KDDIとソフトバンクが通信障害や災害などスマートフォンで通信できなくなった時の備えとして、auまたはソフトバンクの予備回線に切り替えて通信サービスを利用できるデュアルSIMサービスを3月下旬以降に提供します。
KDDIでは昨年7月にau回線利用事業者の通信サービス等が利用できない、または利用しづらい状況が61時間続く同社史上最大規模の通信障害が発生。一般利用だけでなく、緊急通報サービスも利用できなくなるなど、影響が広範囲に及んだことを受けて障害発生時に他社の回線を利用できるサービスの議論が進んでいました。
デュアルSIMは1つのスマートフォンで2つのSIMカードを利用できる機能で、筆者もデュアルSIMに対応するiPhone 14 Proにて、メイン回線のドコモに加えてサブ回線として基本料0円のpovo 2.0を使えるようにしています。
こういったデュアルSIMによるバックアップ回線の確保は事前準備が必要でユーザーの負担が大きいものでしたが、今回発表されたKDDIとソフトバンクが提供するデュアルSIMサービスによって導入負担が大きく軽減されることが予想されます。
なお、具体的なサービス内容や提供料金、申し込み方法などは別途発表するとのこと。
具体的なサービス内容や料金、申込方法など詳細は別途発表されますが、KDDIは決算説明会にて基本料料金は数百円で従量料金を少し高めに設定することを明かしています。
また、eSIMでも物理SIMカードでも対応できるようにしたいと語り、eSIMの場合はそのまま設定して利用できるのに対して、物理SIMカードは後日お届けになることを示唆しました。
ソフトバンクだけでなくドコモにも声がけしているものの、いつ実現できるか言える段階にないとのこと。また、楽天やMVNOには声がけしていないようです。
デュアルSIMサービスと並行して事業者間ローミングの議論も進んでいますが、緊急通報を受ける側からのコールバック(救急車が到着するまでの容態の変化を確認するなどの呼び返し)や他社にトラフィックが移動した時の負荷増大にシステムが耐えられるのか、などいくつかの障壁があることから提供までには時間がかかる見込み。
こういったことからKDDIでは、通信障害時にバックアップ回線を早期提供できる代替案の検討が必要とし、デュアルSIMサービスの提供について事業者に声がけしていることを明かしていました。
なお、KDDIの高橋社長は、昨年11月時点でauとドコモ回線でデュアルSIMの運用していることを明かしていましたが、デュアルSIMサービスについてはまずソフトバンクと組むことになったようです。
KDDIとソフトバンクは通信事業者として、通信の安定的な提供に向け日々全力を挙げて取り組むとともに、通信障害や災害時に通信ができなくなった際の早期復旧に向けた体制構築にも取り組んでいます。また、通信障害や災害で不通となった通信の復旧までの代替手段の確保も課題として捉えており、今般両社で協力し、各社のお客さまに本サービスを提供する運びとなりました。
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