んでおけば、本体とiCloudの空き容量を大幅に増やすことで、1つ下の容量を選んで機種代金を抑えたり、毎月かかるiCloudの料金も抑えることができます。
実際はLightning時代でもできることですが、USB-Cに変わったことでかなり手軽になりました。
USB-Cに変わったメリットはデジタルデバイスのヘビーユーザーであればあるほど大きいと思います。
USB-C化のデメリット
一方でUSB-Cのアクセサリを持っていないライトユーザーにとってはデメリットにもなり得ます。
というのもこれまでに買い揃えたLightningのアクセサリが使えなくなるので、USB-Cのアクセサリに買い換える必要があります。
例えば充電。iPhone 15 全機種のパッケージには、USB-Cケーブルが同梱されているものの、充電器は同梱されていないため、使用している充電器やモバイルバッテリーによっては買い替える必要があります。
昔のiPhoneに同梱されていたサイコロ型の充電器はUSB-A端子を採用しているため、iPhone 15 全機種に同梱されているケーブルは使用できません。充電器を買い替えるか、LightningをUSB-Cに変換するアダプタが必要になります。
また、サイコロ型の充電器は出力が低く、充電に時間がかかるため、USB-C端子を搭載した充電器に買い換えることをオススメします。20W出力に対応した充電器であれば約30分で50%まで充電できます。おすすめの充電器とUSB-Cケーブルはこちらの記事にまとめておきました。
USB-CのiPhoneとLightningのiPhone / Androidを繋ぐとどうなる?
USB-CケーブルでiPhoneとAirPodsやApple Watchを繋げば、iPhone 15のバッテリーをシェアして充電することもできます。上記の写真はSatechiの充電器を使用してiPhoneでApple Watchを充電している様子です。
Apple Watchのマグネット充電器はケーブルが絡んだり、かさばりやすいため、ケーブルなしのブロック型充電器は持ち運びに便利。収納がめんどくさいケーブルはできるだけ減らしておくと良いです。
実験的にUSB-C – Lightningケーブルを使ってiPhone 15 ProとiPhone 14 Proを繋いだところ、iPhone 15 Proがモバイルバッテリーがわりになって、電池残量が100%であってもLightning端子を搭載するiPhone 14 Proが充電されました。
iPhoneとAndroidスマホを繋いだときは、iPhoneのロック状態で動作が変わったり、同じ条件でも端子を抜き差しするだけでも動作が変わったり、とにかく動作がバラバラで一貫性がなかったです。
ちなみに、iPhoneのUSB-Cの出力はたったの4.5Wなのでスマホを充電するには向いていませんが、緊急時の備えとしてモバイルバッテリー代わりになることを覚えておくと良さそうです。
画面出力もカンタン。Macへ高速転送も
iPhoneで撮影した写真や動画を外部ディスプレイに表示して大画面で共有したい時もUSB-Cケーブル一本あればOKです。
iPhone 15 ProはUSB-C化に合わせて転送速度も高速化し、iPhone 15、iPhone 15 Plusに比べて20倍も高速な10Gbpsで写真や動画をMacやiPadに転送できます。
iPhoneの写真や動画をシェアするときはAirDropを使うことがほとんど。転送速度にも困っていないため、USB-Cによる高速転送のメリットを頻繁に感じることはできません。
それでもMacBookへのiPhoneのバックアップと復元が短い時間で済むのであれば、新しく買ったiPhoneをすぐに使い始められるので便利そうです。
ということで簡易的に実験してみました。まずはiPhone 14 ProをMacBookにバックアップにしたところ46分かかりました。次にThunderbolt 4のケーブルで繋いだiPhone 15 Proにバックアップを復元したところ45分で終了。次にiPhone 15 ProをMacBookにバックアップしたところ38分で完了しました。
つまりバックアップ時間が8分短縮されたことになります。ただし、バックアップをiPhone 15 Proに復元した時に20GBほど使用容量が低下したので、残念ながら転送速度の高速化の影響とは言い切れません。
チタニウム。軽さは正義
筆者にとって最大のアップデートは新素材チタニウムの採用でした。
ステンレススチールを採用するProモデルは、iPhone 13 Pro以降200gを超えるヘビー級の重さです。重いと感じてProを選ぶことを断念した人もいるかもしれませんが、チタニウムを採用したiPhone 15 Proは19gの大幅な軽量化を実現。
一気にProシリーズ史上最軽量になりました。
箱から取り出して手に取った瞬間から「あ、軽い」と明らかな違いを感じることができます。この長文のレビューを書いている今も重さによって手首にかかる負担が明らかに軽減されています。
改善は軽さだけではありません。Appleは今年も持ちやすさを改善しました。
昨年は角の丸みを大きくすることで、深く握れるようにアップデートしたことで片手操作が快適になりました。今年は側面のフレームとディスプレイのエッジ部分をやや丸く変化させたことによって、明らかにフィット感が向上しています。
また、iPhone 14 Proを長時間操作していると、底面で支えている小指にあとが付いて骨に痛みを感じることがよくありましたが、エッジが丸くなったことで痛みが軽減されます。
マット仕上げのチタニウムはiPhone 15で採用されているアルミフレームまではいかないもののサラサラ仕上げです。
これまでのProモデルに採用されていたステンレススチールは、指紋がべっとり付着することからマット仕上げへの変更に歓喜しましたが、残念ながら指紋問題は完全には解消されていません。
ただ、気になるのは手の油だけで油よりも汚いと感じる白い模様は目立たず確かな改善も実感できます。
iPhone 15 Proのカラーはナチュラル、ブルーチタニウム、ホワイトチタニウム、ブラックチタニウムの4色が用意されています。
新色はチタニウムを感じられるナチュラルと深海のような濃いブルーの2色。筆者は毎回新色を選ぶようにしていますが、今回はブラックを選びました。
素材と仕上げが変わったのですべて新色と言っても良いはず。素材と仕上げが変わる「全新色」のタイミングは稀であることから、今年は敢えてオーソドックスなカラーにしました。
なお、ブラックと言ってもAppleはスペースグレイ、スペースブラック、グラファイト、ジェットブラックなど様々なバリエーションを展開していますが、今年は初のブラックチタニウムです。
歴代最高のブラックはiPhone 7シリーズのジェットブラックだと思います。キズのつきやすさは大きな欠点でしたが、色合いだけで言えば真っ黒なブラックは最高でした。
今年のブラックチタニウムは、真っ黒ではなくわずかに明るい黒で陽が当たるとグレーになりますが、かなり気に入っていてジェットブラックと同等にランク付けしたいです。
欠点は他の色に比べて指紋が目立ちやすいこと。できるだけ指紋を感じたくないのであれば、チタニウムやホワイトチタニウムを選ぶと良いでしょう。
また、ナチュラル以外のカラーはPVDコーティングされていて傷や剥がれが起きると、おそらくチタニウムそのものの色が出てきてまだらになります。ケースを使わず長期間利用するのであればナチュラルが最善です。
ナチュラルも前評判は高かったものの、実物を見た筆者としてはブラックチタニウムを選んで正解だったと思います。
極狭ベゼル
前面のデザイン。昨年はダイナミックアイランドによる大きな変化がありましたが、今年はベゼル(ディスプレイの周りを囲う黒いフチ)が薄くなった程度の変化です。
極薄のベゼルによる視覚的な効果にはすぐ慣れます。ただ、ベゼルの狭小化は見た目の改善だけではなく、本体の幅を0.9mm短くすることで持ちやすさを向上させることにも繋がっています。
今年、Pro限定ではなくなったダイナミックアイランドにも軽く触れておきます。
Appleはカメラやセンサーの置き場所を廃止にして、画面すべてを表示領域にしたいはずですが、今の技術ではどうすることもできません。
その妥協として生まれたのがiPhone Xで初めて採用されたノッチですが、見た目が悪いと散々批判されました。
このノッチに機能性を追加したものがダイナミックアイランドです。
例えば、タイマーを開始してアプリから離れても、残り時間が画面上部に表示されるため、時間を確認しながらSafariに表示を切り替えてレシピを見ながら別の作業を進めることが可能。
ほかにもUber Eatsの到着予定時間をお知らせ、スポーツの試合状況もリアルタイムで確認できます。
また、バッテリー残量が20%および10%になった時点で表示される警告画面や、アイコンを変更したアプリの起動時に表示される通知も控えめに表示されます。
特にバッテリー低下を知らせる警告画面が控えめになった効果は大きく、いちいち低電力モードをオンにするか、しないかを選択する必要がなくなったことで、ストレスは大幅に軽減されました。
また、iPhone 15 Proはディスプレイの常時表示機能にも対応しているため、iPhoneに触れなくても視線を送るだけで日付や時間、通知を確認できます。
iOS 17では、充電中に本体を横向きにすると新機能「スタンバイ」に移行。
iPhoneを置き時計やフォトフレームとして利用できますが、常時表示に対応しているProモデルであれば画面が消灯しないため、スタンバイをさらに便利に使えます。
常時表示ディスプレイと、画面がなめらかに表示されるProMotionは今年もPro限定。特に常時表示は一度使い始めると逃れることができないほど便利です。
アクションボタン
USB-Cに次ぐ大きな変化です。15年以上も続いていたマナーモードをオン/オフできるサイレントスイッチが廃止されました。
マナーモードを操作できるボタンはとっくに他のスマホからは消えています。真っ先にイヤホン端子を廃止し、充電器やイヤホンの同梱も廃止にするなど、廃止することに躊躇がないAppleなので、むしろ遅い決断だったかと思います。
ただ、Appleはサイレントスイッチを廃止するだけでなく、マナーモードを含めて好きな機能を簡単にオン/オフするなど、新しいアクションボタンとして再発明しました。
例えば、カメラを割り当てると、アクションボタンの長押しでカメラアプリが起動して、シャッターボタンとして利用することも可能です。事前に撮影モードを指定すれば、動画やポートレートなどよく利用するモードを毎回一発で起動できます。
よく起動するアプリを割り当てることも可能。ロック状態から起動することが多いPayPayなどのコード決済アプリを割り当てておくと便利です。
アクションボタンをカメラ以外に割り当てるとカメラアプリを起動中に単押ししてもシャッターボタンとして機能しないことや2回や3回押しに対応していないのが少し不満。今後のアップデートに期待したところです。
画期的な自動ポートレート対応のカメラ
iPhone 15とiPhone 15 Plusには48MPセンサー、iPhone 15 Pro Maxには真の光学5倍ズームが搭載されるビッグなハードウェアアップデートがありました。
iPhone 15 Proにもハードウェアアップデートはありますが、大きな効果をもたらすソフトウェアアップデートを先に取り上げましょう。
今年最も嬉しい進化は人気の高いポートレートモードにあります。
ポートレートモードの問題は、ついつい切り替えるのを忘れてしまうことと、そもそも写真を撮る時に撮影モードを切り替えている時間や余裕がないことです。
iPhoneだけでなく他のスマートフォンにも存在している問題ですが、Appleがスマートな方法で解決しました。
iPhone 15シリーズでは、人、犬、猫を検知すると背景をぼかすために必要な深度情報を自動で記録し、撮影後に写真アプリから簡単にポートレート写真に変換できます。
また、人、犬、猫以外でも同じようにポートレート写真に変換したい場合は、机の上に置かれたお皿など被写体をタップするだけで深度情報が記録されて撮影後に背景をぼかすことができます。
さらに嬉しいのはLivePhotosをオンにすれば、「カシャッ!」と鳴り響くシャッター音が「ポン」という小さな音に変わるということ。店内で料理を撮影する時もポートレートモードで気軽に撮影できます。
撮影後にフォーカスを合わせる被写体または、ぼかす被写体を変更することも可能になりました。撮影後に手前をぼかすか、奥をぼかすか自由自在です。
また、動画で背景をぼかせるシネマティックモードは、これまで等倍または3倍での利用に限定されていましたが、iPhone 15 Proでは、等倍から3倍までの連続ズームが可能になりました。撮影中も倍率を変更できるため、近すぎず遠すぎない良い距離感で撮影できます。
スマホカメラのトレンドはイメージセンサーの高画素化です。
一昔前の高画素化とは違い、高性能なチップと高度なソフトウェア処理を組み合わせることで機能性も画質もアップします。
昨年、Appleもメインカメラのイメージセンサーを12MPから48Mまでアップさせ、4つのピクセルを1つに束ねることで明るくノイズを低減。ダイナミックレンジを拡大させるなど画質を向上しました。
さらに、48MPセンサー中央の12MPを切り出すことで使い勝手のいい2倍ズームも戻ってきました。
今年はメインセンサーで利用できる焦点距離が24mm(等倍)/28mm(1.2倍)/35mm(1.5倍)と3つに増加し、シャッターボタンのすぐ上に表示される1xボタンをタップするだけでプロの写真家も頻繁に利用する重要な焦点距離に変更できます。
設定画面からデフォルトの焦点距離を変えることも可能。つまり、35mmが好きな人はカメラアプリを終了しても常に35mmで写真を撮影できます。なお、3つの焦点距離を操れるのは写真の時だけで動画では利用できません。
Appleはこの機能を紹介する時にプロの写真家にとって重要だと説明していましたが、焦点距離を長くしてズームすると写真が上手く見えやすい効果もあるのでプロ以外にも喜ばれる機能だと思います。
これらの焦点距離で撮影した写真は、等倍撮影時と同じプロセスを踏むことからデジタルズーム以上の画質で撮影できます。以下の写真を見ても大幅な劣化は確認できません。
24mm/28mm/35mmで撮影した写真は新たにデフォルトになった24MPで記録されます。
これまでよりも2倍も高い解像度によってズームしても細部が保持され、ピクセルビニングによってダイナミックレンジも拡大。つまり、48MPと12MPの良いとこどりです。デメリットはデータ容量が増えることです。
暗い場所で撮影した時に細部を保持して、より鮮やかな写真を撮影できるPhotonic Engineもアップデートされ、超高解像度の画像と最適な量の光を取り込んだ画像からベストなピクセルを組み合わせるように進化しました。
以下の作例でもわかるように屋内で撮影した写真の表現力は確かに高いものがあります。
ハードウェアアップデートでは、レンズフレアを抑えるナノスケールコーティングが施されています。
以下はPixel 7 Proと同じシーンを撮り比べたものですが、明らかにiPhone 15 Proの方がフレア抑えられています。
買ってはいけないファインウーブンケース
環境保護を考慮してレザーケースが廃止になりました。
代わりに登場したのがAppleが開発した新素材ファインウーブンを使用したケースです。公式画像から素材感を読み取ることはできませんが、実物を手にしてみると、ファインウーブンがどこかで触れたことがある布生地であることがわかりました。
でも、ただの布です。布のなかでも薄い安っぽい布。
Appleいわく「耐久性に優れたマイクロツイルで作られている」とのことですが、このケースの耐久性は最悪でツメ跡が付くと2度と消えません。撥水加工もなく濡れるとシミになり、シミを消そうと指でこすると白くなります。
革であれば味のある劣化が期待できますが、ファインウーブンはただの布なので味も何もあったものではありません。
ファインウーブンのお手入れ方法に従ってメンテナンスしたところ水滴や手の汗・皮脂でできたシミは目立たなくなったものの、完全に落ちることはなく、ツメで付いたキズはどうにもなりませんでした。
ファインウーブンケースは紙ストローのようなものです。環境保護という絶対正義を盾に首根っこ掴まれて受け入れざるを得なくなっていますが、明らかにレザーに劣っています。
このケースの良いところは薄いこと。ケースを付けても持ちやすさがある程度キープされることだけです。
このケースが9,980円とは信じられません。買ってはいけないケースです。Appleのロゴが無ければ1万円も出して買う人はいないでしょう。
A17 Pro
これまでiPhone向けのチップには、高性能コアと効率コアを融合させた“Fusion”、機械学習に特化した“Bionic”がありましたが、今年は初めて「Pro」を冠したチップが搭載されました。
高性能コアと効率コアで構成されるチップは当たり前。機械学習のパワーアップも同じで特別感はありません。
現時点で機械学習、AIに強いイメージがあるのはGoogle Tensorだと思います。iPhone 15 Proの発表から数週間後に登場したPixel 8シリーズとGoogle Tensor G3は、そのイメージをさらに強めました。
AppleのチップはAIをほとんど無視していて、AppleがA17 Proを“スマートフォン史上最速”と説明するようにクラシックな性能と電力効率をアピールします。
確かにA17 Proチップは優秀です。バイオハザードなどPCで動作するようなタイトルまでプレイ可能。
1年間利用しましたが、ポートレートでもシャッターラグが少なく、Pixel 8 Proよりも連写性能が優れています。Lightroomを使ったRAW編集も快適で、マスク作成時の被写体検出も瞬時に完了するなどストレスはありません。
このモンスター級のチップと新たに搭載したUSB-C端子を活用して、iPhoneと外部ディスプレイをケーブルで繋いでPC用のインターフェースで操作できる機能があれば最高ですが、iPadもMacと食い合いそうなのでおそらくAppleは提供しないでしょう。
これだけの性能がスマートフォンにはたして必要なのか疑問に感じる人も多いはず。ただ、iPhoneは長期にわたるOSとセキュリティアップデートを提供していることを考えれば、数年先も快適な動作を保証する性能は必要だと筆者は思います。売却価格も高くなるでしょう。
なお、発売直後は発熱の報告があり、AppleはA17 Proに原因があるのではないかといった声もありましたが、Appleはこれを完全否定。iOS 17.0.3にてソフトウェアの不具合を修正して発熱問題を解消しています。
筆者のiPhone 15 ProもiOS 17.0.2では、USB-Cケーブルで充電したり音楽を聴きながらインスタのフィードを5分確認して、dマガジンで雑誌を読むだけでも発熱を感じましたが、アップデート以降は快適に動作しているので安心して購入して良いでしょう。
電池持ち
いつものようにiPhone 15 Proが手元に届いてすぐにカメラテストに出かけて383枚の写真や動画を撮影してきました。
バッテリーテストを兼ねたもので、マップアプリで目的地までのルート案内や電車の乗り換え検索を多用したり、インスタでスポット検索したり、移動中にメモアプリを使ってレビューの下書きをしたり、ほぼ旅行を想定したヘビーな使い方をしたところ約5時間30分で電池切れに。画面オンの時間は約2時間30分でした。
昨年のiPhone 14 Proよりも30分遅く電池切れになったものの、今年は撮影枚数が50枚以上少なく、画面の明るさも最大で固定せずに都度変えていたこともあるのか体感としては短く感じました(画面の明るさ調整はセンサーを活用するため、消費電力が上がる可能性があります)
なお、バッテリー寿命についてはiPhone 14シリーズ以前は500回の充電サイクルで80%を維持すると案内されていましたが、iPhone 15シリーズでは1000回の充電サイクルで80%を維持すると案内されています。
つまり、電池の最大容量が減りにくいため、長期間利用しても電池持ちが維持されることになります。
iPhone 15 Proを使い始めてから約1年。充電サイクルは314回を記録し、最大容量は93%になりました。このペースを維持するのであれば、約2年で最大容量は80%に到達しそうです。
バッテリーの充電はUSB-Cのほかにも、マグネットを活用したワイヤレス充電のMagSafeとQi2/MPPに対応しています。
どちらも充電時の出力は15Wで充電可能。ただし、iPhoneの背面に乗せたワイヤレスイヤホンを充電できるリバース充電には対応していません。
まとめ:今年は買うべきタイミング
iPhone 15 Proは前評判通りマイナーアップデートですが、クラシックなSアップデートではなく、もう一段上のS+アップデートと評価します。
新素材のチタニウムによるPro史上最軽量のボディに最新のA17 Proチップを搭載。
独自規格のLightningから解放され、USB-Cによって持ち歩くケーブルを一本化できるほか、iPhoneとiCloudの空き容量をカンタンに増やすことが可能に。
小指の痛みを軽減するラウンドエッジのフレームに新しいアクションボタンを搭載したことで、よく使うアプリやショートカットにボタン一発でアクセス。
3つの焦点距離と光学相当の2倍ズームを操れるメインカメラ、マクロ撮影が可能な超広角カメラ、遠くの被写体を劣化なしで撮影できる望遠カメラの合計7本のレンズをポケットに入れて持ち運べるProカメラは画期的なオートポートレートにも対応しました。
約1年間利用しましたが、iPhone 15 Proはここ数年で最もよくできているiPhoneだと思います。今回は買うべきタイミングと再評価します。
Apple公式サイトの最低価格は159,800円に設定されています。端末の返却等を条件に割安で購入できるキャリア価格はこちらで確認してください。
カンタンなタップ操作でキャンペーンや下取り、毎月の通信費込みで料金計算できるシミュレーターも開発したのでこちらからどうぞ。