ソフトバンクが2月3日開催した決算説明会後の質疑応答にてオンライン専用ブランド「LINEMO」について好調に契約数を伸ばすサブブランド「Y!mobile」との差別化を検討していることを明かしました。
店舗併設で好調なワイモバイル
質疑応答で昨年8月に50万に満たないぐらいと答えていたLINEMOの契約数について聞かれたソフトバンクの宮川社長は「少しずつ伸びている」「毎月減ってはいないけど、爆発的に増えてはいない。胸張って言えるほどの数字ではない」と回答。
好調なワイモバイルとLINEMOの差別化がなくネットが使えれば手続きも変わらないとしながら「今後はもう少し差別化をやっていこうと考えている。その時期が来たら形として示していきたい」とサービスの改定を予告しました。
ソフトバンクのスマートフォン契約数は、ワイモバイルやソフトバンクブランドのスマホデビュープランが好調に推移したことで、前期末比で97万件の増加を記録。
特に説明会ではワイモバイルが好調であることが強調され、要因として990円から使える低料金で他キャリアと比べても見劣りしないサービスを提供していることやテレビCMが好調で来店者が増加し、ワイモバイルの店舗がソフトバンクと併設されていることで、スタッフと相談しながら加入できる環境が整っていることを挙げています。
ワイモバイルとの差別化が予告されたソフトバンクのオンライン専用ブランド「LINEMO」は、LINEのトークや音声通話・ビデオ通話を使用する場合はデータを消費しないLINEギガフリーが特徴のサービス。J.D.パワージャパンの満足度調査で1位になったものの、契約者数はahamoやpovoといった他社のオンライン専用ブランド・プランに大きく離されています。
楽天+サブブランド+オンライン専用ブランド/プラン契約者数
— Yusuke Sakakura🍎携帯総合研究所 (@xeno_twit) November 11, 2021
ワイモバイル 700万
楽天モバイル(MNO)411万
UQ mobile 300万
ahamo 200万
povo 100万
LINEMO 50万に満たないぐらい→その後非開示
昨年7月には月額990円で3GBを使える新プランを投入。新規受付を停止したLINEモバイルからのりかえを検討するユーザーの流出を防ぎ、勢いが増して順調に伸びていると答えたものの、他社から多くのユーザーを奪い取るような魅力的なブランドにはなっていません。
サブブランドとオンライン専用ブランドの差別化に成功したのがKDDIです。基本料0円のベースプランとトッピングを組み合わせることで、料金を安く抑えたいユーザーだけでなく2台目需要も獲得できるpovo2.0によってUQ mobileとの大きな差別化を実現しました。
ワイモバイルとの差別化を図るということで、ahamoのような有料サポートの提供はあっても無料のまま店舗サポートの充実化は期待できないでしょう。povoのような大幅な料金プランの変更やポイントプログラムの充実化、LINEギガフリーの拡充などは期待できるかもしれません。