ソフトバンクとKDDIは通信障害および災害時に音声通話やデータ通信が利用できなくなった時に備えて、他社の回線を利用できるデュアルSIMサービスを3月下旬以降に開始する予定です。
発表の翌日に開催されたソフトバンクの決算説明会にて宮川社長はデュアルSIMサービスの提供方法や将来的な展望を明らかにしました。
デュアルSIMサービスの料金は「数百円の下の方」
デュアルSIMサービスの提供に関して宮川社長は通信障害や災害時の保険という意味合いを理解してもらえるように利用料金を「数百円の下の方をターゲット」にしているとコメント。
しかしながらKDDIでは、auの回線を利用したオンライン専用ブランドpovo2.0を基本料0円で提供していることから、月額数百円のデュアルSIMサービスを利用するメリットに関して問われると「ソフトバンクのショップでauの通信保険を販売し、auショップでソフトバンクの通信保険を販売する」と説明。
申し込みがオンラインに限定されるpovo2.0に対して、ショップ販売による導入のしやすさもメリットと考えているようです。
さらに、「あったら良いなと思うのは」とあくまでも思いつきであることを前置きした上で、「災害時に発着信を含めて今までと同じような形で使える電話番号やメールアドレスのあり方、アプリの継続性などそういうことも含めてできるように最後は作り込んでいきたいと思っている」と今後の展望を明かしています。
これはぜひ実現して欲しいところ。
「かける側は知らない電話番号だと取ってもらえないこと、かかってくる側は知らない電話番号だと取らないことを危惧をしてる。iPhoneとApple Watchで同一番号の仕組みはできている。技術的には不可能ではない。やり方は頭の中で整理できているつもりたが、コストをどう持っていくのかなど決めなくてはならない」
現時点でデュアルSIMサービスは、KDDIとソフトバンクのみが手を組んでいますが、他社との交渉状況について「秘密保持契約があるため、個別の協議について回答は差し控える」としながらも「一般的な考え方は条件が揃い次第、どのキャリアともやるつもりでいる」と今後も手を組むキャリアを増やしていく考えを示しています。
MVNOについては「あくまでもデュアルSIMサービスはBCP(災害など緊急時における損害を最小限に抑え、事業の継続や早期復旧を図るための計画)の対策として、もしキャリアが障害を起こした時にユーザーに迷惑をかけれないとして始まったもので、これを(MVNO向けに)メニュー化するつもりは一切ない。MVNOの位置付けは変わらない」と回答しました。