iPhone Air 2はシングルカメラ継続か。売れないモデルの“2眼化は見合わない労力”と指摘
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

売れていないのか、それとも想定どおりなのか——iPhone Airの販売状況をめぐる報道は定まらず、見方が大きく分かれています。
販売不振と報じられた直後に「それほど悪くない」とする情報が出るなど、ここ数カ月は一貫性のない状態が続いています。
iPhone Airは、iPhone Plus / miniの“後継ポジション”ともいえるモデルです。もし販売不振が事実なら、同じ道をたどるのではないか、という見方が出るのは自然なことです。
さらに最近では、「iPhone Air 2は発売されない」といった噂も目立つようになりました。
そんななか、未発表Apple製品について最も信頼される情報源であるBloombergのMark Gurman氏が、iPhone Air 2の最新動向をレポートしています。
iPhone Air 2は“2026年発売”の計画が最初から存在しなかった?
これまでのレポートでは、販売不振が理由でiPhone Air 2が「無期限延期」または「発売中止」といった論調が目立っていました。
しかし、Gurman氏はこれを真っ向から否定しています。
「少なくともここ数カ月の時点で、Air 2を2026年に発売する計画はなかった」とし、Airの売れ行きとAir 2の発売スケジュールは無関係だと指摘しています。
事実、販売不振ながら2〜3世代続いたminiやPlusを踏まえれば、iPhone Airがわずか1世代で打ち切られるとは考えにくいことです。
Apple will launch the iPhone 18 Pro, 18 Pro Max and Foldable next fall – with the iPhone Air 2 never – at least not in recent months – planned for 2026. https://t.co/qVbKHjJH3N
— Mark Gurman (@markgurman) November 16, 2025
売れないのに「後継機が出る」2つの理由
iPhone人気の高い日本国内の販売状況を確認してみると、2025年10月のBCNランキングにおいてトップ20に入っておらず、ドコモとauの売れ筋にもランクインしていません。
筆者もAir愛用者として残念ですが、数字を見る限り「売れている」とは言い難い状況です。
それでも後継機が出る理由は、少なくとも2つあります。
1. Appleの販売目標が控えめ

Gurmanによれば、Appleが見込んでいたiPhone Airのシリーズ内シェアは6-8%で、iPhone 16 Plusとほぼ同じとのこと。
iPhone Airが各ランキングに入らないのは衝撃的に見えますが、そもそも期待値が高く設定されていない可能性があります。
見かけ上、売れていなくてもAppleの目標を満たしていれば、後継機が出ることは不思議ではありません。
2. iPhone Foldの“試験機”という役割
もう1つは、2026年秋発売が噂される折りたたみモデル、iPhone Fold向けの技術開発にAirが関わっているという点です。
Airで培われる小型化技術、素材、内部コンポーネント、バッテリー、ソフトウェアの最適化はiPhone Foldにも流用できるとGurmanは指摘しています。
こうした試験はiPhone 16eでも行われており、Apple製のモデムC1が先行導入され、数ヶ月に発売されたiPhone Airには最大2倍高速で30%も消費電力の少ないC1Xが搭載されています。
Air 2の噂:カメラのアップデートは期待できない?
Airが敬遠される明確な理由の1つはシングルカメラです。
4機種のうち最適な1台を選ぶとき、シングルカメラを“敢えて選ぶ”理由は少なく、Airが候補から外れるケースは自然と多くなります。
The Informationは背面に超広角カメラを追加する可能性を報じましたが、Airのカメラが配置される“プラトー”と呼ばれる空間はすでに部品で埋まっているため、大幅な設計変更が必要になります。

Gurmanも売れ行きの良くないiPhone Airに、そこまで大きな労力を割くのは「奇妙」と述べており、カメラの強化は期待できないようです。
Air 2の噂:チップの進化によって電池持ちを改善か

Gurmanはカメラではなく、チップの進化を予測しています。
Air 2への搭載が予想されるA20チップは次世代の2nmプロセスで製造され、消費電力の大幅な削減や電力効率の向上によって電池持ちの改善が期待できます。
筆者は発売から2ヶ月使っていますが、日常用途では十分でも、取材時にカメラ・モバイルデータ通信・テザリングを頻繁に使用する取材では耐えられないというのが正直なところ。
ただ、経験上、チップの改善だけでそこまで劇的な変化は期待できませんがどうでしょうか。




















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