スマートフォンで携帯電話網を利用した音声通話やデータ通信を利用するにはSIMカードまたは画面上で申し込み、セットアップできるeSIMが必要です。
Appleは2018年発売のiPhone XS|XS Max|XRでeSIMに初めて対応。2021年発売のiPhone 13シリーズではデュアルeSIMに対応するなど徐々にeSIMを強化したことで、今のiPhoneに物理的なSIMカードはほとんど必要ありません。
BloombergのMark Gurmanによれば、AppleはiPhoneにおいてSIMカードの廃止を検討しており、早ければ数日後に発表されるiPhone 14シリーズで実現するとレポートしています。
iOS 16ではeSIMのワイヤレス転送機能を追加か
eSIMの廃止に関する情報は今回が初めてではなく、昨年2月の時点でAppleがeSIM専用機を社内でテストしていると報告されていました。
また、Appleが米国のキャリアに対して2022年9月までにeSIM専用デバイスの発売に備えるよう案内を出したとも報じられています。
iPhoneのSIMカードスロットを廃止できれば、フレームはよりシームレスになりわずかながらデザイン性が向上するでしょう。防水・防じん性能の改善や部品が減ることによって内部スペースが拡大し、バッテリー容量を増量することができる可能性があります。
一方で、eSIMには課題があります。
物理的なSIMカードのようにカンタンに入れ替えることはできず、eSIMの再発行と再設定が必要で、再発行の受付時間を限定しているサービスも多く存在しています。
再発行の手続きもバラバラ。ウェブからできるものもあれば、povo2.0のようにチャットで問い合わせなければいけないサービスもあります。
今のままiPhoneがeSIMに完全移行した場合は大きなトラブルになることが予想されるため、Appleは段階的に移行する計画なのかもしれません。
なお、AppleはiOS 16にて現在利用しているiPhoneから別のiPhoneにBluetoothでeSIMをワイヤレス転送できる新機能を搭載するようです。新機能にはキャリア側の対応も必要になることから、この機能に対応する国と地域でのみeSIMが販売される可能性も考えられます。
コメントを残す