Appleが今月13日に開催するスペシャルイベントでは、新型iPhone(仮称:iPhone 15)の発表が確実視されています。
そして、2012年から約10年も使用されてきたApple独自端子のLightningがついに終わりを迎え、世界中で膨大な製品に使用されているUSB-C端子に移行することになります。
普段からiPhoneとMac、そしてAndroidを持ち歩くような筆者も含めて多くの人が持ち歩くケーブルなどアクセサリの種類を減らすことができる変更を歓迎するでしょう。
一方で、これまでに買った充電ケーブルやその他のLightningアクセサリが今年以降に発売されるiPhoneで利用できなくなるため、この記事を見ていないような多くの人たちは歓迎しないかもしれません。発表や発売の数日前に買った新品のアクセサリが新しいiPhoneで使えないといった人も出てくるでしょう。
USB-C端子を搭載したAirPods Proも登場か
特に充電器は問題です。これまでAppleがUSB-C端子の充電器をiPhoneのパッケージに含めたのはiPhone 11 Proのたった1回だけ。
その翌年から充電器の同梱を廃止したので今もUSB-A端子の充電器を使用している人は多いはず。そういった人たちはiPhone 15に買い替えた途端に充電ができなくなります。
パッケージの大型化と配送コストの上昇などを考えると、充電器の同梱を復活させる可能性は少ないと以前の記事で予想しましたが、BloombergのMark Gurmanも充電器が同梱される可能性は低いとレポートしています。
おそらくApple Storeや携帯ショップのスタッフは、iPhone 15を購入する客に対してUSB-C充電器、変換ケーブルの購入を推奨し、オンラインショップでも従来の充電器では新しいiPhoneを充電できないと注意書きが出ることが予想されます。
USB-Cに移行するにあたってもう1つの懸念はMFi認証です。
AppleはLightningにMFi認証を導入することでiPhoneを安全に保護するとともに、アクセサリメーカーから四半期ごとに数千万ドルの収益を得ています。
この収益を維持するためにAppleはUSB-CにMFi認証を導入することで、充電速度や機能を制限するといった噂があります。Mark Gurmanは最新のレポートでもこれらの制限については直接的に肯定も否定もしていませんが、MFi認証によって得ていた収益を失う可能性が高いとしています。
つまり、MFi認証がUSB-Cに持ち込まれる可能性は低いものの、ほかの要因によって何らかの制限はあるかもしれません。例えば、iPhoneを最速でデータを転送したり、最短でバッテリーを充電するには、別売りの高性能なケーブルの購入を促すといったことが考えられます。
なお、Mark Gurmanは9月のスペシャルイベントでUSB-C端子を搭載したAirPods Proが登場するとも予想しています。アップデートは充電ケースの端子のみで本体のアップデートはないとのこと。