iPhone XRのカメラは被写体の背景をぼかして印象的な写真が撮影できるポートレート撮影に対応している。
ただ、iPhone XS/iPhone XS Maxと違うのは被写体が限定されること。例えば、料理やペットにカメラを向けても「誰も検知されませんでした」とエラーメッセージが表示されてポートレート撮影ができない。
購入してからガッカリした人もいるかもしれないが、将来的にはサードパーティのカメラアプリを利用することで人物以外でもポートレート撮影が可能になるかもしれない。
ポートレート撮影を可能にする「深度マップ」
iPhone XRのポートレート撮影が人物に限定される理由は深度マップ(イメージプロセッサとソフトウェアは深度マップを元に画像にぼかしを適用する)にある。
iPhone XSなどデュアルカメラを搭載したiPhoneでは一方のレンズが画像を記録し、もう一方のレンズが被写体との距離を測定して深度マップを作り出すが、シングルカメラのiPhone XRではレンズが1つしかないためレンズから深度マップを作り出すことができない。
ではどうやって深度マップを作り出すか。答えは機械学習だ。機械学習によって被写体の中から顔を識別し、被写体(人物)と背景を正確に区別して深度マップを作って背景ぼかしを適用している。つまり、機械学習が顔以外を識別できないため、料理やペットをポートレートモードで撮影できないというわけだ。
iPhone XRでも様々な被写体に対応するポートレート撮影が可能に?
Appleが機械学習を進化させないかぎりiPhone XRのカメラで人物以外のポートレート撮影は不可能と思われたが、人気のカメラアプリ「Halide」の開発者はペットのポートレート撮影に成功したと報告している。
Depth on iPhone XR vs iPhone XS. The XR has 1/4 the depth data. (Ignore color differences.) pic.twitter.com/WMkDtznY5o
— Ben Sandofsky (@sandofsky) 2018年10月27日
標準のカメラをハックしたわけではなく、開発しているサードパーティのカメラアプリに手を加えることで実現したようだ。ペット以外のあらゆる被写体のポートレート撮影も可能で机の上に置いた炭酸水のボトルでもポートレートで撮影できたとのこと。深度マップの解像度がiPhone XSよりも低いといった課題もあるようだが、近い将来、iPhone XRのカメラでも料理やペットにもポートレート撮影が使えるカメラアプリがリリースされるかもしれない。
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